「株投資=危険」という認識の人が多いだろうが、配当や株主優待のいい株を長期で持てば、非常に高金利な定期預金のように運用することも可能だ。ここでは具体的に株の長期保有について紹介しよう。目指せ年利3%!
メガバンク株なのに配当利回りは3.86%もある!
(Image:Shutterstock.com)
株式投資は、ある銘柄を安く買って高く売ることで差額の利益(キャピタルゲイン)を得るものだと思っている人が多い。確かにそれは間違っていないが、キャピタルゲイン狙いではなく、株を長期保有することで、定期預金のように毎年安定した金利を得る方法もある。なぜなら、株を保有していると配当金や株主優待を受けられるからだ。
具体例を見てみよう。たとえば、絶対倒産しそうにないメガバンク「みずほ銀行」の株価は1株194.1円(2018年9月4日現在)。単元株(最低購入株数)は100株なので、たった1万9,410円で購入可能だ。みずほ銀行に株主優待はないが、1株当たりの配当額は7.5円なので100株で750円の配当がもらえる。これは実に3.86%に相当する高利回りである。もちろん配当には20.315%の税金がかかるので、手取りは約580円になるが、税引き後でも配当利回りは2.98%もあるのだ(NISAなら非課税)。
つまり、毎年580円の配当をもらい続ければ、34年目に投資金を回収できる計算になる。そのあとはノーリスクで配当分は丸儲けだ。また、貸し株に出せば年数はもっと短くなるし、将来、購入時よりも株価が上がっていれば、キャピタルゲインも狙えるのである。
■みずほフィナンシャルグループ(みずほ銀行)
【株の最低購入代金】
1株194.1円×100株=1万9,410円(投資額)
※株価は2018年9月7日現在
【配当金】
1株=7.5円×100株=750円
(税金20.315%引かれて手取りは約580円)
【初期投資額回収】
580円×34年=1万9,720円
※34年保有すれば元が取れる!
※同じ配当が続くと仮定した場合
(Image:TK Kurikawa / Shutterstock.com)
「みずほ銀行」はたった2万円以下で購入可能。30年単位で長期保有する覚悟があれば、定期預金より儲かる。もし、株価が下がっても慌てず、ナンピン買いして平均購入株価を下げていけばいい。5株買っても10万円以下だ。日本を代表するメガバンクみずほ銀行株すら怖くて買えないようなら、株投資はあきらめたほうがよい
配当金だけでなく株主優待も合わせて考えよう!
航空券が50%OFFになるANAの株主優待券は年2回もらえるので、自分で使ってもいいがチケットショップで売れば5,000円程度で買い取ってもらえる。もちろん、これに20%の税金はかからないのが美味しい! ちなみに、株主優待でQUOカードをもらえる株も多く、この場合は配当と違い20.315%の税金がかからないのがうれしい。
株主優待がある銘柄として紹介したいのがANA(ANAホールディングス)だ。ANAは1株3,843円(2018年9月4日現在)で単元株は100株なので、初期投資は38万4,300円。配当は1株70円なので配当利回りは1.82%しかない。だが、ANAは株主優待として搭乗券が50%OFFになる券が年2回もらえる。チケットショップで売れば5,000円程度になるので、配当金と合わせて年間1万7,000円の利益になる。これは実に4.4%という高利回り。もちろん、ライバルのJALは一度破綻したことがあるので倒産リスクはあるが、25年保有すれば投資金を回収できる計算だ。
もちろん、長期保有する株の見極めは難しい。まず、東証1部で絶対に倒産しそうにない有名企業を選びたい。上場したばかりのIT企業や飲食の新興銘柄は、どうしても倒産や株価大幅下落のリスクが潜んでいる。また、配当金が4%を超えるような銘柄も要注意。業績が悪くて株価が下落しているために、配当利回りが高くなっている場合が多いのだ。そのような会社は業績が悪いので、いずれ配当金は下がり、無配に転ずるとさらに株価が下落していく。配当金だけを見て業績の悪い会社に手を出してはいけない。もちろん、株の購入は自己責任で!
■ANAホールディングス(ANA)
【株の最低購入代金】
1株3,843円×100株=38万4,300円(投資額)
※株価は2018年9月4日現在
【配当金】
1株=70円×100株=7,000円(税引き後は約5,578円)
株主優待券5,000円×年2回=1万円
年間1万7,000円の利益
【初期投資額回収】
15,578円×25年=38万9,450円
※25年保有すれば元が取れる!
※将来も同額の配当、同じ株主優待が続くと仮定した場合