「ビザ・ワールドワイド・ジャパン」の発表によると、同社の手掛ける「Visaタッチ決済」が利用者を大幅に伸ばしていることが判明。日本においては前年から約15倍以上利用比率が伸びているようだ。
今回はVisaタッチ決済が利用者を伸ばした背景と、そこに隠された今後のクレジットカードの逆襲のチャンスについて考えていく。
新型コロナウイルス流行と共にユーザーを増やしたVisaタッチ決済
「ビザ・ワールドワイド・ジャパン」の行なった説明会によると、「Visaタッチ決済(クレジットカードのNFC非接触決済)」が今大きく利用を伸ばしていることが分かった。
利用を伸ばした要因の一つとして新型コロナウイルス感染症の流行が考えられる。世界中で健康や衛生という面を重要視する流れが起き、付随する形で「非接触」への関心も高まったのではないか。昨年度の全世界でのVisaタッチ決済比率は、43%にもなったというデータも出ている。利用率の内訳から見ても新型コロナウイルスの影響は一目瞭然であり。春先から秋ごろを比較すると、2カ国で25ポイント以上増加。10の国・地域で10ポイント以上、38カ国・地域で5ポイントの伸びを見せており、新型コロナウイルス感染症の流行と共に非接触での決済を利用するユーザーが伸びていることがわかる。
しかし、非接触の一番のメリットはやはり「便利さ」ではないだろうか。クレジットカードは、長らくの間「現金に比べ支払いが楽」という立ち位置だったが、「PayPay」をはじめとしたより手軽な「QRコード決済」が普及した今、その優位点は影を潜め、人々にとってはクレジットカードを財布から出すという行為自体も手間に感じていただろう。
そこで考えれば非接触決済を搭載したクレジットカードは、タッチだけで支払いが可能となり、スマホを取り出しアプリを立ち上げる手間すらいらない。利便性の面でQRコード決済を追い抜いたかもしれない。
現在日本では、約70%のコンビニでVisaタッチ決済利用可能になるなど、順調に普及拡大している。アプリを立ち上げる必要がない利便性はもちろんだが、QRコード決済各社はサービスが乱立しており、キャンペーンも多い。みなさんも「今どのアプリを使うべきか」レジ前で悩んでしまうことも少なくないはずだ。その点でいえば連携サービスに悩むことなく、メインのクレジットに集約できるという面も受けているのかもしれない。
クレジットカードからQRコード決済にユーザーは移動していたが、ここにきて風向きが変わる予感。キャッシュレス決済界の最古参のクレジットカードの復興が巻き起こりはじめているのかもしれない。
参照元:Visaのタッチ決済、15倍に拡大。日本での普及が進む【Impress Watch】
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