以前にも増して身近になってきているキャッシュレス決済。お金を持ち歩く必要がなくなり、身軽に外に出られる、さらにポイントが貯まるなど、キャッシュレス決済の魅力は計り知れない。2019年は「キャッシュレス元年」と呼ばれるほどキャッシュレス利用者が爆発的に拡大していった。そして、2020年もまた、大きく飛躍していた。中でも「PayPay」や「楽天ペイ」、「au PAY」といった、キャッシュレス決済のひとつ「QRコード決済」が、大々的な還元キャンペーンなどで一気に普及したのは記憶に新しい。
そんな中、航空会社ANA(全日空)が提供しているQRコード決済サービス「ANA Pay」が本気を出しはじめていると話題になっている。
ANAがはじめた、あるキャンペーンとは?
ANA Payは2020年12月10日から始まったマイレージクラブ会員向けのスマホアプリで使える決済サービスのこと。最大の特徴はANA Payでの買い物やチャージでマイルをどんどん貯めていくことができるという点だろう。すでに約3,700万人を抱えるANAマイレージクラブ会員なら、すぐに利用できるという。もしかしたらあなたの周りにいる人の中にも、もうすでに使っている流行に敏感な人がいるかもしれない。
そして2020年12月16日には、「ANAマイレージクラブ」の上級会員となるための条件にANAカードやANA Payの決済額も加えるキャンペーンをはじめたのだ。
ANAが狙うのは、約3,700万人のマイル会員を基盤に、ANA版の「スーパーアプリ」を構築しながら非航空事業を伸ばすことだろう。さらに、ANAホールディングスの片野坂真哉社長は「スーパーアプリ」の構築を掲げているのだという。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、“航空一本足”の事業構造の脆弱さが際立った。現に航空需要の急激な落ち込みで2021年3月期は5,050億円の営業赤字となる見通しだ。
そんな中、利用頻度が高いサービスをまとめて提供する「スーパーアプリ」の実現に向けた日常的な顧客接点をもつための手段がANA Payだ。しかし、スーパーアプリは、日常生活で頻繁に開くことが大前提であるはず。さらに、PayPayや楽天ペイなど手強い競合他社がいる中で、はたしてどれだけ戦えるのだろうか……。そしてスーパーアプリは今後のトレンドになっていくのだろか。しばらくは目が離せない。
参照元:「スーパーアプリ」に本気のANA スマホ決済に上級会員制度変更【日経ビジネス】
※サムネイル画像(Image:TK Kurikawa / Shutterstock.com)