楽天経済圏、危うし!? 楽天ゴールドカードの“改悪”は顧客満足度にも大打撃?

1月14日に「楽天カード」が発表したサービスの改定が波紋を呼んでいる。楽天カードと言えば、高いポイント還元率や、「お買い物マラソン」「楽天スーパーSALE」などのイベントによるポイントアップキャンペーンが大きな売りだ。ポイントは現金感覚で使うことができ、加入者の多くがポイント目当てで楽天カードを持っていると言っても過言ではない。しかしこの最大の魅力が今回、改定の対象となってしまったのだ。

年会費を払っても十分なポイント還元があった「楽天ゴールドカード」

(Image:rakuten-card.co.jp/card/rakuten-gold-card/)

あまりの改悪でユーザーを騒然とさせた楽天カード

 楽天カードのサービスには3つのランクが存在する。年会費無料の楽天カード、年会費税込2,200円の「楽天ゴールドカード」、年会費税込11,000円の「楽天プレミアムカード」だ。当然、ランクが上がるごとに特典も充実していくのだが、これまでは年会費を払ってもそれ以上のポイント還元が受けられる「楽天ゴールドカード」が、楽天ユーザーには堅実とされてきた。いずれのカードともポイント還元率は一律1%(100円につき1ポイント)なのだが、肝となっていたのが楽天カード独自の「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」というしくみだ。
 SPUは楽天グループの各種サービスを利用することによって、楽天市場で買い物するときにポイント還元率がアップするプログラムだ。これまでは楽天カードなら+2倍、楽天ゴールドカード・楽天プレミアムカードなら+4倍のポイント還元が受けられた(それぞれ月間獲得上限ポイントあり)。しかし、今回の改悪で楽天ゴールドカードのSPUが+2倍に引き下げられてしまった。単純に考えて、同じポイントを得るためには、これまでの倍近い買い物をしなければいけなくなる。ユーザーに“改悪”とののしられても不思議ではない。

ポイントを重視するユーザーが、改悪で経済圏を変えていくか

 楽天カードは特典ポイントの引き下げをカバーするとして、誕生月にポイントを+1倍する「お誕生月サービス」を同時に打ち出しているものの、2,000ポイントという上限があるうえに、誕生月だけというのは使い勝手の悪さが感じられる。ユーザーは、日用品やふるさと納税などで比較的無理なくまかなえていたこれまでの運用方法では同じようなおトクを享受できなくなるわけだ。
 そもそもポイント面だけで言えば一般カードである楽天カードとの大きな違いがなくなってしまったので、以前の楽天ゴールドカードは“年会費がお得な楽天プレミアムカードの廉価版”という印象は、“年会費がかかってしまう楽天カードの下位互換”にすっかり様変わりしてしまった。「それならば」と、年会費無料の楽天カードへの切り替えてしまったほうがメリットはありそうだ。

 改悪を経ても、サービス全体を見れば即解約するほどではないかもしれない。しかし、ユーザーの落胆は不可避。いままでポイントの大盤振る舞いをしすぎていただけなのかもしれないが、どこか「裏切られた」と感じた今回のマイナスイメージはこれからもついて回るだろう。この“改悪”騒動が、12年連続で顧客満足度1位に輝いているブランドイメージに影響を与えなければいいのだが…。
 グループ全体で勢力を伸ばし続けている楽天経済圏だったが、この改悪で経済圏争いもわからなくなってきた。

参照元:楽天ゴールドカード サービス改定のご案内は→こちら

※サムネイル画像(Image:rakuten-card.co.jp/card/rakuten-gold-card

オトナライフ編集部
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