「Yahoo! JAPAN」上の各種サービスで付与される還元ポイントが、「PayPayボーナスライト」から「PayPayボーナス」へと進化するようだ。両者の違いは“有効期限の有無”。有効期限の無いPayPayボーナスになることで、「PayPay」は長期的にライトユーザーも抱え込むつもりなのかもしれない。
QRコード決済業界で断トツのシェアを誇るPayPayが、直近のユーザー確保から方針を変えて目指す先を考えていきたい。
PayPayモール等でもらえるPayPayボーナスが無期限に!
ポータルサイト・Yahoo! JAPANを運営するヤフー株式会社は1月15日、プレスリリースを掲載。2月1日から「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」「ヤフオク!」といったYahoo! JAPANのサービスで付与されるPayPayボーナスライトを、PayPayボーナスにすることを発表した。これまでキャンペーン時に付与されていた“ライト”は60日間の有効期限が設定されているが、PayPayボーナスになり無期限で利用できるようになるという。
有効期限のあるポイントであれば、「失効前に使わなきゃ」というリピーターを生み出す効果が期待できるのはいうまでもない。多くのユーザーが利用するQRコード決済を決めるのに悩んでいたタイミングでは、一度使った新規ユーザーに有効期限のあるポイントを配布して定期的にPayPayを利用させることでユーザーの生活にPayPayを浸透させるという戦略も合致していたことだろう。その甲斐もあって、現在PayPayはQRコード決済サービスのシェアでは2位以下を大きく引き離した圧倒的な地位を築いている。
一方で、現在はQRコード決済に興味をもつユーザーは多くがサービスを使いはじめ、慣れてきたフェイズに移っていると考えられる。そのためPayPayも、即効性のある有効期限ありの“ライト”よりも、無期限で貯まり続けるPayPayボーナスのほうが、効果が期待できると判断したのかもしれない。
たしかに「少し興味はあるけどまだ使わなくていい」と考えている層でも、Yahoo! JAPANの関連サービスを使っているだけで知らぬ間にPayPayボーナスが貯まり続けるわけだ。気づけばかなり貯まっていた、となれば「これだけのポイントが使えるならPayPayを利用してみよう」と考えてもおかしくはない。つまりこの変更は、関連サービスを長期的に使っている人々に向けた「PayPayのラブコール」である可能性も否定できない。
現在も「楽天ペイ」をはじめとしたライバルサービスは、積極的なポイント還元キャンペーン等でシェアの巻き返しを虎視眈々と狙っている。しかし王者・PayPayは、さらにその先を行く長期的な視点で地盤固めも開始したことになる。この余裕を見る限り、2021年もその地位は安泰と見てよさそうだ。
参照元:Yahoo!ショッピング、PayPayモールなどヤフーのサービスで付与される電子マネーを 有効期限付きの「PayPayボーナスライト」から有効期限なしの「PayPayボーナス」に変更【Yahoo Japan】
※サムネイル画像(Image:about.yahoo.co.jp)