楽天グループのひとつ楽天銀行が1月に国内のインターネット銀行として初めて1,000万口座を突破したと発表した。2001年7月の開業以来、順調に口座数を伸ばし、ついに大台突破の快挙の報に反響が起きているが、楽天銀行といえば、6月に900万口座を突破と発表したばかり。楽天銀行としても約7カ月での100万口座増加となっており、その集客力に目が行く結果となった。楽天経済圏が日増しに広がっていった結果がもろに影響したとも思えるが、日増しにシェア争いが激しくなっているこちらの様相について追いたい。
対抗馬はPayPay銀行?
今回、楽天銀行が順調に口座数を増加させることができたのは、やはり楽天経済圏内での各種サービスとの連携力によるところがかなり大きそうだ。楽天が運用するものには、楽天市場、楽天カードをはじめ、各種決済サービス・ポイント・保険、そして今回の楽天銀行といった金融サービスの充実が強みにある。なので、どれか一つでもこれらサービスに加入していた場合、連携させることで途端にお得感が増すことになるのだ。
1月25日には、楽天ペイメントと楽天銀行が、スマートフォン決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」の支払い方法として、楽天銀行口座からの即時払いを利用できるサービスを開始したため、これら相互性の影響も受け今後もシェア拡大は続いていきそうだ。
一方で、そんな楽天銀行とシェア争いを今後も繰り広げることになりそうなのが、QRコード決済業界でも楽天ペイとしのぎを削る「PayPay」だ。2021年4月5日から現ジャパンネット銀行が、「PayPay銀行」に社名を変更するとのことで今、注目を集めている。つまり楽天経済圏のライバルである、ソフトバンク経済圏のPayPayがPayPay銀行を持つことで、シェア争いはさらに激しさを増すことになりそうだ。
そんなPayPayといえばユーザー数は3300万人超とも言われており、現在も加盟店数を順調に増やしている。これだけのユーザーがいればPayPayという名前だけで身近に感じる若年層世代も多いはずで、今回の改名が広くシェア獲得につながる可能性は大いにありそう。現ジャパンネット銀行の口座数の規模は500万口座を突破したばかりだが、グループとしてもここからの飛躍に期待をかけていることだろう。
利用すれば利用するだけポイントが貯まるシステムとその分かりやすさで楽天経済圏にドップリという人も多いのではないか。あらゆるサービス利用を楽天に絞っているユーザーが増えていく中で“楽天経済圏”という言葉は今後も根強く残っていくのでは。そんな楽天が、経済圏の肝になりえるモバイル事業でもその優位性を保つことができるのか、1業界に限らずすべてが作用しあう現経済圏において今後も注目したい。
参照元:インターネット銀行で初めて1,000万口座を突破!【楽天銀行】
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