d払いとiDってどう違うの? 支払いの仕組みの違いやどちらを選ぶべきかを解説

d払いとiDは、どちらもNTTドコモが提供する決済サービスだ。しかしキャッシュレスに慣れていないと、どちらがどう違うのか、区別が付かないかもしれない。今回はd払いとiDがどう違うのか、どちらを利用するのがおすすめかについて解説する。キャッシュレスを賢く活用するために役立ててほしい。

d払いはQRコード決済アプリで、iDは電子マネー

(Image:service.smt.docomo.ne.jp)

 まず両者の主な違いについて、下記の表にまとめた。

 d払いはPayPayや楽天ペイなどと同様、QRコード決済アプリの一種である。スマホにQRコードやバーコードを表示させて店員に掲示して支払う方式だ。小規模店舗など一部のお店では、店頭のQRコードをスマホで読み取って支払う形式にしているところもある。d払いは銀行口座を連携させて残高をチャージしたり、クレジットカードを登録することで支払える。
 一方でiDは電子マネーであり、カードまたはスマホをレジの読み取り機にかざして支払う。類似のサービスとしてQUICPay、楽天Edy、nanacoなどがある。iDはクレジットカードのほかに、デビットカードやプリペイドカードなどのタイプもある。

ポイント還元などお得なのはどっち?

 先ほどの比較表のとおり、d払いはどの決済方法を選んでもdポイントが還元される。銀行口座からのチャージ、クレジットカード決済など、どの方法で支払ってもdポイントがもらえるのだ。これに対してiDには独自のポイントプログラムはなく、iD自体のポイント還元はない。
 またd払いは、キャンペーンが数多く開催されている。QRコード決済アプリの競争が激しくなっており、新規獲得はもちろんPayPayや楽天ペイなどからのユーザーの流入を狙っていると思われる。よってポイント還元などのお得度を重視するなら、d払いは見逃せない。
 本稿を執筆している2021年2月にも、dポイント20%還元キャンペーンが開催されている。その概要は下記のとおりだ。

・開催期間:第一弾:2月16日から3月31日、第二弾:2月16日から3月8日
・対象店舗:dポイントカードとd払いの両方に対応している加盟店
・適用条件:dポイントカードを提示したうえでd払いで支払うこと、エントリーをすること
・ポイント還元:利用金額の20%分のdポイント(期間・用途限定)
・還元上限:第一弾、第二弾ともに1,000Pまで

 d払いは2020年からキャンペーンの開催頻度が多くなっている。2021年も今のところその傾向は続いているため、今後の開催内容にも要注目だ。またd払いではクーポンの配信も開始され、お得なものもある。2021年2月にはローソンやファミリーマートで使える、201円以上の会計で200円割引されるクーポンが配信され、SNSで人気を集めた。

支払いがスピーディーなのはiD

 両者の違いについて、支払いスピードについては、iDに軍配が上がる。d払いの操作も難しくないのだが、アプリを毎回立ち上げる必要があるため、電子マネーやクレジットカードよりも少し時間がかかる。また人によっては支払いのときにスマホを取り出すのは面倒だと感じる人もいるだろう。カードタイプのiDならスマホよりサイズが小さくて軽く、スピーディーに支払える。

 まず何よりもポイント還元を重視する人、支払い方法をスマホに集約したい人なら、迷わずd払いを選ぼう。どの決済方法でもポイント還元を受けられ、今後も大型キャンペーンの開催が期待できる。配信が始まったクーポンも要注目だ。
 d払いの利用方法で最もおすすめなのは、dカードやdカードGOLDを登録して使うことだ。以下のとおり、ポイント三重取りによって、通常時でも最大2.5%のポイント還元となる。

・d払いの支払方法としてdカードを設定することで1.0%
・会計のときにdポイントカードを提示することで1.0%
・d払いで支払うことによって0.5%

 なおd払いではdポイントカードを連携したうえで、表示させることが可能だ。わざわざdポイントカードのアプリを立ち上げなくても、d払いのアプリでポイントカード提示+支払いを完結できる。
 一方でお得度よりも利便性重視、スピード重視ならiDがおすすめだ。スマホを取り出したりアプリを立ち上げたりすることなく、瞬時に決済が完了するのが魅力で、カードまたはスマホの好きなほうを選ぶことができる。またクレジットカードだと使いすぎが不安なら、プリペイドやデビットカードのタイプを選ぶことで、使いすぎの防止が可能だ。

文=安藤真一郎/ライター・ファイナンシャルプランナー

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