LINE株式会社と「PayPay」を手掛けるZホールディングス株式会社は3月1日、経営統合が完了したことを発表した。統合完了を伝えたプレスリリースでは、今後グループ全体として取り組んでいく「根幹領域」や「集中領域」についても言及した。すでに国内でも有数の規模を誇るソフトバンク経済圏が、LINEとのシナジーによってさらなる飛躍を遂げる未来が描かれている。
そんな中で合わせて伝えられたのが、両者の統合で動向が注目されていた「PayPay」と「LINE Pay」というライバルサービスの今後だ。なんと4月下旬以降から、全国のPayPay加盟店のうちユーザースキャン方式の加盟店でLINE Payでの決済も可能になるという。決済サービスが集約することで利用範囲が広がるためユーザーがより楽しめるサービスに展開する。こうしたQRコード決済アプリ同士の連携は、今後も増えていくのかもしれない。
サービスのバリエーションを進化させる
Zホールディングスグループは、今回の経営統合によって「国内最大規模のインターネットサービス企業グループ」となったことを伝えている。国内で展開するサービスの数は200超、国内総利用者数3億超。国内総クライアント数と自治体との総連携案件数も、それぞれ約1,500万、3,000超となり、グループ従業員は2.3万人に膨れ上がったとしている。
加えて、「情報」「決済」「コミュニケーション」という日常生活に欠かせない3つの起点を持ったことで課題解決の力も向上したとして、より豊かで便利な暮らしの実現に貢献することを宣言している。まさに消費者にとっては、この経営統合によって生活の利便性や選択肢が増えることになりそうだ。
そんな中で気になるのはやはりPayPayとLINE Payの動向なのだが、結論から言えば“どちらのサービスも存続する”という。「PayPayとLINE Payが統合」というニュースが飛び交い、「LINE Payが無くなる?」と感じた人も少なくないだろうが、統合されるのは国内のQR・バーコード決済サービスのみで、クレジットカードやNFC、請求書払い機能は継続していく予定だという。現状、PayPayは海外展開を行っていないため、LINE Payとして海外人気を広げていくようだ。LINE Payのユーザーが多いアジア主要国を中心に海外展開を行うだろう。もはや日本国内を飛び越えて世界を見据えている。
PayPayとLINE Payは、日本におけるキャッシュレス化を推進した立役者と言っても過言ではない。学生もサラリーマンも、スマホひとつあれば支払える便利な機能は、社会全体のシステムを大きく変革させただろう。そんなスマホ決済をより快適にするために事業を統合させることでLINE PayとPayPay、双方のシナジー効果が期待できる。そうなれば、ユーザーのQOL(クオリティオブライフ)も必然的に向上していくだろう。こうしたQRコード決済同士の事業統合は、さらに増えていくに違いない。LINE PayとPayPayに続く、スマホ決済業界の新たな経営戦略に期待したい。
参照元:ZホールディングスとLINEの経営統合が完了【Zホールディングス】
※サムネイル画像(Image:about.paypay.ne.jp)