「2021年QRコード・バーコード決済サービス顧客満足度調査」が発表された。首位を獲得したのは、業界の絶対王者である「PayPay」…ではなく意外なあのサービスだった。PayPayとしてみれば３月に大型キャンペーンを連発しただけに次回の巻き返しに期待しているだろう。
今回はこの結果に結びついた、ユーザーのある志向と、今後のQRコード決済サービスの在り方について考えていきたい。
総合首位は、“意外なことに”あのQRコードサービス！
QRコード、バーコード決済、あなたは何を使っていますか？
コンサルティング会社のJ.D.パワーが実施した「2021年QRコード・バーコード決済サービス顧客満足度調査」の結果、総合1位が「au PAY」となったことが分かった。au PAYには申し訳ないが、QRコード決済と言えばPayPayが業界トップのポジションに座り絶大な存在感を放っているだけに、意外な結果に驚きだ。同時に今回の調査時期は2月上旬ということもあり、3月より「超PayPay祭」などの大型キャンペーンを連発したPayPayとしては、次回の大幅な巻き返しを心に誓っている頃かもしれない。
au PAYとしては、昨年度から「誰でも！毎週10億円！もらえるキャンペーン」など話題性抜群のキャンペーンを投じ、着実にユーザーを伸ばすなかで、PayPayを追い抜かしての首位獲得は喜ばしい結果だといえるはずだ。
au PAYが今後ユーザーを伸ばしていくかも
今回の調査は「決済手続き／管理」、「キャンペーン／ポイントサービス」、「利用できる店舗・ウェブサイト」、「セキュリティ／不正利用防止対策」、「アプリのアカウント設定」などの各項目でのスコアを加味してランキングが付けられる。よりサービスの総合力が求められる調査だといえるだろう。最終的なスコアと順位としては1位・au PAY（632ポイント）、2位「d払い」（629ポイント）、3位・PayPay（626ポイント）と1位から3位までの差は10ポイント以内。非常に僅差の戦いである。そのなかで、結果を分けたかもしれないのは意外な審査項目だ。
それが、「セキュリティ／不正利用防止対策」の項目である。au PAYはこの項目で最高評価を獲得。この好結果が首位獲得につながったと言っても過言ではないだろう。最近ではLINEの情報流出、2020年にもドコモ口座の預金不正流出、古くは「セブンペイ」の問題など、QRコード決済をはじめとしたデジタル化の波の中では、常にセキュリティの不安はつきまとう。ユーザーとしては、「お得さ」以上に「安心」を求めるようになってきているという志向が、今回の結果から読み取ることができるかもしれない。
「ポイント」、「キャンペーン」、「還元」といった要素はユーザーからすれば、もはや「あって当たり前」といえるだろう。QRコード決済は、それ以上の付加価値を生み出せるかというフェイズに入っているのかもしれない。au PAYとしてみれば「安心」という武器を手に入れて今後さらに躍進していくかもしれない。
参照元：J.D.パワーのコード決済満足度調査、総合1位はau PAY【ITmedia Mobile】