年金を担保にお金を借りれるって本当?

慎ましい年金生活の中でもまとまったお金が必要になることがある。しかし、貯蓄を切り崩すのは不安だし、高金利な借り入れは避けたいところだ。このようなときは、「年金担保融資」という制度を活用しよう。この制度は、年金を担保に低金利で融資を受けられるというものだ。

年金を前借りする融資制度が「年金担保融資」

(Image:akiyoko / Shutterstock.com)

「年金担保融資」は、「これから支給される年金」を担保にして融資を受ける制度のこと。年金の前借りと考えるとわかりやすいだろう。年金担保融資でお金を借りると、支給される年金の一部が毎月自動的に返済に充てられる。返済方法は年金からの天引きのみなので、絶対に踏み倒しができない仕組みだ。
年金を担保にして融資するものなので、厳重な審査が必要。そのため、年金担保融資で融資が行える機関は「独立行政法人 福祉医療機構」か「日本政策金融公庫」のいずれかと定められている。
サラリーマンや個人事業主などで、現時点で厚生年金、国民年金を受け取っている人は「独立行政法人 福祉医療機構」、恩給や共済組合が支給する厚生年金を受け取っている人は「日本政策金融公庫」と利用できる機関が変わってくる。あらかじめ年金の種類を確認しておこう。

独立行政法人福祉医療機構(WAM)

「独立行政法人 福祉医療機構」は、サラリーマンや個人事業主などで、現時点で厚生年金、国民年金を受け取っている人が対象になる

日本政策金融公庫(JFC)

「日本政策金融公庫」は、恩給や共済組合が支給する厚生年金受給者が対象。主に公務員が利用できる

借り入れできる額は、利用する機関や年金の種類によって変わってくるが、最大で200〜250万円だ。ただし、資金の使い道が生活必需品や生活資金の場合は限度額が減額される。金利は2%前後と低金利になっている。
どちらの期間を利用するにしても、連帯保証人が1名必要。「独立行政法人福祉医療機構」に限り、「信用保証制度」を利用すれば連帯保証人が不要になる。ただし、この制度を使うと、年1.82%の保証料が必要になる。ザックリ計算すると金利が約2倍程度になるので、連帯保証人を用意できない最終手段として考えよう。
返済額は毎月1万円が最低金額。それ以上なら1万円単位で自由に決められる。「独立行政法人福祉医療機構」の場合、借入機関は最長15ヶ月と決まっているので、借入額によっては月々の返済額が大きくなるので注意が必要。やむを得ない理由によって返済が難しくなったときは、返済期間も相談できる。このとき、最低返済額は1000円に変更されるので、困ったときは相談してみるのがお勧めだ。
「年金担保融資」は公的融資なので手続きが面倒だったり、返済の融通が効きにくいといったデメリットはある。しかし、高金利のカードローンに比べておトクに借りられるので、まとまったお金が必要なら検討してみるのもお勧めだ。

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