PayPayや楽天ペイが「給与デジタル払い」実用化なら大躍進の可能性も?

キャッシュレス化が進む近年の日本。ついには給与までもデジタルマネーでの支払いになる未来が見えてきた。内閣府は、給与の「デジタル払い」を2021年度中に制度化することを目標としている模様。国を挙げてキャッシュレス化を押し進めていきたい意向が読み取れる。
もしかすると今年度中に、読者の方々の給料もデジタル払いへと変わっていくのかもしれない。その時あなたは何を思うだろうか。

数年前の普及率からは考えられないスピードで“今”金融が変わっている

現金を使う機会が、全くなくなる時代が来るかもしれない

 内閣府の発表によると、給与をデジタルマネーとしてスマホアプリ等に振り込む「デジタル払い」について、2021年度中にも制度化を目指していることが分かった。
 つい数年前まで根強い「現金主義」が残っており諸外国に比べて、キャッシュレス整備が遅れていた日本とは思えないほどのスピードでキャッシュレス化は今後進んでいきそうだ。もはや、数十年後には「実物のお金を見たことがない」という世代も出てくるかもしれない。今後数年間の日本における金融サービスの近代化のスピードから目が離せない。

(Image:rafapress / Shutterstock.com)

各社の経済圏シェア争いが今後激化していく可能性も

 しかしこのデジタル払い、まだまだ実現までの解決すべき問題が多そうだ。たとえば、現金と比べた資産としての信頼度の差もその一つ。みなさんは、「来月の給料からすべてデジタルマネーにて支払います」と自分の会社から発表があったら素直にどう思うだろうか。「現金じゃなくて不安だ」という思いを抱く人が大多数だと思われる。
 そのような感覚をもつのは、デジタルマネーがまだまだ現金ほどの信頼を持っていないことが大きいだろう。デジタルマネーに対応していない店は未だに多くある一方で、現金を使えないという店はかなりの少数派だろう。そのほかにもサービスの不備、スマホの電源切れなどの不具合の際の「使えないリスク」がデジタルマネーにはついて回る。今現在、キャッシュレス決済がここまで定着していても、現金を1円も持たないというわけにはいかず、念のため少しの現金は持ち歩いているユーザーが多いはずだ。キャッシュレス決済は現金に比べてほとんどの場面で「便利」だが、未だに「現金の方が便利」な場面があるというジレンマが信頼度が上がりきれない原因かもしれない。

 しかしこれらの弱点を克服してデジタル払いが実用されれば、今後日本社会におけるキャッシュレス化は更なるスピードで拡大していくだろう。同時にいまシェアを広げている「楽天経済圏」「ソフトバンク経済圏」「ドコモ経済圏」などの通信各社の手掛ける経済圏の活動が、現実世界を飲み込む勢いを見せるかもしれない。現在の経済圏のシェア争いを制することが、即ち日本国民の消費生活の「すべて」を手に入れることになりかねない。各社とも給与デジタル払いが実現した暁には、是が非でも振込先のポジションを獲得したいと考えているはずだ。

 とはいえ、まだこのデジタル払いが「どこに」「どのように」振り込まれるかといった部分は不透明だ。既存のキャッシュレス決済サービスならばどこでも指定できる可能性もあれば、国が一括で管理するサービスに納めなければいけないかもしれない。
 各社としては、国から指定されるサービスとなれるよう、今のうちにセキュリティー対策などに注力したほうがいいかもしれない。

参照元:給与デジタル払い、21年度制度化 具体案提示へ―厚労省方針【時事ドットコムニュース

オトナライフ編集部
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