Zホールディングスが2020年度決算を発表した。Zホールディングスといえば、「ヤフー」や「PayPay」「LINE」など名だたる人気サービスを傘下に持つ“ソフトバンク経済圏”の中核であり、ここで発表される業績が経済圏の今後も大きく左右することとなる。しかしこの発表では、結論から言えばさらなる成長を大いに期待できる内容となった。今回は、2021年も飛躍不可避のPayPayと“ソフトバンク経済圏”についてお伝えしていきたい。
絶好調「超PayPay祭」は、国民的イベントに!?
4月28日に開催された発表では、3月に報じられたLINEの個人情報取り扱いについて謝罪する一幕もあったものの、それ以外は総じてグループ全体の業績の好調さが伝えられた。
Zホールディングスとしての売上高は1.2兆円となり、前年比14.5%増という2年連続の2桁成長の達成を報告している。さらに営業利益についても6.5%増の1,621億円となり、コマース事業やLINEの広告事業が貢献したようだ。
さらにeコマース事業に絞って見てみても取扱高が3.2兆円を突破。その理由の一端として3月に実施された「超PayPay祭」の名前を挙げ、同社調査によれば超PayPay祭の認知率は60%を超えたともしている。この影響力を背景に、同社の代表取締役社長・川邊健太郎氏も「国民的なイベントにしていきたい」と今後のさらなる規模拡大に自信をのぞかせた。
超PayPay祭が開催されたPayPayといえば、言わずと知れたQRコード決済業界の絶対王者だ。1月にMMD研究所の発表した「2021年1月スマートフォン決済(QRコード)利用動向調査」の結果によれば、「最も利用しているQRコード決済サービス」でPayPayが43.1%という圧倒的な支持率で2位の「d払い」(18.2%)に倍以上の差をつけての1位となっている。
また発表中にも、自社のデータとして「3月のPayPayの決済回数は(Suicaなど)交通系ICカードに匹敵する回数になったはず」と業績見込みを明らかにした川邊氏。続けて「PayPayで圧倒的に便利になるよう日本のキャッシュレス化を牽引していく」と、QRコード決済業界だけでなくキャッシュレス決済全体のリーディングカンパニーとなっていくことを誓った。
PayPayの経済効果は飛ぶ鳥を落とす勢いで、今後もその勢いはますます加速しそうだ。今後、他サービスも巻き込んだシナジー効果で業界をまたぎ、さらなる進化を遂げることは想像に難くない。今後もPayPayの躍進から目が離せなくなりそうだ。
参考元:PayPay、Suicaに並ぶ。経済圏でEC・金融強化するZHD【Impress Watch】
※サムネイル画像(Image:Sundry Photography / Shutterstock.com)