ATMに行かなくても送金や残高の確認ができるネット銀行。利用者は続々と増えており、都市銀行では紙通帳の有料化が開始されるなど、銀行業界に大きな変革が起きている。
なにかと利便性の高いネット銀行だが、銀行員のいる店舗と異なり目に見えないサービスであることから、利用に不安を感じる人も。今回は、PayPay銀行が実施した「銀行利用とネットセキュリティに対する意識調査」から、「ネット銀行のセキュリティに関して不安に感じること」についてランキング形式で解説していく。
ネット銀行について思う不安はどんなもの?
PayPay銀行が15~59歳の男女1,000名を対象行った調査によると、ネット銀行のデメリット・不安に思うことについて尋ねたところ(複数回答)、「セキュリティ対策が不安(50.5%)」が過半数で最多に。2位以降は「IDやパスワードを忘れると使えない(30.9%)」「メンテナンスの時に使えない(20.1%)」「通帳がWebサイトやアプリのみ(15.1%)」と続くが、それらを大きく上回って心配していることが判明した。
では具体的にどんな事柄が不安なのだろうか。「ネット銀行のセキュリティで不安だと思うこと」のランキングでは3位に「不正送金(41.3%)」、2位に「個人情報、口座情報の流出(48.1%)」といった理由が並んだ。また5位には「何となく不安(14.1%)」と、「詳しく把握してないけど、よく被害に遭ったニュースが流れるし…」と実態がわからないからこそ不安を覚える人も一定数存在するようだ。
不正送金で5,000万円引き出される事件も…対策は?
そして最も多くの人がネット銀行のセキュリティで不安だと感じているのは、「不正ログイン、口座の乗っ取り(61.2%)」であることが明らかとなった。情報やお金がインターネットという“目に見えない場所”にあることから、知らぬ間に不正利用されてしまうことを恐れている人が多いようだ。
事実、2021年6月には沖縄県の銀行ATMにおいて、ネット銀行などで個人情報などを盗みとり、少なくとも5,000万円以上が不正に引き出される事件が発生している。犯行は、銀行を装ったショートメッセージから偽のネット銀行に誘導し、他人の口座に現金を送金するという手口で行われていたようだ。
このようなケースをはじめ、ネット銀行絡みの犯罪に遭わないようにするためにユーザー個人が講じている対策としては、パスワードの定期的な変更や複雑なパスワードの設定が考えられるだろう。また、「そんなに覚えられないし…」と自信のない人でも、2段階認証でのログインを設定すれば比較的容易に対策が可能だ。実際に「ネットサービスのセキュリティ対策として行っていること」の設問でも「2段階ログインの設定(40.4%)」が最も支持されている。
「難しいから」とすべての対策を諦めるのではなく、自分ができる範囲で対策することが、ネット銀行を安全に利用する一番の近道かもしれない。
出典元:銀行利用とネットセキュリティに関する意識・実態を調査【PayPay銀行】