携帯電話からECサイト、ネット銀行にキャッシュレス決済、さらには野球チームからサッカーチームまで。現代では、様々な場面で「楽天」や「ソフトバンク(PayPay)」の名前を聞く機会が増えていることは読者の方々もお気づきのことだろう。そんな楽天とソフトバンクが日本の2大経済圏として日々しのぎを削っているジャンルのひとつに、“証券会社”も存在する。今回は、最近発表された証券会社などの顧客満足度ランキングから、2社の経済圏競争のその先を考えていきたい。
ネット証券顧客満足度、楽天証券は何位に?
調査・コンサルティングの国際的な専門機関のJ.D. パワー ジャパンは7月29日、「J.D. パワー 2021年個人資産運用顧客満足度調査℠」を公開。証券会社や各種銀行などを「対面証券」「全国系銀行」「ネット証券」「スマホ証券」「ネット銀行」5部門に分類し各部門のランキングを発表した。
ちなみに楽天グループ・ソフトバンクグループに属する企業は、「楽天証券」がネット証券部門、「PayPay証券(旧:One Tap BUY)」はスマホ証券部門、さらには「楽天銀行」「PayPay銀行(旧:ジャパンネット銀行)がネット銀行部門に分類されている。
まず注目したいのは楽天証券だ。楽天証券はネット証券部門で見事1位を獲得。前年1位の松井証券と並びトップの座を分け合った。「マネーブリッジ」による楽天銀行との連携など楽天グループ内でのつながりが強いことも、楽天証券の顧客満足度を高めた一因なのかもしれない。
一方でスマホ証券部門のPayPay証券は、なんと4社の中で最下位となる4位に沈む大誤算。1位となった「SBIネオモバイル証券」とはかなりの差がついており、立て直しが急務となりそうだ。
証券会社では楽天1位、ソフトバンク4位と楽天に軍配が上がる格好となった。次いでネット銀行部門に目を転じると、対象の5行のうちPayPay銀行が3位、楽天銀行は4位という結果に。順位差で見ればソフトバンクの勝利……となるのだが、3位もあまり誇れる順位とは言い難い。両グループとも対策が必要となってくることについては共通していると言えるだろう。
今回発表されたランキングでは、楽天グループ1勝、ソフトバンクグループ1勝のイーブンとなった。しかし内容を加味すれば、部門トップに輝いた楽天グループのほうが質が良いと言えるだろう。
このランキングが直接経済圏競争に影響を与えるわけではないだろうが、それでも今後楽天経済圏がさらなる躍進を遂げる気配を見せていることは間違いない。今後も2大経済圏の動向から目が離せない。
出典元:J.D. パワー 2021年個人資産運用顧客満足度調査℠【J.D. パワー ジャパン】
※サムネイル画像(Image: rakuten-sec.co.jp)