MMDLabo株式会社が運営するMMD研究所は、「2021年7月スマートフォン決済(非接触)利用動向調査」を実施。本調査は、スマホ非接触決済サービスの「iD」「モバイルSuica」「楽天Edy」「QUICPay」「nanacoモバイル」「モバイルWAON」を主に利用する18~69歳の男女各100人、合計600人を対象に2021年7月1~5日に行ったもの。満足度だけではなく、利用するきっかけ、使う理由なども聞いている。
せっかちなのか後ろの人への配慮からか、使う理由は会計がスピーディーに終わるから!
絶賛開催中の東京オリンピックや2025年開催予定の大阪・関西万博に向けて、遅れていたキャッシュレス化の普及に国を挙げて取り組んできた。海外ではひったくりに遭う可能性があるため、現金を持ち歩くことさえリスクになるが、治安の良い日本ではそこまで気にする人も多くない。また、偽造が難しい精巧な日本の紙幣は現金として利便性が高く、代替サービスは求められてこなかった。さて実際に使っている人は、何がきっかけで知り、使うようになったのだろう。
現在メインで利用しているスマホ非接触決済サービスを知ったきっかけは「公式サイト」が17.8%、次いで「店舗の案内やポスター」が12.7%、「Webメディアの記事」が9.5%だった。
サービス別に項目を見るとiD、楽天Edy、QUICPayのトップは「公式サイト」、モバイルSuicaは「友人、知人から聞いた」、nanacoモバイルとモバイルWAONは「店舗の案内やポスター」となった。
では使い始めた理由(複数回答)はどうだろう。トップは「会計がスピーディーに終わるから」で34.0%、次は「ポイントがたくさんたまるから」が32.0%、「クレジットカード登録をすればカードを出さなくて済むから」が23.8%という声が上位にあがった。
サービス別に項目を見るとiD、モバイルSuica、QUICPay、nanacoモバイルのトップは「会計がスピーディーに終わるから」で、楽天EdyとモバイルWAONは「ポイントがたくさんたまるから」という結果に。
続いて、メインで利用しているスマホ非接触決済サービスの満足度を「お得部門」「アプリデザイン部門」「利便性部門」「信頼部門」の4部門で聞いた。なお、お得部門は「キャンペーンの頻度、ポイント還元率、還元されるポイントの分かりやすさ」、アプリデザイン部門は「操作の分かりやすさ、利用した金額(残高)の分かりやすさ、見た目の良さ」、利便性部門は「使える場所(店舗・EC)の多さ、店員の理解度、チャージ方法の豊富さ」、信頼部門は「セキュリティ、企業の信頼性、使える場所の分かりやすさ」についてだ。お得部門とアプリデザイン部門はモバイルWAONが、利便性部門と信頼部門はQUICPayがそれぞれ部門トップとなった。
そしてそれら4部門の結果を総合した総合満足度では、モバイルWAONが栄えある第1位となった。各部門で1位と2位を分かち合ったモバイルWAONとQUICPayの牙城を、どこが崩すのか今後が楽しみだ。
先の結果を裏付けるように、各サービス別の利用頻度では「1週間に1回以上利用する」と回答した割合はモバイルWAONが71.0%とダントツだった。お得で使いやすければ利用頻度も上がるというわけだ。
最後にメインで利用している非接触決済サービスを家族や友人にすすめたいかどうか聞いた。10点満点の点数をつけてもらい、NPS(ネットプロモータースコア/顧客推奨度)を算出。9点から10点をつけた推奨者は10.0%、7点から8点をつけた中立者は41.5%、0点から6点をつけた批判者は48.5%となり、推奨者から批判者を引いたNPSは-38.5。サービス別のNPSトップは-21.0のQUICPayという結果に。QUICPayは信頼部門でも1位になっており、ほかに比べて安心してすすめられるというところか。
今回の調査ではモバイルWAONが1位となったが、2位・QUICPayとの差はわずか。今後の動向によってはこの順位も簡単に覆ることだろう。今後もスマホ非接触決済のサービスに注目していきたい。
出典元:スマホ非接触決済6サービスの総合満足度1位は「モバイルWAON」【MMD研究所】