マネー誌を読んでいるとよく目にするようになった「ほったらかし投資」。インデックスファンドに投資して、気絶しておけば気がつくと利益が出る、という初心者向けの投資法。本当に儲かるのだろうか。儲かるための条件は何なのかを整理してみよう。
長期上昇トレンドのインデックスでないと儲からない
(Image:Shutterstock.com)
投資の基本中の基本として「安く買って高く売る」というものがある。ほったらかし投資で儲けるための方法にも当てはまる。買った後、気絶して価格が下がっていたら「気絶損」にしかならない。気絶中に価格が上がらなければ、ほったらかし投資で利益を上げることはできないのだ。
これでやっと「ほったらかし投資」は儲かるという洗脳が溶けたのではないだろうか。そうなると、「ほったらかしておいて儲かりそうな投資」をするにはどうしたらよいか考えるようになるはず。それには「上昇トレンドにあるインデックス」に投資する必要がある。
ところで「インデックス」とは、株式市場を「あるグループにひとまとめ」にして値動きを示した指標値のことで「指数」とも呼ばれている。日本だと日経225やTOPIX、海外だとNYダウやS&P500、FTSE100といったインデックスがある。インデックスに組み込まれている株価が上がればインデックスも上昇するというわけだ。
長期上昇トレンドにあるインデックスは米国市場
引用元:Yahoo!ファイナンス
米国市場のインデックス(NYダウ)と日本市場のインデックス(日経225)の比較。過去10年だけを比較するとリーマン・ショック以降、どちらの市場も上昇傾向にあるが日経225は最高値を更新したことがない
ほったらかし投資なら米国インデックスに行いたい。なぜなら長期上昇トレンドにあるから。2008年のリーマン・ショックなどで下落することもあるが、一貫して高値を更新して上昇し続けている。日本では、日経225で見てみると1989年に3万8957年の高値を付けていこう最高値を更新できていなのが現状。これでは長期上昇トレンドにあるとはいえない。したがって、ほったらかすためには上昇トレンドにある米国インデックスのほうが向いているというわけだ。
東京証券取引所に上場しているETFでも米国市場のインデックスに投資できるものがある。円建てで投資できるので、米国市場に手を出すのが躊躇している人は検討してみよう。銘柄コード:1557/銘柄名:SPDR S&P 500 ETF)
ほったらかし投資はただほったらかすだけではだめで、上昇トレンドにあるインデックスに投資しなければ、気絶していても損をしてしまうだけ。ところが、この先、米国市場が上昇し続けるとは言い切れない。投資したら本当に気絶するのではなく、四半期に一度くらいは証券口座を覗いて損益をチェックしたほうがよいだろう。