サラリーマンであれば、誰しも「自分以外がどれくらい稼いでいるのか」という話題は大小の差はあれど気になるものではないだろうか。同僚や友人・知人に面と向かって「いくら稼いでる?」と聞くのはイヤがられそうでしづらいが、国が発表する世の中の人々の平均年収は毎回チェックしてしまう。そんな小市民が筆者である。
今回は、“安定した職業”として名高い地方公務員の給与について、国の発表するデータから平均年収のランキングについてお伝えしていきたい。
地方公務員の年収が高い自治体ランキング発表!
まず比較対象として民間企業に勤めるサラリーマンの平均年収をご紹介しよう。2020年9月に国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」によれば、平均年収は436万円となっている。
対して地方公務員はというと、総務省の発表する「地方公務員給与実態調査」によれば、全国1,788の自治体の平均年収は591万円だ。民間企業と150万円以上の開きがあることには驚きを隠せない。
そんな年収の高い地方公務員の中でもとくに高額な自治体をランキング形式で見ていくと、第5位は「神奈川県川崎市」の731万円だった。自治体平均からさらに140万円も高いのだ。4位には733万円で「東京都」がランクイン。こちらは市や特別区ではなく都庁職員のこと。全国の都道府県庁で最も高い数値を叩き出した。
都庁を抑えてトップ3となったのは、「東京都三鷹市」。その平均年収は734万円と、都庁を僅差で交わしてのトップ3入りを果たした。そして2位には三鷹市のお隣である「東京都武蔵野市」が顔を出した。ここでついに民間平均を300万円以上も上回る、737万円という数字に。やはり各種「住みたい街ランキング」で毎年のように上位に選出される吉祥寺を擁する自治体は強いようだ。武蔵野市も三鷹市も、23区で働くサラリーマンが多く住むことで住民税が発生していることも大きいのかもしれない。
そして武蔵野市・三鷹市を上回る1位に輝いたのは、「神奈川県厚木市」の739万円だった。厚木市はこれで3年連続の1位。不動産・住宅情報サイト・LIFULL HOME’Sが発表した「住みたい街ランキング」2021年版でも本厚木が「借りて住みたい」ランキングトップ、「買って住みたい」ランキングでも3位にランクインする人気ぶりだ。移住者が増えたことでベッドタウンとして発展し、自治体の財政も潤いを増してきたようだ。
もちろんこれはあくまで全体の平均であり、勤続年数によって給与の額が決まることの多い自治体の体質を考えると、30代前後の地方公務員がこの額をもらっているとは限らない。それでもやはり筆者のような小市民は「公務員うらやましい」と感じてしまうのは仕方のないことなのではないだろうか。
出典元:地方公務員給与実態調査【総務省】