近年増加の一途を辿っている転職者数。2020年はコロナ禍による雇用状況の悪化から大きく減少したものの、転職希望者数は引き続き増えているという。働き方が大きく変化した流れのなかで、キャリアの見直しを考える人も多いようだ。ただ、転職を考えたときに、年収が増えるのか減るのかは当然誰もが気になるところだろう。
そこで今回は、株式会社マイナビが行なった2021年8月の「正社員の平均初年度年収推移レポート」から、業種別の年収ランキングを紹介しよう。
人材不足が深刻な業界は、初年度平均年収が高い?
株式会社マイナビは、運営する転職情報サイト「マイナビ転職」に掲載された求人情報から、2021年8月度の全国の正社員の平均初年度年収推移を調査、その結果を発表した。その発表によると、8月の全国平均初年度年収は、454.3万円だったことが分かった。前年同月からは1.5万円増加したという。ちなみに本社所在地エリア別で見てみると、高い順に「関東」が468.4万円、「東海」445.8万円、「関西」438.5万円だった。
では、業種別ではどうだろうか。どんな業種が最も初年度の年収が高いのだろうか。3位から順に紹介する。
初年度平均年収が高い業種、第3位は「不動産・建築・設備」で490.4万円。コロナ以前より慢性的な人材不足が続く業界だけに、雇用に力を入れ人材確保を目指す企業も多い。ちなみに未経験者の平均は460.5万円、経験者は535.5万円となっている。
続いて第2位は、「IT・通信・インターネット」業界で501.4万円。建築業界同様、IT業界も需要に対し技術者の不足が恒常的に続いている。政府の試算によれば2030年には約79万人ものIT人材が不足するともいわれている。経験の有無を問わず、多くの人材が求められている業界といえるだろう。未経験者の初年度平均年収は461.4万円、経験者は533.6万円だった。
では、初年度の年収が最も高いのはどんな業種だろうか? 気になる第1位は、「コンサルティング」で504.7万円だった。平均年収が高く、転職市場において常に人気の高いコンサルティング。商社や金融・保険、マスコミ・広告、メーカーなどのすべての業種を抑えて、第1位を獲得している。未経験者でも471.3万円、経験者では571.7万円という結果だった。
また職種別で見ると、3位は「建築・土木」で507.4万円、2位は「ITエンジニア」で539.1万円、1位は「コンサルタント・金融・不動産専門職」で562.7万円となっている。
業種や職種で大きく変わってくる、給料事情。転職で求めるものは人それぞれで、年収が高ければ良いというわけでもないが、生活に関わってくる大きな要素となるのは言うまでもないこと。就職や転職を考えている人は、ぜひ今回のこのランキングも参考にしてみてほしい。また、長引くコロナ禍で各業界で、大きな変化が生まれている今、今後のそれぞれの業界の動きにも注視していきたい。
出典元:2021年8月度 正社員の平均初年度年収推移レポート【マイナビキャリアリサーチLab】