MM総研は、15歳~79歳の男女4万3,881人のスマートフォンユーザーを対象に2021年8月末時点でのマイナポイント申請状況をアンケート調査した。このマイナポイント事業、当初の予定通りに普及していないという話だが、政府はマイナンバーカードのみならず、キャッシュレス決済の普及促進にもつなげたい狙いがあり、いま再びマイナポイントの申請状況に大きな注目が集まっている。
政府が本気出したのに、マイナポイント登録者は約半数
まず初めにマイナポイントとは、マイナンバーカードの取得推進を目的に総務省が実施している事業のことだ。21年4月末までにマイナンバーカードを申請した人が対象で、カード保有者がキャッシュレス決済サービスを一つ選択してマイナポイントの予約・申込を事前に行うことで、キャッシュレス決済の利用額に応じて最大5,000円の還元を受けることができるというものだ。
そして、今回のアンケートこのマイナポイントの申請状況を調査したところ、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済のいずれかのキャッシュレス決済を利用している4万265人のスマートフォンユーザーのうち、マイナポイントを申請済みと回答した人は51.4%だった。およそ半数というこの数字は、多いのか少ないのかと考えてみると、総務省が全力を出したのにも関わらず少ないような気がするのは筆者だけではないはずだ。では、マイナポイント申請した2万690人は、たった一つしか選択できないキャッシュレス決済先にどのサービスを選んだのだろうか?
まず第3位は、イオンリテールの「WAON」で11.3%の人が登録した。身近にあるイオンの店舗で、食材や日用品にポイントを利用しようと考える人も多かったのだろう。そして、第2位には、16.6%の人が選択した楽天の「楽天カード」だった。そしてトップには、16.7%でソフトバンク「PayPay」が輝いた。
経済圏競争で熾烈な争いを見せる楽天経済圏とソフトバンク経済圏のサービスが接戦でトップ争いを演じ、わずか0.1ポイントの差でソフトバンク経済圏に軍配が上がる結果となった。
実はこの調査全体では、登録先を「電子マネー・QRコード決済」と回答した人のほうが62.0%と多く、一方で「クレジットカード」と回答した人は38.0%となっている。この差があるという前提で今回の結果を見てみると、「業界が伸び盛りのPayPayが有利」「業界シェアが高い楽天カードのほうが優勢」など、様々な見方ができるかもしれない。今後もキャッシュレス決済のシェア争いから目が離せない。
出典元:マイナポイント申請率は51.4%、登録先トップは「PayPay」【株式会社MM総研】
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