政府がコロナ経済支援策として、マイナンバーカードに最大2万円相当のポイントを付与することで最終調整に入り、国民からはさまざまな意見が噴出、再び脚光を浴びているマイナポイント。カードの普及率を上げるための施策は、どこまでも迷走していくようだが、その第一弾となる2020年から始まった「マイナポイント事業」の終了が来月末に迫っていることはお気づきだろうか。延長に次ぐ延長で、なかにはまだ終了していなかったのかと驚く人もいるかもしれない。
ここにきて新たなポイント付与の話が出てきて情報が錯綜し、混乱する人もいるだろう。そこで、今回はマイナポイント事業に関して改めて確認しておこう。
まだマイナポイントを受け取っていない人は、年内に手続きを
2020年9月にマイナンバーカードとキャッシュレス決済サービスの普及を目的に総務省が始めた「マイナポイント事業」。期限内にマイナンバーカードを取得した消費者が、登録したキャッシュレス決済を使えば、最大5,000円相当のポイントが還元される仕組みだ。これを機にマイナンバーカードを取得したという人もいるだろう。しかし政府は2023年3月末までに全国民への普及を目標としていたが、2021年11月1日時点で依然として普及率は39.1%(マイナンバーカード普及状況ダッシュボードより)に留まっている。
マイナンバーカードの普及が思うように進まなかったため、カード申請期限やポイントをもらえる期限の延長が繰り返されてきたが、いよいよ2021年12月末にマイナポイント事業が終了するのだ。終わる終わると言って駆け込み需要を促す閉店セール商法にあっているかのような気にもなるが、新たなポイント付与の話も出てきたのでさすがに今回は本当に終了するだろう。
カードは4月までに申請したがまだマイナポイントを受け取っていない、という人はせっかくなので年内に手続きをしてみてはいかがだろう。ただし、この事業に参加するためのマイナンバーカードの申請期限は2021年4月末で終わっているため、今からマイナンバーカードの申請をしてもこのポイントはもらえないので、注意が必要だ。
多額の予算を投入し始まったマイナポイント事業。果たして成功だったのか、失敗だったのだろうか。国民の4割近くの人にマイナンバーカードが普及し、確かに一定の効果はあったかもしれない。だが、やはり過半数にも届かなかったことは、政府にとっては大誤算だっただろう。
消費者にとっても、決して分かりやすく使いやすいものではなかった。スマホやキャッシュレス決済を普段から使い慣れている世代でも、マイナポイントを獲得するまでの手続きは面倒と感じる人が多かったようだ。特に申し込みをする際に入力するパスワードは3回連続で間違えるとロックがかかってしまい解除するには市区町村の役所まで出向かなければならず、SNSには「マイナンバーカードの暗証番号忘れてロックかかった、もういいや」と諦める人や、ロックかかったまま放置している人たちの不満の声が多く見受けられた。これから申し込みする人は、よくよく注意して入力してほしい。
そんななか始まる「新マイナポイント」。満額の2万円を受け取るには預貯金口座と紐づけるなどいくつかの条件が必要だ。ちなみにマイナンバーカードの新規取得者に5,000ポイント、とあるためすでに取得済みの人は満額もらうことはできない。前回の5,000円にはなびかなかったが、2万円なら考えるという人も出てくるだろう。政府は今回の失敗を活かすことができるだろうか。普及率の伸びも気になるところだ。いずれにせよ、まだまだマイナンバーカードを巡る迷走は続きそうだ。
参照元:キャッシュレス決済で25%還元 最大5000円戻る「マイナポイント」 終了は12月31日 まだ間に合う【BCN+R】
※サムネイル画像(Image:mynumbercard.point.soumu.go.jp)