10月の衆議院選挙で公明党が公約の目玉として打ち出していた、マイナンバーカードに1人一律3万円相当のポイントを付与する「新たなマイナポイント事業」、通称「新マイナポイント」。国民の期待を受けて実現に向けて動き出した新マイナポイントだったが、蓋を開けてみれば2万円に減額され、ポイントの付与に条件までついてくるという“コレジャナイ感”満載の法案として実現しそうになっている。当然、世間からは不満の声が続出中だ。
今回は、「聞いてた話と違う」新マイナポイントとネット上の反応などをご紹介していきたい。
公約に掲げた「3万円付与」が、議論を経て大幅縮小
公明党が重点政策として掲げた際には「1人一律3万円相当のポイントを付与する」という内容だった、新マイナポイント。公明党HPに掲載されているニュースによれば、エコノミストからは「理にかなっている需要刺激策」と評価され、野党からも「かなりのスピードで経済が回る」と賛同されたと伝えている。
しかし選挙後、実際に施行するため議論が進むと施策が変容していき、「一律3万円相当のポイント」は「最大2万円」に縮小。加えて「新たにカードを取得した人に5,000円分を支給」という条件も追加され、12月31日に終了する第1弾の「マイナポイント事業」などで既にカードを取得している人は「最大1.5万円」となってしまった。当初の3万円からは半分になっているとも言えるだろう。
今回のポイント付与は、生活に困窮している人たちへの支援という側面もある。困窮している人であればなおさら、5,000円を見逃さずにマイナンバーカードを取得している可能性が高い。そんな人々への支援が半額となっても問題はないのだろうか…?
減額のニュースはネット上でも大きな波紋を呼んでいる。ITジャーナリストの神田敏晶さんはこのニュースに対し、「政府の与党としての公約が3万円なのに最大2万円の減額は公約不履行」「(他の条件をつけてでも)具体的な数値でのコミットメントは最低限死守するべきであった」と厳しく指摘。一般ユーザーからのコメントでも「このマイナカードの特典は生活支援ではないですよね」「本当に困っている国民のことを何も考えていない」と批判が多数を占めている。「単純に3万円ポイントって聞いた時は『作ろうか!』って思ったけど、これ見て『わざわざ作る必要ないかな、手間だし』ってなった」「紐付けしたくないのでもう放置します」と、金額面や健康保険証・預貯金口座との連携に難色を示すユーザーも少なくなかった。
また、「公立高校卒業まで医療費含めお金かからなくして、お金に対する不安で子どもを作れない人等を減らすべき」「消費税を一定期間半額若しくはゼロまで下げたら」など、マイナポイントを付与するよりも先にすべき対策の提案も多く飛び出していた。
「ポイント付与してまで銀行口座と紐付けしたがっている政府の下心がミエミエ」という批判コメントもあったが、新マイナポイントの狙いはまさにそのあたりなのだろう。本当に生活に困っている人を助けたいのであれば、「バラマキ」と非難されても耐えながら、余計な思惑を挟まずに優しく支援の手を差し伸べていっていただきたい。
参照元:公明党公約「マイナポイント3万円付与案」は最大2万円に減額…しかも“様々な条件付き”にネット騒然【日刊ゲンダイDIGITAL】