19日、政府は新型コロナウイルスで影響を受けた人らに対する経済対策の方針を決定した。18歳以下を対象にした1人当たり10万円の給付について、日テレNEWS24が東京・有楽町で取材を行った。「お金をもらったら何をしたい?」という質問に、子どもたちからは「ハンバーグ」「おいしいもの食べたいな」という答えが返ってきた一方で、給付をもらえる親からは渋い反応が返ってきた。
不公平感生み出す所得制限
この10万円給付、もとはと言えば、公明党が衆議院議員選挙の際に子育て支援策として公約で掲げていたものだった。公明党は当初、18歳以下の子ども約2,000万人を対象に、「一律で」10万円を給付するよう押したが、自民党との調整により、「夫婦いずれかの年収」が960万円未満であることという所得制限を設ける折衷案に落ち着くこととなった。
先の取材の給付をもらえる親は、「該当しない家庭とか全体を見た時に、不公平感だったりとか、どうなのかなと思いました」と語った。これはどういうことかと言うと、夫の年収が970万円で妻が専業主婦のAさん一家と、夫婦共働きで2人とも年収900万円のBさん一家を例に比較すると、所得制限960万円の対象が「夫婦いずれかの年収」のため、960万円を超えるAさん一家は給付ゼロとなる。対するBさん一家は、世帯としての年収がAさん一家の倍近いにもかかわらず、子ども2人で20万円の給付を受けられるのだという。
17日に行われた自民党内の会合で、高市政調会長は「不公平だと言う声が沢山寄せられている」と発言。自民党内からも「合算するのが当然」や「給付する理由と合っていない」などと反発の声が上がっていたが、困っている人のために年内給付を急ぐ方針が優先されたようだ。
この決定にネット上からは「再分配は必要だが不公平感がMAX」「本当に大変な人が恩恵にあずかれないのはいかがなものでしょうか」「18歳の社会人は貰えて、19歳の学生は貰えないって。一体、何を目的とした給付か?」など、様々な意見が寄せられている。「何で10万円にこだわるんだろう。3万でも5万でも、国民一律に給付すればよいのにね。所得制限かけるなら、せめて年収400円以下とか」と、具体的な案を提示するユーザーも現れた。
自民党と公明党、互いの狙いも足並みもバラバラななか出した無理やりの折衷案では、納得する国民は数少ないだろう。
参考元:“10万円”所得制限ルールに「不公平」【日テレNEWS24】