11月24日、秋田県横手市が18歳以下に10万円相当を給付する独自施策を検討していることが明らかとなり、さまざまな反響が寄せられている。横手市の判断に称賛の声が上がる一方で、所得制限を設ける政府の方針に不満を爆発させる人も……。今回は、政府とは異なる横手市の給付金の方針と、それに対する世間の反応について紹介する。
横手市、所得制限なしで18歳以下に10万円給付
秋田県横手市の独自施策とは、新型コロナウイルス経済対策の一環として18歳以下の子どもに10万円相当を給付する政府の施策に対し、所得制限で対象外となる世帯にも同額を支給するというもの。24日に行われた市議会全員協議会で、高橋大市長は「所得制限を設けるのは公平を欠く。手続きが複雑になり、支給のスピードも遅れる」と説明しており、平等性と迅速さを考慮した上でこのような方針に至ったことを明らかにした。市内の該当者は約6,500世帯、約1万1,000人にのぼるという。
もともと所得制限があることで「不公平なのでは?」と話題を呼んでいた政府の給付措置。18歳以下の子ども1人あたり5万円分は現金で給付され、残る5万円分は子育てに必要な商品やサービスに使えるクーポンとして来春頃までに配布される予定だ。だが対象世帯は年収960万円未満という制限が設けられている。
政府と異なる横手市の独自施策。ネットでは「英断だと思います」「国の基準に異議を唱え、独自路線となる市町村が日本に存在するだけでもホッとする」など、横手市の独自施策を称賛する声が殺到している。また「年収1,000万でも手取りで計算したらわかるはず、ローンや子どもの学費を払うために、日々節約の日々なのに」「たくさん納めている世帯が救われる世の中になって欲しい。このままでは働き損です」「累進課税で多く税金を払ってるのに、公的な補助やサポ-トが得られないのは不平等の何物でもありません」といった税金を納めているにもかかわらず給付を受けられず不満を抱く対象外世帯の意見も少なくない。
さらには「うちの市長もお願いします」と自身が住む自治体に同様の独自施策を要望する声も多数寄せられている。政府の同支援策では住民税非課税世帯を対象に1世帯10万円を支給することも明らかとなっているが、高額納税者には給付されない仕組みに怒りを爆発させている人もいるようだ。制限なく全国民に1人あたり10万円が給付された2020年の特別定額給付金から1年以上が経ち、回復しないコロナショックはさすがに一定以上の収入のある世帯であってもダメージは小さくないのだ。
生活に苦しむ対象外世帯に対して今後何らかの処置はあるのだろうか、政府や各自治体の方針に注目が集まる。
参照元:子ども10万円、所得制限設けず給付 秋田県横手市が独自策検討【河北新報オンラインニュース】