みずほフィナンシャルグループのシステム障害に対して、金融庁から業務改善命令が出た。みずほいえばその“社風”がトラブルの多発するシステムを生み出した要因ともたびたび報道されてきたが、ついに金融庁からも「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」という公文書とは思えない強い言葉で指摘を受けることに…。ネット上も「背筋凍った」「ボロッカスに怒られててワロタ」など騒然となっている。
公文書のキレ具合に、みずほ銀行のヤバさを実感
みずほフィナンシャルグループとみずほ銀行は、相次ぐシステム障害をめぐり11月26日に金融庁から業務改善命令を受けた。その際に金融庁から発行された「みずほ銀行及びみずほフィナンシャルグループに対する行政処分について」という報道発表資料が「ガチギレしてて怖い」「公的な文書でこういう文章見るの強烈」「役所からこんな事言われたら自分なら泣きながら退職届書いちゃうんだけど」と話題になっている。
金融庁のウェブサイトに掲載されている文書には、みずほ銀行およびみずほフィナンシャルグループの執行部門がIT現場の実態を十分に把握・理解していなかったこと、その上で人員の再配置などを行いシステムの運営態勢を弱体化させたことが明記されている。
特に巷を震い上がらせているのが、ガバナンス上の問題の真因を指摘する項目だ。「システムに係るリスクと専門性の軽視」「IT現場の実態軽視」などに続く「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない姿勢」という社会人としての基礎が欠如しているとも伺える文章に、読んでいるこちらが情けなくなる。
公文書とは、公的機関や公務員の職務権限に基づいて作成される文書である。一般的に丁寧な印象にまとまることが多いため、今回のような厳しい言葉を使われ凄みが増す。
厳しい公文書といえば、今年の8月に起こった「密フェス」への抗議文も話題になった。愛知県で行われた音楽フェス「NAMIMONOGATARI(波物語)2021」が勧告に従わず、県や国の要請やガイドラインを無視して運営し、結果的にクラスターも発生したニュースは記憶に新しい。このとき、開催地となった常滑市の市長が出した「市民の努力を愚弄する悪質なイベント」「今後二度と本市の施設であるりんくうビーチを使用させない」という強い抗議文はおおいに支持された。愛知県も事実と異なる謝罪文を出した主催者に対して「事実関係の誤りについて」という文書で誤認部分を一覧にして発表するなど、書類とは思えない殺気を帯びていた。
みずほ銀行の場合は、2002年からはじまる度重なる失態のうえに下された厳しいものだった。歴史をさかのぼれば、現在の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公・渋沢栄一が設立に関わった由緒正しい銀行だ。その流れを汲むのであれば、もう一度初心に返ってよりよいサービスに尽くしてほしい。
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※サムネイル画像は(Image:金融庁「みずほ銀行及びみずほフィナンシャルグループに対する行政処分について」より引用)