みなさんは、日本人のクレジットカードなどのカード情報が、1枚どれだけの価値を持っていると思うだろうか?このたび、サイバー犯罪の温床などになっているダークウェブで取引されているカード情報の分析から、日本人のカード情報の割合から取引される平均価格まで、様々なことが明らかになってきたという。
7,000件を超える日本人のカード情報の売買が確認される
個人向けの仮想プライベートネットワーク (VPN) サービスプロバイダであるNordVPNは12月6日、ダークウェブ上での流通を確認した140ヶ国のユーザーの、400万件ものクレジットカードやデビットカードなどのカード情報を分析した結果を発表した。
448万1,379件のカード情報のうち、最も被害ユーザーが多かった国は156万件にのぼったアメリカだ。売買されるカード情報のうち3枚に1枚以上がアメリカ人のカードであることが明らかとなった。そしてアメリカの次に多かったのはオーストラリアだという。しかしその件数は約42万件で、いかにアメリカ人の被害が多いかが浮き彫りとなった。
一方で日本人のカード情報の件数は、7,049件とアメリカ等と比べれば微々たるもののようにも感じられる。実際に「攻撃されやすさ」を示すリスク指標は、最も狙われやすい香港を1としたときに日本は0.19と、5分の1以下のリスクであることが判明している。世界的にも狙われづらい環境と言えるのかもしれない。
しかし「狙われづらい」と聞いて安心するのはまだ早そうだ。というのも、今回の調査全体で判明したカード情報の平均価格は1枚9ドル70セントだったという。しかし日本人に限ってみると、なんと1枚42ドル93セント。日本円にして5,000円弱(2021年12月7日時点のレートで換算)の値段がつけられているようだ。
世界平均の4倍以上の価値のあるカードだ。そんなプレミアムなカードを、あえて狙わずにいてくれるほどサイバー犯罪者たちも優しくはないだろう。だからこそ安心してはいけないのだ。
攻撃されやすさが香港の5分の1とはいえ、考えてみれば私たちのメールボックスには、たびたび怪しげなフィッシング詐欺のメールが多数送りつけられている。たまに1日に何件も届く日が続いたりすると、「俺の個人情報、どこかで取引されたのか!?」とやけに不安になってしまう経験がおありの人もいることだろう。そんな状況でもこのニュースを聞いて「あ、日本人は比較的安全なのかー。今日からノーガードでいこう」などと思えるわけもない。
読者のみなさんにも、価値のある日本人のカードを狙う世界のサイバー犯罪者が今後、日本人をターゲットにしだしてもその脅威を跳ね除けられるような、しっかりとしたセキュリティ意識を持って、ネットを利用していただきたい。
出典元:NordVPNは→こちら
※サムネイル画像(Image:Primakov / Shutterstock.com)