「子育て世帯への臨時特別給付」は、現在注目を集めている国の施策のひとつだ。「給付する“子ども”の年齢」や「世帯年収」といった線引きや「現金とクーポンによるハイブリッド給付」など10万円分の給付方法にも国の決定に対し様々な議論が巻き起こっていたのは記憶に新しい。では、給付される家庭は10万円をどのように使おうと考えているのだろうか。
今回は、とあるアンケート結果から見えてきた世間の家計事情について考えていきたい。
10万円の給付金、子育てのどんな場面で使われる?
株式会社バイアンドホールドは12月21日、インターネット上で20歳以上50歳以下かつ18歳以下の子どもがいる男女を対象に実施した調査の集計結果を発表している。
「『18歳以下のこどもへの10万円相当の給付金』を何に使う予定ですか?」という設問に対する回答は、第3位が「学費」で34.9%となっている。学費は育児の中でも出費がかさむもののひとつ。2018年度に文部科学省から発表された「子どもの学習費調査」では、公立の中学・高校で年間50万円弱、私立となると100~150万円の金額が必要とされている。10万円をそれらに充てて負担を軽くしようという意識は十分に理解できる。
そんな学費を上回る2位となったのは「貯蓄」だ。その割合は41.4%となった。国がクーポンにこだわる理由のひとつに「貯蓄に回されず消費を喚起する」といった理由があると報じられているが、今回の調査ではまさにその貯蓄が1位に迫る2位になったのだった。しかし社会が大きく揺れ動くこのコロナ禍で、余裕のあるうちは何か困ったときのために貯蓄をしておく、と考えるのも自然なことだろう。
そして最も多くの子育て世帯が使うとしたのは「生活費」。その回答率は41.8%で、わずか0.4ポイントながら貯蓄を上回る結果となった。日々食べる物にも苦労する……というのは言い過ぎかもしれないが、家計が苦しい家庭にとって非常に大きな支援となることは間違いない。
ランキングではこのトップ3が圧倒的な回答率を残していたが、4位以降には「投資」(8.0%)、「娯楽費」(7.8%)、「ゲーム・玩具等」(7.6%)といった回答が並んだ。娯楽費やゲーム・玩具は子育てのために使う、という意味には違いないような気もするが(投資も巡り巡って子育ての資金になるという言い方もできるが)、回答としてはあまり多くないようだ。やはり生活費や学費といった必要不可欠なものに使うべき、という意識が働いているのかもしれない。
現在、「クーポンでなく10万円すべて現金給付」といった方針を打ち出す自治体が全国で次々と現れてくるなど、まだまだ激しい動きを見せている今回の給付。どのようなかたちになってもいいが、多くの子育て家庭に恩恵を与えるかたちでの給付となってほしい。
出典元:ファイナンシャルフリーカレッジは→こちら
※サムネイル画像は(Image:「バイアンドホールド」リリースより引用)