X(旧Twitter)の「コミュニティノート」は、誤解を招く可能性のあるツイートに対して、ユーザーが背景情報を追記するための機能です。フェイクニュースや誤情報の拡散を防ぐために設けられ、時事ネタや政治関連のポスト、金融関連のポストなどで実際に追記されている様子を目にした経験がある方も多いのではないでしょうか?
しかし、「コミュニティノートはどんな機能か」は何となく知っていても、「誰がこのコミュニティノートを書いているのか」については、意外と知られていないのではないでしょうか。実際にコミュニティノートの表示画面では、指摘した人、つまりコミュニティノートの作成者は分からないようになっています。
そこでこの記事では、Xのコミュニティノートがどのように作られ、どんなユーザーが作成に関わっているのかを詳しく解説します。
コミュニティノートの仕組み:実は「書いただけ」では投稿されない
コミュニティノートを「誰が書いているのか」をお伝えするには、まずはコミュニティノートの仕組みを解説する必要があるでしょう。
コミュニティノートは、単に「コミュニティノートを書く権利がある人が書いただけ」ではポストに表示されません。一つのコミュニティノートが、他の複数のコミュニティノートユーザーによって評価されてはじめて反映される仕組みになっています。さらに公開後も継続的に評価が行われ、必要に応じて修正や削除が行われています。
つまり、コミュニティノートは、コミュニティノートを書く権限があるユーザー同士の相互評価を通じてはじめてXに公開されています。
コミュニティノートを書く権限を得ているユーザーはどんな人?
コミュニティノートを書く権限を得ているのは、Xのコミュニティノートへの参加登録をしたユーザーです。ただし、Xの利用期間が一定以上あり、規約違反をしておらず、なおかつ参加登録後しばらく「他のユーザーのコミュニティノートを評価し続けた人」だけです。
信頼性の低いユーザーはふるい落とされやすい仕組みのため、コミュニティノートをつけているユーザーには一定の信頼性があると言えるでしょう。
コミュニティノートを「誰が書いたのか」「どんな評価をしたか」は公開されている
実はコミュニティノートの執筆者は一見分かりにくいものの、「誰が書いたのか」「どんな評価をしたのか」というデータは毎日公開されています。
公開されているデータは非常に膨大ではあるものの、tsvファイルで確認することが可能です。コミュニティノートのIDとそのIDのユーザーの評価を確認できます。
ただし、コミュニティノートのIDとXのユーザーIDは別物です。つまり、データからコミュニティノートをつけたXユーザーを特定することはできません。
「コミュニティノートのID」と「XのユーザーID」が別物であることには賛否両論あるかもしれません。
しかし、この区別が明確に存在するメリットもあります。それは、あるユーザーがXで有名人であっても、コミュニティノートでは全く異なる匿名のIDを使用せざるを得ないという点です。
この仕組みにより、ノートの内容そのものに焦点が当てられ、作成者の社会的地位や影響力に左右されない公平な評価が可能となります。IDが全く別々であることで、コミュニティノートの信頼性が担保されていると言えるでしょう。
コミュニティノートを書く権限はどうすれば得られるの?
コミュニティノートを書く権限を得るためには、まず、Xのルールに違反していないことが前提です。次に、一定期間Xを利用していることや、電話番号の認証が必要です。これらの条件を満たした上で、以下の手順を踏むことでノート作成権限を得ることができます。
参加登録
まず、コミュニティノートの協力者として参加登録を行います。これは、Xの公式サイトから簡単に行うことができます。登録後、すぐにノートを作成することはできませんが、評価を行うことは可能です。
コミュニティノートでのコードネームを登録する
次に、匿名性を保つためのコードネームを登録します。これにより、ノートの執筆者としての活動が匿名で行えるようになります。
ノートの評価を開始する
登録が完了したら、他のユーザーが作成したノートの評価を行います。評価を通じてポイントを獲得し、一定のポイントが貯まると、ノート作成の権限が与えられます。この評価プロセスは、ノートの信頼性を高めるための重要なものです。
しばらくするとノート作成機能がロック解除される
評価ポイントが一定数に達すると、ノート作成機能がロック解除されます。これにより、初めて自分でノートを作成し、投稿することが可能になります。なお、先述した通りノートが公開されるためには、他の協力者からの評価が必要です。
まとめ
今回はXのコミュニティノートは「誰が書いているのか」を解説しました。コミュニティノートは、一言で言えば「コミュニティノートへの参加登録をし、ノートの信頼性を高めるためのプロセスを通過し、ノート作成権限を得たユーザー」が書いています。
そしてコミュニティノートを「誰が書いたのか」は、Xにてオープンに公開されていますが、「コミュニティノートのID」と「XのID」は別物扱いになっています。
コミュニティノートのIDとXのIDが別物で、誰が書いたのかをXのID単位で特定しづらいことは賛否両論あるかもしれません。一方で匿名性の高い仕組みが担保されていることで、コミュニティノートの内容そのものに焦点が当たり、信頼性の高いノートが投稿されているという側面もあります。
ぜひ次にコミュニティノートを見かけた際は、そのノートは決して無責任に投稿されたものではなく、一定の厳しい基準をクリアしたユーザーが投稿し、他のコミュニティノートユーザーによる相互評価をもクリアして表示されたものであることを理解し、内容を読み込んでみてください。ためになる内容もたくさん投稿されていますよ!