mixiといえば2007年頃から爆発的に流行したSNS。Twitter(現:X)などが日本で台頭した2011年頃までSNSの代表格でした。根強いファンが存在しており、2024年3月には20周年を迎え、「mixiユーザー同窓会 -mixi20周年記念-」が行われたことも話題に。
そんな「国産SNS」のmixiですが、2024年も新規登録が可能。とはいえ「今でも盛り上がっているのか」は意外と知らない方も多いのでは?
今回はmixi(ミクシィ)は「今でも盛り上がっているのか」、それとも「使い続けている人はほぼいない」ような状態なのか、考察します。
20周年を迎えた「mixi(ミクシィ)」の会員数は?
2024年7月現在、mixiは公式サイト内の「mixiゲーム」にて会員数2,800万超であると明記しています。ただしこれはサービス開始からの「総会員数」の可能性があり、アクティブユーザーとは乖離があると思われます。
たとえば総務省の令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書 によると、mixiの利用率は2.0%となっています。同調査でLINEが94.0%、Instagramが50.1%、Twitter(現X)が45.3%であることを考えると非常に少ない数字です。
ちなみにLINEのユーザー数は、LINEヤフーによると「9,700万人」。mixiのユーザー数はその47分の1となるため、実際の月間ユーザー数は190万人前後と考えられます。
「mixi(ミクシィ)」の推定される月間のセッション数はどれくらい?
mixiの実際の月間ユーザー数をもう少し推察してみましょう。ウェブサイト分析に用いられる「SpyMetrics」の推定値(2024年6月時点)では、月間のセッション数は10.6M。つまり、1,060万回ほどです(※ブラウザ版のユーザーのみ。モバイルアプリのダウンロード数やユーザー数は考慮していません)。
1回の滞在あたりで5ページから6ページほど閲覧するユーザーが多いと見られるため、やはり実際のユーザー数は190万人~200万人ほどと思われます。190万人~200万人というユーザー数は多いのでしょうか、それとも少ないのでしょうか。結論から言えば、あまり多いとは言えません。冒頭でも述べた通り、たとえばLINEのユーザー数は9,700万人です。
少なくとも2024年現在のmixiは、かつてのmixiとは大きく異なり、どちらかといえば小規模なSNSの1つであると言えるでしょう。
20周年を迎えた「いまのmixi(ミクシィ)」ならではの魅力とは?
さきほどmixi(ミクシィ)を「どちらかといえば小規模なSNS」としましたが、小規模だから悪いということはもちろんありません。20周年を迎えたいまのmixiには、いまのmixiなりの魅力があります。
そんな「いまのmixiの魅力」をいくつかご紹介します。
ユーザー同士の相互理解が深く「仲が良い」
まず「歴史が長く」「どちらかといえば現在は小さなSNS」ということもあり、ユーザー同士の相互理解が深く、そのSNSの伝統やマナーがしっかりと守られ続けている点が大きな魅力です。ほかのメジャーSNSのように、コミュニティが思い切り荒れてしまうといった様子を目にすることが2024年のmixiではほぼありません。
たとえばmixiの代表的な機能には「コミュニティ」があります。一言でいうと、特定の分野のファンが集まるグループ掲示板のようなシステム。有名なコミュニティには「1年中アイスクリーム中毒」という、自分がその日食べたアイスクリームを書き込むコミュニティがあります。
このコミュニティはアイスの書き込みでトピックが埋まったら、最後に書き込んだ人が次の新しいトピックを立てる伝統があります。この伝統は長く受け継がれ続けており、2024年現在は「part225」まで続いています。「そのコミュニティを愛し続けている人たち」が、コミュニティの使い方やマナーを継承し続けているのが、いまのmixiの最大の魅力かもしれません。
リアルタイム性が高すぎない
XやInstagramといったSNSと比べ、mixiは比較的ゆったりとしたペースでコミュニケーションを楽しむことができます。たとえばリアルタイム性が高いSNSには「ライブ」機能が実装されているケースが多いです。Xにおける「スペース」、Instagramにおける「インスタライブ」が該当します。しかし、mixiにはそれらの機能はありません。SNSとしては情報が流れるスピードがやや遅い感がありますが、その感覚が逆に心地よさに繋がっている側面も感じられます。
Z世代から「mixi(ミクシィ)」が再注目されているって本当?
実はmixi、2023年1月に発表された「Simejiランキング」の「トレンド寸前!次世代SNS TOP10」で5位にランクイン。Z世代から支持を集める「BeReal(ビーリアル)」が同ランキングで9位だったことを考えると、十分「若者から注目されている」と言えるでしょう。SNSとしてのレトロ感が逆に面白い、という声が一定数ある様子です。
一方、mixiを運営している株式会社MIXIは2024年の決算説明資料ではmixiについて大きく触れていません。「Simejiランキング」で注目されたからと言って、特にこれといったZ世代を取り込むための新機能実装などは予定していないように見受けられます。
MIXIの代表的なサービスとしては、やはりアプリ「モンスターストライク」の存在感が強いです。それ以外のサービスとしては、家族アルバム「みてね」への注力度が高いのが現状。
その上でZ世代などを対象としたSNS分野では自社サービスというより、出資に注力していると思われます。
whooはMIXIから最大約20億円の資金調達を実施済み
2023年4月に株式会社MIXIは、Z世代に人気の位置情報共有アプリ「whoo」に対して最大約20億円の出資を行っています。
これは、MIXIがZ世代市場に注目していることの表れと言えるでしょう。whooは主に10代後半から20代前半の若者をターゲットとしており、新しい形のSNSを提供しています。つまり、MIXIとしてはmixiはmixiで今後もSNSとして運用しつつ、Z世代向けのSNSとしては別の形を探っていきたいのかもしれません。