ソーシャルメディアを日常的に利用している方でも『どのSNSがどんな役割を持っているのか』『利用率がどれくらいなのか』を意外と知らないケースもあるのでは? たとえば「Xに比べて、LINEはどれくらい使われているのか」は意外とSNSに触れているだけでは見えづらいものです。そこでこの記事では日本で利用されている主要なSNS11選について、その特徴や利用率を解説します。
SNSの主な種類
SNSには様々な種類がありますが、主に以下の4つに分類することができます。まず、テキストベースの投稿を中心とする「文章投稿型」。次に、写真や画像の共有を主な機能とする「写真共有型」。動画コンテンツの共有やライブ配信に特化した「動画共有型」も、近年急速に普及。また、特定の趣味や関心を持つ人々が集まる「コミュニティ型」もあります。
なお、これらの種類は明確に分かれているわけではなく、多くのSNSが複数の機能を併せ持っています。
主要SNS11選と利用率(全年代)
主要11種類のSNSの利用率とその特徴をご紹介します。なお、利用率は総務省情報通信政策研究所が令和5年に発表した「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書」を元にしています。
LINE:利用率94.0%(総務省調べ)
LINEはもともとNHN Japan傘下のネイバージャパンが開発したメッセージアプリであり、2024年現在はLINEヤフー株式会社が運営しています。国内だけでなく台湾やタイなどアジア各国でも人気があります。2011年のサービス開始後、急速に普及が進み、2013年には全世界登録ユーザーが1億人を突破。
日本国内で最も利用者数が多いSNSであると言っても過言ではなく、2024年3⽉末時点での月間利用者数(日本国内のみ)は9,700万人に達しています。メッセージのやり取りや音声通話が無料で利用でき、メッセージが相手に読まれると既読が付くのが特徴です。スタンプ機能が人気で、有料・無料の多種多様なスタンプ・絵文字が提供されています。
・1対1のトークやや複数人のグループでチャットメッセージのやり取りを行う
・ターゲット層 10代~60代(全世代)
X(Twitter):利用率45.3%(総務省調べ)
X(Twitter)は、世界の月間利用者数が5億4,000万人(2023年7月時点)を超えるSNS。主に140文字以内のテキスト投稿が中心ですが、近年は「スペース」機能による音声での交流や、有料の長文投稿機能も充実。ユーザー同士の交流やリアルタイムでの発信が盛んに行われています。
速報性の高いトピックの拡散に適したSNSという一面がありますが、その分フェイクニュースの拡散も多い点はしばしば問題視されています。こうした問題点に対しては、たとえば「コミュニティノート」機能によるファクトチェック機能も実装され、ユーザー間で活用が進んでいます。なお、利用率は45.3%とLINEのおよそ半数のため、2022年時点の国内のアクティブユーザー数は「4600〜4700万人ほど」と推定されますが。
・140文字以内のテキスト投稿が中心、情報拡散力、リアルタイム性が高い
・ターゲット層 10代~50代
Facebook:利用率29.9%(総務省調べ)
Facebookは2004年にサービス開始したSNSであり「世界最大級の老舗SNS」と言えるでしょう。実名での登録を原則としている点が特徴であり、友人・知人やビジネスパートナーなどと繋がり、深いコミュニケーションが取りやすいSNSです。
なお利用率は29.9%とLINEのおよそ3分の1のため、国内のアクティブユーザー数は2022年時点で「約3000万人ほど」と推定されます。なお、Facebook公式の発表によると2019年3月時点での国内ユーザー数は2600万人となっています。
・実名での登録を原則としており、現実の友人や知り合いなど繋がれるSNS
・ターゲット層 20代~60代
Instagram:利用率50.1%(総務省調べ)
世界の月間利用者数14億7,800万人(2022年1月時点)を誇るInstagramは、写真や動画投稿がメインのSNSアプリ。グルメ、ファッション、インテリア、メイクなどのおしゃれな写真を投稿するのが主流で、「インスタ映え」という流行語も誕生しました。若者層への訴求力が高く、マーケティング戦略の一部として企業のInstagram運用も盛んに行われています。なお利用率は50.1%とLINEに対して50%強です。
2023年11月に開催されたMeta公式セミナーによると日本国内における月間アクティブユーザー数は2019年公表した3300万人から倍以上に増加しているとのこと。つまり、2023年時点では6600万人以上であると推定されます。
・グルメ、ファッション、インテリアなど映えるおしゃれな写真の投稿が中心
・ターゲット層 10代~30代
mixi:利用率2.0%(総務省調べ)
mixiは日本発のSNS。2006~2007年にかけて人気が高まり、一気にユーザー数を増やしました。家族、友人やコミュニティでの交流を中心に日記の投稿やメッセージのやりとりで繋がれる他、ニュースの閲覧や無料ゲームを楽しむことも可能。Facebook、Twitter、Instagramなどの新たなSNSが人気を集める一方でmixiの人気は衰退していましたが、近年Z世帯から再び注目を集めています。なお、mixiゲームの会員数は2800万人としているものの、実際の利用率はLINEに対し47分の1のため、国内のアクティブユーザー数は「約200万人ほど」と推定されます。
・自分が興味を持つコミュニティに参加して友だちを増やすことが可能
・ターゲット層 20代~40代
GREE:利用率1.4%(総務省調べ)
GREEは、SNS上でプレイできる無料のオンラインゲームを多数提供しています。スマホで楽しめるのが特徴で、ゲームをプレイするだけでなく、コミュニティ内での交流も楽しめます。「釣りスタ」などのアクションスポーツ系から本格RPG、育成ゲームや恋愛ゲームなど豊富なバリエーションのゲームを展開しています。なお利用率はmixiをやや下回るため、国内のアクティブユーザー数は「約100~140万人ほど」と推定されます。
・スマホで楽しめる無料のソーシャルゲームが盛り沢山
・ターゲット層 20代~70代
Mobage:利用率2.1%(総務省調べ)
Mobageは、2006年「モバゲータウン」としてサービスを開始。2009年にリリースされた「怪盗ロワイヤル」が当時としては新しかったゲームシステムで人気を集め、大ヒットしました。現在はスマホで遊べるゲームやアバター、日記やチャットなど他のユーザーとのコミュニケーションを楽しむこともできるプラットフォームとして人気を集めています。なお月間アクティブユーザー数は公表していないものの、利用率はmixiに近いため、利用者数もmixiとほぼ同等と推定されます。
・500種類以上のゲーム、日記やサークルなどのコミュニティ機能、ニュースなどがスマホで楽しめる
・ターゲット層 20~40代
Snapchat:利用率1.7%(総務省調べ)
Snapchatは日本での利用率は高くないものの、世界月間アクティブユーザー数は8億人(2024年2月時点)を超える大人気アプリ。写真や動画を友だちとシェアできる点は他のアプリと同じですが、最大の特徴は送信した画像や写真が10秒以内に消えること。今この瞬間をシェアできる新感覚のSNSとして若者を中心に人気を集めています。なお、日本での利用率はGREEに近いため、利用者数もGREEとほぼ同等と推定されます。
・画像・動画の投稿アプリ。送信した画像や写真が10秒以内に消えるのが特徴。
・ターゲット層 20代~30代
TikTok:利用率28.4%(総務省調べ)
TikTokは中国発祥の動画共有アプリで、2017年に現在のTikTokとして全世界にリリースされました。2023年時点での世界の月間利用者数は16億7,700万人で、リリースから数年で急速にユーザー数を拡大しています。特にZ世代に圧倒的な人気があり、音楽に合わせてダンスを踊る動画や、商品紹介、レシピ紹介など様々なエンタメ動画が投稿されています。なお利用率は28.4%と、LINEに対しておよそ30%ほど。利用者数はおよそ3000万人ほどと推定されます。
・15秒~3分程度の短尺の動画を投稿・シェアできるSNSアプリ
・ターゲット層 10代~30代
YouTube:利用率87.1%(総務省調べ)
YouTubeはGoogleが運営する動画共有サービスで、2023年10月時点の月間アクティブユーザー数は24.9億人を超えています。個人や企業など誰でもチャンネルを作り動画を投稿することができ、ユーザーは様々なジャンルの動画を無料で視聴することができます。再生数に応じて収入を得られるため「ユーチューバー」として活動する人も増えています。なお国内の利用率は87.1%と、LINEに匹敵する規模感。、2023年10月にGoogle日本法人が発表した内容によると月間視聴者数は2023年5月時点で7120万人超えとのこと。
・動画を投稿、閲覧、共有できるSNS。チャンネル登録者数や再生数が重視される。
・ターゲット層 10代~60代
ニコニコ動画:利用率14.9%(総務省調べ)
ニコニコ動画は株式会社ドワンゴが提供する動画共有サイト。最大の特徴は、視聴者が投稿したコメントが動画上に表示される機能で、視聴者同士が一体感や盛り上がりを感じながら動画を楽しむことができます。オタク文化の独特な世界観やコミュニケーションが人気で若年層を中心に支持されています。なお利用率は14.9%と、LINEに対して15%ほど。ドワンゴの親会社である株式会社KADOKAWAの「2024年3月期 通期決算説明資料」によると1,309万人となっています。
・日本の動画共有サービスで、視聴者のコメントが画面上に流れて表示されるのが最大の特徴
・ターゲット層 20代~30代
まとめ
本記事で紹介した11のSNSは、それぞれ独自の特徴と利用者層を持っており、用途に応じて使い分けることが可能です。利用率の高いLINEやYouTubeは幅広い年齢層に利用されている一方、InstagramやTikTokは若年層を中心に人気があります。どのSNSを選ぶかは個人の目的や好みによって異なりますが、特徴を理解することで、自分にぴったりなSNSの活用が可能になるでしょう。