ランダムな通知に合わせて2分以内に写真を撮影・共有するSNS「ビーリアル(BeReal.)」がZ世代を中心に人気が拡大中。さらに、そのビーリアルを活用する「マッチングアプリ」も最近続々と登場しています。しかし、実質的なマッチングアプリでありながら年齢制限が「4歳以上利用可」とされているアプリが散見されており、出会い系サイト規制法に基づき、問題視する声も。
ビーリアルを用いた実質的な「マッチングアプリ」運営に、問題はないのか考察していきます。
「ビーリアル」を用いたマッチングアプリが続々登場中
ビーリアルは冒頭にも述べた通り、通知から2分以内の写真共有を楽しむSNS。そのビーリアルを活用した、実質的な「マッチングアプリ」が近年、登場しています。その中でも特に注目を集めているのが「BeMatch.」。ビーリアルを交換する「交換アプリ」を謳っています。
2023年12月にリリースされ、24年8月までにスワイプ数6億回、マッチ数は900万回、メッセージ数は2,500万回を達成した注目アプリです。ビーリアル自体はフランスのアプリですが、実はBeMatch.は日本企業であるONE株式会社が提供するもの。「BeMatch.」の運営は日本の企業で、ビーリアルそのものとはまったくの別企業となっています。
またBeMatch.はあくまで「ビーリアル交換アプリ」とされていますが、アプリの操作性は大手マッチングアプリと近く、マッチングアプリと同様に「課金」も存在します。同アプリを問題視する声は、SNSや経済紙などでもたびたび散見されています。なお原因は不明ですが、2024年10月現在、App StoreでBeMatch.はアクセス不可となっているものと見られます。
このほかにも様々な、ビーリアルをベースとした「実質的なマッチングアプリ」が登場。たとえば「BeSwipe.」は表示されたビーリアルの写真を右にスワイプすると「友だちになりたい」、左にスワイプすると「あんまり」という意思表示が可能なアプリ。
「BeMate」はBeMatch.と極めて近しいアプリの1つ。BeMateも画面に流れてくるビーマッチの写真をスワイプすることで気になる人を見つけることのできるアプリです。マッチするとSNSのリンクをシェアでき、メッセージ内でやりとりすることもできます。
このようにビーリアルをベースとしたアプリが続々登場しているのが現状です。
「4歳以上利用可」の危険性は非常に大きい
先にご紹介したアプリの中でも、特に人気が拡大しているのは日本企業が運営する「BeMatch.」。そしてBeMatch.の特徴的な点は、利用年齢が「4歳以上」と設定されていることです。
ちなみにBeSwipe.とBeMateは12歳以上と、いずれも未成年が利用できる設定になっています。
・4歳以上
・12歳以上
という年齢から「実質的なマッチングアプリ」が使えることには疑念の声があります。その理由は「出会い系サイト規制法」です。
「出会い系サイト規制法(インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律)」により、マッチングアプリは18歳未満の登録はできません。そのため、マッチングアプリは高校生を除く18歳以上が法に基づく登録対象となります。
一方でビーリアルを用いた一部のアプリでは、実質的な「マッチングアプリ」の機能を提供しながらも「4歳以上」から登録可能としているケースが見られ、出会い系サイト規制法に基づく規制対象ではないか?という声が上がっています。
ビーリアルはZ世代に欠かせないアプリとして定着する半面で、そのコンセプトから逸脱し始めている「マッチングアプリとしての利用」に関してはその行方が良い意味でも悪い意味でも注目されます。
※サムネイル画像は(Image:「BeMatch. – BeReal交換アプリ(@BeMatchjp)」公式Xより引用)