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X/Twitterで強まる「シャドウバン」とは? こっそりBANされるアカウントの基準

イーロン・マスク氏による買収後、botの排除などを強硬に進めている「X(旧Twitter)」。マスク氏はTwitter時代には公式に否定されていた「シャドウバン」の存在も認めており、Xのスパムポリシーや「過去に発生したシャドウバンと推察される事例」を読み解くと、シャドウバンの基準も浮かび上がってきます。

今回はXで強まる「シャドウバン」とは何か、またこっそりBANされるアカウントの基準などを解説します。

シャドウバンとは

シャドウバンとは、その名の通り「シャドウなBAN」。アカウントがこっそりとBANされることを指します。自分自身のアカウントの機能自体には影響がないものの、他のアカウントが自分のアカウントを検索しにくくなり、ポストの表示も大きく減少します。結果的にリーチが減ることに繋がります。

このシャドウバンは、通知や警告なしにこっそりと制限が実行されるため、ユーザーは自分のアカウントがシャドウバンされたことに気が付きにくいという特徴があります。この点がアカウントの機能を制限するペナルティが明らかである「アカウント凍結」との明確な違いです。

シャドウバンと「アカウント凍結」は何が違うの?1

シャドウバンの対象になりやすいアカウントおよびポストの特徴

シャドウバンは規約違反、同一ハッシュタグの多用・乱用などによって起こりやすいと言われています。

シャドウバンの対象になりやすいアカウントおよびポストの特徴1

Xの過去の「シャドウバン」の傾向から推察すると、センシティブなポストを繰り返すなどの規則違反、同じハッシュタグの多用・乱用などが原因でスパムやbotだと判定されてしまった場合にシャドウバンになりやすいと考えられます。

Xが明示する「プラットフォームの操作とスパム」の判断基準の例

実はTwitter時代の2020年にはTwitter Japan公式アカウントが「(※シャドウバンは)現在も過去にも行ったこともありません」と明言するなど、シャドウバンの存在は公式に否定されていました。

しかし、先述した通り、イーロン・マスク氏による買収後、同氏はシャドウバンの存在を認めています。さらに2023年3月には、Xは「プラットフォームの操作とスパムに関するポリシー」を公開。同ポリシーでは「シャドウバン」という単語こそ使用されていないものの、ユーザー間で囁かれていた「シャドウバンの基準」にかなり近しい内容が公表されました。

つまり同ポリシーを熟読することで、シャドウバンの基準をある程度明確に判断することができます。その一部をかいつまんで紹介します。

複数のアカウントを作成して恣意的にトレンドを操作する行為

複数のアカウントを作成して恣意的にトレンドを操作する行為1

「複数のアカウントを使用したり、他の利用者と共謀したりして、会話を人為的に拡散または妨害することは、Xルールで禁じられています」と同ポリシーにて、明言されています。

・コンテンツやアカウントの人気を誇張または操作するため、同一または著しく類似するコンテンツに反応を示したり、特定のXアカウントと交流したりする複数のアカウントを運用すること

が禁止対象となったため、大量のXのアカウントを用意したうえで自作自演でのリポストやハッシュタグの拡散によって、フォロワー数を伸ばしたりリポスト数を伸ばすことを狙うのはかなり難しくなったと言えるでしょう。

返信機能やいいね、リポストの悪用

返信機能の悪用もシャドウバンに繋がりやすいです。たとえば、

・複数のアカウントを作成して、@ポストや返信機能を悪用すること
・複数のアカウントを作成して、エンゲージメント機能(いいねやリポスト)を悪用することで、自分のいずれかのアカウントを目立たせたり、拡散したりすること

などがポリシーで禁止されました。

返信機能やいいね、リポストの悪用1

Xにおける「インプレゾンビ」はこのポリシーに反していると見られることから、国内外でその存在を問題視する声が高まっています。なお、インプレゾンビとは、インプレッション(閲覧数)を稼ぐ目的の投稿を繰り返しているアカウントのことを意味します。バズったポストのリプライやトレンドに上がった投稿のタイムラインに現れ、人気ワードを含む文章をコピペした投稿などを繰り返し行います。このインプレゾンビが大量発生することで、気になっている元の投稿やリプライが埋もれてしまうため、迷惑行為とされています。

著しく類似するコンテンツの投稿

エンゲージメント機能(いいねやリポスト)の悪用と同様に、著しく類似するコンテンツの投稿もポリシーで禁止されました。

インプレゾンビには「表示回数が多いポストに返信を送り、自らのアカウントを目立たせるもの」と「伸びているポストと著しく類似するコンテンツを自らのアカウントでも投稿して、目立とうとするもの」があります。つまり「類似コンテンツの投稿」においても、インプレゾンビはポリシー違反であると言えるでしょう。

無関係なハッシュタグを過剰に含めたポストの投稿

会話の信頼性を損なったり操作したりする意図で、注目を集めるために投稿の内容と関係のないトレンドや人気のハッシュタグを使用することはポリシーで禁じられています。また、1つのポストで、または複数のポストにまたがる形で、無関係なハッシュタグを過剰に含めて投稿することもポリシー違反であると明言されています。

無関係なハッシュタグを過剰に含めたポストの投稿1

大量、過剰な返信やDM送信

大量、過剰な返信、および一方的なダイレクトメッセージの送信は、他者の快適性を損ねる目的でXの商品機能を悪用する行為として禁じられています。同一の返信やDMを繰り返し送信したり、説明のないリンクのみのメッセージを頻繁に送信する行為はポリシー違反に該当します。

「互恵的な水増し行為」も禁止の対象

このほか「互恵的な水増し行為」も禁止対象に含まれました。水増し行為には「フォローやポストのエンゲージメントを交換する目的で取引または連携すること」が含まれ、たとえば「リポストする代わりに、リポストしてもらう」「フォローする代わりに、フォロー返ししてもらう」ことなどが該当します。

もっとも「常識的な範囲内でのフォロー返し」などが即時にシャドウバン対象になるとは考えづらいものの、不特定多数かつ大量のアカウントに対して「フォローやリポストの交換目的での営業的なDM送信やメンションを行い、実際に水増し行為を行う」といったケースはシャドウバン対象になると見られます。

シャドウバン基準がある程度明確になるも「息苦しさ」を感じる人も多い?

先にも述べた通り、2020年頃まではTwitterは「シャドウバン」を公式に否定していました。そのため「急にツイートへの反応が減る」など違和感がある事象があったとしても、あくまでそれは一部でのこと。多くのユーザーの方にとっては自由な投稿や、良くも悪くも「フォロワー稼ぎ」的な投稿がしやすい場所ではあったでしょう。

一方、2024現在のXは「シャドウバン」を認め、その基準と思われるポリシーも明確化しています。しかしこの基準をすべて守ると、自由な投稿も、ほかのユーザーとの交流も思うようにできないと感じてしまう方もいるのでは。

良い意味でも悪い意味でも「従来のTwitter」はすでに存在しないと感じられてしまうような、ある意味「息苦しい」ルールが生まれてしまったのが現状と言えるかもしれませんね。

※サムネイル画像(Image:Runrun2 / Shutterstock.com)

オトナライフ編集部
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