MIXIが2024年12月16日に新しいSNS「mixi2」を発表しました。2000年代から10年代前半にかけて、多くのユーザーを集めたmixi。一方で昨今はX(Twitter)やLINEなどと比較し、存在感が薄かった事実もあります。そんな中、突如登場した「mixi2」。かつてmixiユーザーだった筆者もさっそく登録してみました。
かつてのmixiとどう違うのか、30代半ばの筆者がレビューしてみます。
「mixi2」はかつてのmixiとどう違う?
まずかつてのmixiは、「マイミク」と言われる友人との交流や、同じ趣味を持つ人と集まる「コミュニティ」に参加してのやり取りが主なコミュニケーション手段のSNSでした。その際に用いられるのが「日記」や「mixiボイス」「コミュニティへの書き込み」です。あえて、他のSNSと比べるならば「Facebook」に近い仕様だとも言えるでしょう。
一方で、mixi2は他のSNSと比べるならばXやThreadsに近い仕様です。Facebookには似ていません。タイムラインで他のアカウントの投稿が時系列で流れてくるのが特徴です。
あえてかつてのmixiと比較するのであれば「mixiボイスの進化系」とも言えるかもしれません。mixiボイスに充実したタイムラインが導入された一方で、日記などの機能は後退しているとも言えます。とはいえ、mixiと同じく「コミュニティ」もあり、「イベント」で他のユーザーとオフラインで集まることも行いやすいというポイントもあります。
なお「mixi2」はリリース時点で完全招待制。mixiアカウントをmixi2に流用したり、mixiとmixi2をつなげたりデータを移行することなどはできません。また2024年12月現在、アカウントは最大3つまで作成することが可能で、アプリ内で切り替えることができます。
「招待制」はかつてのmixiが踏襲されている
mixi2がかつてのmixiを踏襲した仕様には「招待制」も挙げられます。ちなみに招待リンクの作り方は以下の通りです。
もっとも招待リンク経由の登録数の上限などはなく、招待リンクの共有方法にも制限がありません。そのためXで招待リンクをばらまいているインフルエンサーの方などもかなり目立ちます。
つまりmixi全盛期に比べれば、招待を受け取る難易度はさらに下がっており、実質的にオープンSNSに近いとも言えるかもしれません。正直に言うと、mixi直撃世代の筆者としては「もう少しクローズド感があってもいいかもしれない」と感じたのが本音です。
「mixi2」でできること
先述した通り、mixi2は「ツイートやmixiボイスのようなものを投稿できるSNS」。テキスト型のポストをフォロワーに見てもらうことが可能です。加えて、そのポストの文字を大きくしたり跳ねさせたりできる「エモテキスト機能」が実装されています。
ちなみに、フォロー欄はフォローしているアカウントのポストに加え、自分が参加しているコミュニティのポストが流れてきます。X(Twitter)のおすすめタイムラインに不快感を感じており「フォローしているユーザーのポストだけを見たい」場合は、mixi2への引っ越しも、2024年12月時点では十分に検討の価値があります。
なお、タブを能動的に「発見」に切り替えると、フォローしていないアカウントのポストも流れてくるため、友達になりたい人を見つけやすいです。
「mixi2」でできないこと
mixi2はmixiとはまったく違うサービスとなっています。mixiで展開されていた「サンシャイン牧場」などのゲームをすることはできません。また、かつてmixiにあった「足あと機能」「日記機能」などもありません。そのため、かつてのmixiを踏襲している要素は「招待制」と「コミュニティ」、またXのようなポストとしての「mixiボイス」程度と言えるでしょう。
従来のmixiもサービスとして継続されているため、あくまで過去のmixiにこだわる方はそちらに登録することをおすすめします。
「mixi2」はmixiではなく「良かったころのTwitter」の代わりになる?
mixi直撃世代の筆者は、mixi2に「mixiの代わり」というイメージを持ったうえで、招待制リンクから登録をしました。しかし、実際に使ってみるとmixi2はむしろ「mixiの代わりではなく、良かったころのTwitterの代わりに近い」という印象を持ちました。良くも悪くも、mixiの代わりではありません。
基本的なポスト機能はXやThreadsと同様の使用感で、タイムラインもXの「おすすめ」と異なり、基本的にフォローしている相手か、参加しているコミュニティのものだけが流れてきます。
つまりミュートワードやブロックなどを多用せずとも、不快なポストがタイムライン上に流れてくる可能性がかなり低い点が快適です。近年はXの代替SNSとして、Threadsのほか、Blueskyなど様々なSNSが登場しています。そうした「X代替SNS」として、mixi2も発展する可能性が十分にあります。
また「招待制」も、mixi2の魅力になり得ます。招待制を導入することによって、いわゆる「スパマー」「インプレゾンビ」がタイムライン上に多発する余地が小さくなるためです。
一方で「良かったころのTwitterの代替」へと、mixi2が発展するには不安点もいくつかあります。まず1つ目は、招待制を導入しているものの実質的に「オープンSNS」に近いことです。時間の経過とともに招待制の意味が薄れ、実質的に「誰でも登録できるSNS」へと変貌すると、コミュニティが荒れ、タイムラインの質が下がるといった変化が起きる可能性は十分に高いです。
そのため筆者個人としては、招待リンクの発行は「1アカウント3名分まで」など招待そのものにプレミアム感を持たせる工夫があっても良いのではと感じます。
また良かったころのTwitterは、柔軟なAPI利用などが高度に実現されており、そのAPIを面白がって使うエンジニアが高品質なTwitterクライアントを連発してリリースするなど「開発コミュニティ」が文化を支えていた側面があります。
こうした「コミュニティの形成」をmixi2は目指すのか、それとも全く別のベクトルで独自の文化を築くのか。「mixi2」という圧倒的な知名度を元にした話題作りには成功しているものの、中長期で向かう方向自体はまだ見えないというのも素直な感想です。
「mixi2」の登録方法
最後に、mixi2のアカウント登録方法をご紹介します。事前に「mixi2」アプリをインストールしておきましょう。
・iPhoneの場合→App Store
・Androidスマホの場合→Google Play
※サムネイル画像は(「App Store」より引用)