Twitterをお使いの読者は、Twitterに新たな機能が追加されるかもしれないという話をご存知だろうか。それが「よくないね(dislike)」ボタンだ。Twitterにはこれまで「いいね」ボタンがあったが、実装されるとなればそれと正反対の用途で押すことになるのは火を見るよりも明らかだ。
今回は、Twitterによくないねボタンが実装された未来のことを考えていきたい。
仲の良いグループに亀裂を生みかねない新機能
Twitterといえば、現代でよく使われるSNSに近いサービスだ。Instagramよりは利用年齢層が高めで、Facebookよりは気軽に投稿できるのが特徴のひとつ。テレビなどで注目度の高い番組が放送されていると多くの視聴者が感想を書き込み、トレンド上位が一気にその番組の用語で埋め尽くされる“実況”という独特の文化もたびたび話題となっている。離れた場所で顔も知らない相手であっても「同じものを見て同じことを感じている」という一体感を得られるのが特徴だ。
そんなTwitterの機能として代表的なのは、「いいね」と「リツイート・引用」だろう。他人の投稿にいいね!と思ったり共感した際にいいねボタンを押して投稿者に気持ちを伝えたり、「広めたい」と思った投稿をリツイートで自身のフォロワーに向けて広めるのが一般的な使い方だ。
しかしリツイートに関しては、ポジティブな感情で利用されるばかりの機能とは限らない。「この投稿ムカつく。晒し上げてやれ」といった負の意識で利用されることもあり、多くの人が晒し上げに加わると“炎上”状態となってしまう。タレントや有名人がたびたび“炎上”してしまうのは、注目度の高さもあってよく思わない人の目につきやすいことも一因となっている。
そんな中で今回のよくないねボタンだ。名前からして負の要素しか持っていないようなボタンであり、炎上でも火に油を注ぐことは目に見えている。市場調査会社・日本トレンドリサーチの調査でも、Twitterをよく使っている人のうち62.1%は「よくないねボタンは必要だと思わない」と回答。必要ないという理由について「誹謗中傷などが止まないのに、そのような機能を増やすと嫌な思いをすることが増えるから」といった意見もあり、今年5月に起きたSNS上での炎上・誹謗中傷による女子プロレスラーの自殺を意識してしまう人も少なくないようだった。
よくないねボタンと同様の機能は、YouTubeの「低評価」ボタンがある。芸人など一部には数十万の低評価を自らのネタに変えて活動につなげるようなタイプもいる。しかし世の中の人全員が、そんな鋼のメンタルを持っているわけではなく、普通であれば1つ低評価がつくだけでもかなり気になってしまうはずだ。
ユーザーのメンタルヘルスのためにも、余計な機能はつけなくてよいのではないだろうか。
参照元:【Twitter・検討中の機能】よくないねボタン、「必要だと思わない」が62.1%【日本トレンドリサーチ】
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