音声によるリアルタイムなコミュニケーションができる招待制SNS「Clubhouse(クラブハウス)」が一気に注目を集めている。仲間内で気軽な雑談にも、著名人の発信をラジオ感覚で聞くのにも使える。Twitter、Instagram、Facebookなどに続くSNSとの呼び声も高いが、じわじわとユーザーを増やしていったこれまでのSNSと異なり、日本国内での人気上昇っぷりは異常だ。背景には、iPhone普及率が高い日本に対するマーケティング戦略があるのかもしれない。
満を持して日本に上陸したClubhouse
日本では今年1月から本格的にスタートしたにもかかわらず、1週間足らずでみるみる話題となりTwitterでもトレンド入りしたClubhouse。TwitterやInstagramとの違いは、録音もない完全リアルタイムのみの音声SNSということだ。「room」と呼ばれる会話をする部屋を選んで参加すれば、すぐに会話をはじめることができる。
著名人やスタートアップ経営者から火がついたこともあり、現在はまだ一般人にとってはハードルが高い印象もあるClubhouseだが、これだけ勢いよく広まっていけばユーザーの幅が広がるのも時間の問題だろう。
実際にどんなroomが立ち上がっているか見てみると、著名人や経営者同士のトークセッションやテレビ番組のアフタートークなど、ともすればお金を払ってでも聞きたい話が突発的に行われていた。たしかに身内の雑談以外にも、「見逃せない」と思わせるコンテンツが豊富だ。
Twitter社も「Audio Spaces」という音声会話の新機能を開発中であるなど、音声SNSは今後開拓されていく分野ではあったようだ。自分の音声はオフにしてただ著名人の会話を聞く感覚は、ラジオはもちろん、SpotifyやApple Musicなどポッドキャストがあるので若い世代にも親しむ素地があると言える。
これまでにも音声SNSは存在していたが、Clubhouseはコロナ禍というタイミングでサービス開始できたことが追い風になったのだろう。在宅時間が長くなりパソコンやスマホの使用時間が増えたことによる「画面疲れ」、ウイルスによって制限されたコミュニケーションに対する「飢え」。
Clubhouseはそんな人間の欲求に訴えかけるサービスとして、カチッとハマってきたようだ。現在、ClubhouseはiOSでしか使えないが世界的に見て日本のiPhone普及率が高いので、それも踏まえたマーケティング戦略があるのかもしれない。アカウントの取得には知人からの紹介が必要で、どうしてもアカウントを作りたい人たちの間では「招待権」の売買も行われているよう。しばらくClubhouse熱は収まりそうにない。
参照元:話題の「Clubhouse」になぜハマる 起業家たちが語る“中毒性”【日経クロストレンド】
※サムネイル画像(Image:Boumen Japet / Shutterstock.com)