「Twitter」や「Instagram」、さらに「Clubhouse」とSNSの種類も増え、軒並み利用者が増えている昨今。国内のSNS普及率は80%とも言われており、デジタルネイティブ世代がさらに増えていくこれからの時代、その普及率はさらに高まることは必至だ。
そんな拡大傾向の続くSNS市場で、2016年にはじめてリリースされ、一部でブームとなっていたのが「マストドン」だ。140文字と短文でのコミュニケーションがメインのTwitterとは違い、1つの投稿の文字数は最大500文字とブログに近い機能を持っている。また、特定のサーバーを介して行うのではなく、プログラム自体がオープンソースのため誰でも「インスタンス」と呼ばれるコミュニティーのようなものを立ち上げることができる。そんなマストドンが現在、“分散型SNS”ともいわれ注目を集めている。
機能をシンプルにし新規ユーザー獲得を図る
そんなマストドンが今夏にiOSアプリをリリースすると発表され、スマホ完結でより手軽に利用できるとして古参のユーザーを中心に期待が高まっている。ドイツ在住の同アプリ開発者・Eugen Rochko氏によると、「これまでよりも機能をシンプルにまとめ、新規ユーザーがマストドンをスタートさせるきっかけとなるようなアプリを手掛ける」という。
分散型SNSのマストドンは、他のSNSサービスのようにひとつの大きなサーバーで管理するシステムを取っておらず、コミュニティーごとに独立したサーバーを使えるため、もし運営側にサイバーテロなどのトラブルが起きたとしても、ユーザーへの影響は最小限で食い止められるのだ。テクノロジーが加速度的に発達している情報化社会の現代では、サイバー攻撃から企業や個人の情報を守るためのひとつの対策として、“分散型SNS”という選択肢もアリなのかもしれない。
年明け頃から日本でも注目を集めだしたClubhouseは、芸能人や経営者などのインフルエンサーが次々に利用して他のSNSで拡散したことで、その人気に一気に火が付いた。利用者数が格段に増えたのも、そうしたインフルエンサーの存在無くしてはあり得なかったと言っていいだろう。また、映像が無く「音声のみ」であるというシンプルな利用方法や、「ライブ配信」で聞き逃せないという希少性を煽るアイデアも、ユーザー数を伸ばしたひとつの理由かもしれない。
一部では、マストドンが同じ独自性のあるSNSという立場を活かしてClubhouseの人気に乗っかるために、公式アプリの発表タイミングを見計らっていたのでは?という声も見られた。真実はどうであるにせよ、ClubhouseがバズったことでSNS業界は現在、かつてないほどの注目を集めていることは間違いない。
かつて流行したブログに似た形式から「なつかしい」というプラス評価ともマイナス評価とも取れる声もあるマストドンだが、これからのユーザー数の増加とサービスのさらなるにぎわいに期待していきたい。
参照元:非中央集権SNS「マストドン」初の公式iOSアプリ、今夏リリースへ【ITmedia NEWS】
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