まさか「Clubhouse」はこのまま“一発屋”で終わってしまうのだろうか。そう思われてしまうくらいに凋落が激しいClubhouseだが、さらなる逆風にさらされだしたようだ。今度は「Twitter」でも、Clubhouseに似た音声サービスがスタートした。これまで脚光を浴びてこなかった「音声SNS」というジャンルを一気にメジャーな存在に押し上げた功績はたたえられるべきだが、Clubhouseはこのまま消えてしまうのか。
今回は、隆盛を迎えた音声SNS界隈と、立役者でありながらその盛り上がりと反比例するように存在感を失いはじめているClubhouseについてお伝えしていきたい。
大手SNS・Twitterでも音声サービスを開始!
Clubhouseの新たな対抗馬とも言えるTwitterの新サービスは「スペース」と呼ばれるもので、Twitterはこれを「音声を使って自分たちで作り上げるTwitterのコミュニティ」であると伝えている。現在は限られたユーザーのみがスペースを作成できる公開テストを開催し、そのフィードバックによってサービスの質を向上させていく段階のようだ。
現状では「クローズドなスペースをつくれない」「非公開アカウントはスペースに参加できない」といった使いづらさもあると指摘されているが、そうした部分を洗い出すたたき台としては有効に機能していると言ってもいいかもしれない。
1月末に話題となって即座にその存在が世間に広まったClubhouseだが、急騰する人気を追いかけるようにシステムの粗さ等の面が一気にクローズアップされるようになってきている。世界中の専門家から「招待されなくても音声を聞けるし、その音声を配信もできる」と指摘されている。事実2月下旬には、複数のルームから音声データを抜き出し別サイトで配信していたユーザーのアカウントが永久停止される一件も発生。さらにはClubhouseの「会話を再生できるアプリ」や「実際にトークに参加できる非公式のAndroidアプリ(公式なClubhouseはiOS用のアプリ)も登場するなど、少し“遊び心”のある開発者の格好の標的となっているようだ。
日本国内でClubhouseの人気上昇を牽引した芸能人や著名人も、話題となった当時からClubhouse内で話した内容がネットニュースに取り上げられたりすることに対して以前から不満を示していた。そこにきて最近ではセキュリティのリスクもあり、これまで以上に容易に流出する可能性があるとなれば二の足を踏んでしまうのも仕方のないことだろう。
ライバルサービスの登場や自身のセキュリティの問題で、Clubhouseは今後どのような道を歩むことになるのだろうか。“一発屋芸人”のように一瞬のきらめきで終わるか否か、注目していきたい。
参照元:Twitterがテスト中の音声チャット「スペース」はClubhouse代わりになる?【GIZMODO】
※サムネイル画像(Image:Boumen Japet / Shutterstock.com)