Facebookが、たった3ヶ月で13億件以上のアカウントを無効にしたことが明らかとなった。今回無効にされたという13億件のアカウントは実はすべて“偽アカウント”であり、自社の偽情報対策の一環として無効化が行われたようだ。近年は“フェイクニュース”が世界的な問題となっており、NHK等でも特集を組まれるほどの注目を集めている。
今回は、Facebookが今後フェイクニュースに対してどのような態度を取っていくのかなどについて考えていきたい。
Facebookが13億件のアカウントを無効に
フェイクニュースとは、その名の通り真実でないニュースのこと。“虚偽報道”という呼称や悪質なものは“捏造報道”とも呼ばれ、SNS等で拡散され誤った認識が世間に広まってしまうといった実害が出てしまう。
そんなフェイクニュースに対してFacebookは、3万5,000人以上を動員して偽情報対策に取り組んでいることを発表。前述の13億件のアカウント無効をはじめ、自社のAIを活用し1,200万件以上の新型コロナの偽情報コンテンツを削除。加えてFacebook上で行われていた組織的な犯罪行為のネットワークも、3年間で100件以上削除したことを明らかにした。GAFAの一翼を担う世界的企業の責任を果たすべく、様々な取組みを実行していることをアピールしたのだった。
そんなFacebook自身もサービスの巨大さゆえか、2020年8月にブラジルで「フェイクニュースを広めるアカウントをブロックしなかった」という理由で“フェイクニュースを拡散した側”として罰金が科された過去がある。2021年3月22日には、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」も、Facebookのサービス上でフェイクニュースが拡散されている実情についてFacebookを提訴している。それだけネットコンテンツには嘘があふれ、消費者が何を信じていいかわからなくなってしまっているのだろう。
とくに意図的に嘘を拡散しようとするタイプのフェイクニュースはあたかもその情報が真実のように装うため、そのニュース単体では真偽の判別がつかないことも珍しくない。そのため拡散されやすくなる、という弊害も起きているのだ。
今回の発表はFacebookとしても、そうした世間からの風当たりを少しでも弱めるため自身の実績を公開し健全性をアピールした、という意図も「まったく無い」とは言えなさそうだ。近年はCSRやSDGsといった考え方も世界的に普及し、「企業は利益を追いかけるだけでなく社会貢献すべき」という風潮も強まっている。フェイクニュースを根絶させ世の中にあふれる情報を疑う必要が無くなったとすれば、私たちの暮らしももっと豊かになるかもしれない。Facebookの取組みに今後も注視していきたい。
参照元:Facebook、3カ月で13億件の偽アカウントを削除【CNET Japan】