「多くの日本人が使っているコミュニケーションアプリ『LINE』が、中国にある企業で個人情報やトーク内容が閲覧できる状態にあった」この一件が世間を大きく騒がせたことは記憶に新しい。個人情報もそうだが、個人間でのプライベートなやりとりを他人に見られて嬉しい人はいないだろう。そんなプライバシーの保護に特化したメッセージアプリが、現在注目を集めている。そのセキュリティの高さは「国家レベルの検閲も迂回可能」と言われるほどで、日本の公安警察も使用しているという。今回は、絶対にバレたくないやりとりをしている人にうってつけのアプリをご紹介したい。
鉄壁のメッセージアプリ・Signal
公安警察に利用されるほどのセキュリティを持つメッセージアプリは、アメリカで誕生した「Signal」というアプリだ。スマートフォンやPC等、様々なデジタルデバイスに対応しているこのアプリの一番の特徴は、運営元・管理者ですらユーザーのトークの内容が閲覧できない暗号化技術を採用していること。メッセージを送ったユーザーと受け取ったユーザーしか、メッセージを読むことはできないのだ。
加えて一定期間でメッセージが自動消去される機能も存在するため、他人が後からメッセージを追おうとしても不可能なのだ。そうしたセキュリティの高さから、証拠を残したくない犯罪集団が使用していたために警察も苦労を強いられたことで、公安警察等、治安を守る側にもその有用性が広まった、とも報じられている。
プライバシーを守れるアプリとして普及は進む?
この暗号化技術は国際的に見てもハイレベルなもののようで、2021年3月には「中国国内でSignalの利用が禁止された」とも伝えられていた。もしこれがIT技術に長けた中国をもってしても暗号化の解読に匙を投げたということであれば、かなりのセキュリティを有していると認識してよさそうだ。
そんなSignalは、欧米をはじめプライバシー保護の意識の高いユーザーの間ではかなり知られた存在で、2021年1月には大量のユーザーが流入したことでシステム障害も生じる事態となった。それだけ「自分のプライバシーを守りたい」というニーズが高まってきていると言えるだろう。
同じ情報が漏えいしづらいメッセージアプリは良い方向にも悪い方向にも使えるため、ロシアで開発された「Telegram」が特殊詐欺犯罪で多用されるようになってきているというニュースもある。
Signalでも悪用が増えてしまうとアプリの印象が悪くなり一般人のユーザーが減ってしまう恐れもあるが、今後LINEで新たな重大トラブルが判明したときには、新たな利用候補のひとつとして検討してみるのもアリなのかもしれない。
参照元:鉄壁のセキュリティ!? 日本の公安がLINEの代わりに使っている「通信アプリ」の名前【現代ビジネス】
※サムネイル画像(Image:DANIEL CONSTANTE / Shutterstock.com)