日本では活発に投稿しているユーザーがおじさん世代であるというイメージから“おじさんのSNS”とも言われて久しいFacebook。世界で最も利用者数が多いSNSでありながら(2020年時点)、日本に限って見てみるととくに若者のアクティブユーザーが極めて少なく、タイムラインを開いてもおじさんたちの日常報告ばかりだ。そんなFacebookが、“おじさんのSNS”から“おじいさんのSNS”へと進化しつつあることがとある調査で明らかになった。
Facebookは60~70代がLINE以外で最も利用しているSNSであることが判明
NTTドコモ モバイル社会研究所が15~79歳の男女を対象に行った調査によると、最も利用率が高いSNSは1位LINE、2位Twitter、3位インスタグラム、4位Facebook、5位TikTokという結果になった。
Facebookの利用率を年代別に見ていくと、10代で16.2%、20代で31.9%、30代で39.3%と増加し、30代をピークに緩やかに減少。ほかのSNSは、10代をピークに年齢が高くなるにつれて利用率が減少しているが、Facebookだけ異なる動きを見せており、若者の利用率が低いことを物語る結果となった。
60代・70代に関しては、LINEを除くとFacebookが約20%台と最も利用率が高いSNSとなっており、続いてTwitterおじさんのSNSと言われているのも納得がいく。60~70代というと、もはやおじさんというよりもおじいさんの憩いの場になっているのかもしれない。
他にもTwitterやインスタといった人気のSNSがあるにもかかわらず、おじさん&おじいさんはなぜFacebookを選ぶのだろうか。
まず、Twitterを使わない理由として、文字数制限があることが挙げられるのではないだろうか。Twitterは1投稿につき140文字以内しか入力できない仕組みになっている。「おじさんは話が長い」とよく言うように、おじさんとは、自分のことをたくさん喋りたい生きものなのかもしれない。だとすると、おじさんにとって日々のあれこれを綴るには140文字はあまりにも短すぎる。
インスタを使わないのはなぜだろうか。インスタは写真や動画ありきのSNSだ。一部では見事に使いこなしている人もいるが、おじさんやおじいさんはスマホの操作に苦手意識があり、「自分で写真や動画を撮れない」という人が意外と多かったりするのも事実である。載せる写真がなくて投稿できないというケースもありそうだ。
その点Facebookは1投稿につき6万文字まで入力でき、写真を載せるも載せないも自由。加えて実名登録のため、タイムラインにいる友人が、誰が誰だかわからなくなることもない。おじさん&おじいさんにとって非常にやさしいSNSなのである。
色々と理由を分析したが、なにより同世代が集まる落ち着いた空間は、居心地がいいのかもしれない。十数年後に、Facebookが“オンライン老人ホーム”のような存在にならないことを願ってやまない。
出典元:LINE利用率8割超え:10~30代は9割が利用【モバイル社会研究所】
※サムネイル画像(Image:photo_gonzo / Shutterstock.com)