私たちにとってSNSといえば「Twitter」「Instagram」「Facebook」の3強だ(情報伝達手段として認識されている「LINE」を除いて)。かつては「mixi」や「モバゲー」が流行っている時代もあったが、ここ数年はこの3つがSNSの主流として多くの人に利用されている。
そんななか、特定の層のシェアを独占しそうなSNSが日本に上陸してきたことをご存知だろうか。それが、台湾の大学生9割が使う大学生限定SNS「Dcard」の日本版、「Dtto(ディット)」だ。匿名制なのにもかかわらず台湾で絶大な支持を集めるこのSNS、いったいどんな特徴があるのだろうか。果たして日本でも流行するのだろうか。
利用には所属大学のメールアドレスか学生証での認証が必須
2015年に正式ローンチされ、今や台湾の学生のほとんどが使うSNSに成長を遂げたDcard。メインの機能は“掲示板”であり、グルメ、ファッション、学生生活など様々な掲示板が用意されている。また“匿名性の高さ”も特徴のひとつ。掲示板に投稿されたお題について、匿名で気軽に会話を楽しめる仕様になっている。
大学ごとの掲示板も用意されており、授業やサークル、学生生活に関するあれこれなど些細なことも相談可能。ユーザー登録には所属大学が発行したメールアドレス、もしくは学生証での認証が必須であり、学生以外は登録できない仕組みになっている。
今回日本で展開された日本版サービスのDttoもほぼ同じ仕様だ。コロナ禍でオンライン授業が中心になり、大学の友人らとコミュニケーションが取れないことに不安を感じる大学生にとって、安心できる場になる可能性も十分にありそうだ。
大学生同士でコミュニケーションが取れるDttoは、コロナ禍で息詰まる大学生の心のオアシスになりそう……と思いきや、現在はプロモーション期間のため登録できるのは東京の有名大学のみ。4月1日にオープンしてから6月初旬現在まで、登録可能なのは東京大学、一橋大学、早慶上智、GMARCH、お茶の水女子大学の12校。なお、閲覧のみであればすべてのユーザーが可能だという。
いくらプロモーション期間とはいえ、この状態が長引けば、この12校に入らなかった大学はあまりいい思いをしないのではないか。現にネットでは「東工大だけハブられてる」と不満を漏らす声も上がっている。
また、掲示板形式&匿名制ということで交流の方法が5ちゃんねるに似ているのも気になるポイントである。良くも悪くも独自の文化に進化していった5ちゃんねるのことを考えると、Dttoの中でも独自の文化が生まれる可能性もありそうだ。そうすると、ますます理解の難しい若者文化が生まれてしまう。Dttoは若者とおじさんの溝をさらに広げるSNSとなるのか。今後の動きに注目だ。
参照元:台湾の大学生9割が使うSNSが上陸 匿名掲示板がなぜブレイク?【日経クロストレンド】
※サムネイル画像(Image:Sharaf Maksumov / Shutterstock.com)