近年様々な場面で目にするようになった「フェイクニュース」という言葉。単なる友人との雑談の中でちょっと間違ったことを伝えてしまった程度であれば大した影響は出ないだろう。しかしツイッターやフェイスブックのようなSNSでは、ちょっとした情報であっても瞬く間に拡散され多くの人に広まってしまうのだ。そんなフェイクニュースの拡散を抑えるための機能が、今回新たにツイッターで見つかったことについてお伝えしていきたい。
ツイッターが3種類の警告ラベルの実装を検討中か
リサーチャーのJane Manchun Wong氏がツイッターに投稿した内容によると、ツイッターはフェイクニュース対策の一環として「最新情報を見る」「情報収集する」「誤解を招く表現」という3段階の誤報警告ラベルの実装準備を進めているようだ。ツイッターはこれまでも、未読記事の載ったツイートをリツイートしようとすると「まず記事を読んでみませんか?」と表示する機能を導入していた。今回準備している機能もそれに類するものだろう。
Wong氏が例として提示した内容では、「一酸化二水素(水)60gを一気に飲んで、今は気分が悪い」というツイートに対し、水の情報について「最新情報を見る」というラベルがつけられている。さらに「あと12時間で、世界の一部が暗闇で覆われます。期待してください」というツイートには、「世界の一部が暗闇で覆われます」を日没の話であると読み取り、タイムゾーンの情報について「情報収集する」というラベル、論理的な誤りを含んだ「私は食べる。亀は食べる。したがって、私たちは亀なのです」というツイートには「誤解を招く表現」のラベルが表示されていることを示した。
フェイクニュース対策はいまやネットにプラットフォームを持つ企業の急務ともされている。フェイスブックでは、フェイクニュースを繰り返し投稿するユーザーが他ユーザーのニュースフィード等に表示される割合を減らしたり、そうしたユーザーをフォローしようとすると警告が表示されるようになっている。またグーグルでも、フェイクニュースが検索結果の上位に表示されることを防ぐよう検索アルゴリズムのアップデートを実施。2021年3月にはEUのフェイクニュース対策基金に多額の拠出を行ったことも話題となった。
かつて匿名掲示板が「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」と評されたように、ネット上でのコミュニケーションはリアルとは違った視点が求められる。真偽不明の情報が無数に存在し自分に都合の良いものだけを取捨選択できるからこそ、その情報が本当に正しいかどうかを自ら判断しなければならないのだ。
「ネットリテラシー」の高さこそが、さらに情報があふれるこれからのデジタル時代を生きていくうえで最も必要になってくるのかもしれない。
参照元:Twitter、3種類の誤報警告ラベルを導入との噂。フェイクニュース対策【iPhone Mania】
※サムネイル画像(Image:Henryk Ditze / Shutterstock.com)