「SNSは自己承認欲求を満たす場所」とよく言われるように、SNSは若い男女の“自撮り”で溢れている。バッチリメイクを決めて、光が綺麗に当たる場所で撮影した自分の写真を、自分好みの顔に加工していく。肌を白くなめらかに整えるのはもちろん、エラを削り、目を拡大し、もはや原形をとどめないこともしばしば。そんな写真もSNSにあげればたちまち知人からのいいね!が付き、「かわいい」というコメントが大量に飛んでくるのだ。
本来の自分ではない姿が不特定多数のひとから褒められる。これは一体健全な状態なのだろうか……。そんな自撮り文化に疑問を呈するSNSが登場した。写真系SNS「Poparazzi(ポパラッチ)」である。
ポパラッチって何? インスタグラムとは何がちがうの?
ポパラッチは、アレックス・マーとオースティン・マーの兄弟によって立ち上げられた写真系SNSアプリ。自撮りを載せることができず、家族や友人が客観的に撮った写真のみが自分のプロフィールに載ることが最大の特徴である。先日、App Storeの1位に急浮上して話題を呼んだ。
自分のページに並ぶのは、決め顔の自撮りではなく、親しい間柄の他人が撮影した自然体の自分。その写りは決して満足いくものではないかもしれないが、その写真こそが真実であり本当の自分なのだ。美しく加工された自撮り写真が並ぶインスタグラムでは、自分も加工をしなければいけない気持ちになったり、その眩しい世界に疲弊したりする人も少なくない。ポパラッチはそんな“インスタ疲れ”から解放してくれる、新しいスタイルのSNSとなりそうだ。
ポパラッチには、ほかにも特筆すべき点がある。それは、写真のキャプション、コメント、フォロワーのカウントの機能が存在しないということだ。これまでSNSは、自分自身のことを発信し、それに対して何かしらの反応が返ってくることで成り立つコンテンツであった。しかし、ポパラッチにはそういった他者の反応を反映するツールが極めて少ない。自分の写真に誹謗中傷のコメントが来てショックを受けることもなければ、「かわいい」「イケメン」など誉め言葉のコメントが来なくて落ち込むこともないのだ。
「そんなに気にするならSNSをやらなければいい」という声も聞こえてきそうだが、今やSNSはコミュニケーションにおいて非常に重要な役割を果たすコンテンツとなった。SNSの特性を受け入れた上で、自撮り文化に苦手意識を感じる人は、一度ポパラッチを使ってみるのもアリなのではないだろうか。
参照元:セルフィ―文化に疑問を呈する新SNS「ポパラッチ」って?【Women’s Health】
※サムネイル画像(Image:Primakov / Shutterstock.com)