FacebookやInstagram、Twitterなど各SNSは今や生活に欠かせないツールの1つ。「ちょっとでも空いた時間があればチェックしている」という人も多いのではないだろうか。特にFacebookは、世界月間アクティブユーザー数が約29億人にも及んでいる。……と聞いてもちょっと想像がつかないくらいだ。そんなFacebookを展開するFacebook社製アプリについて、研究チームがセキュリティ面で危険性があると警笛を鳴らしている。
老若男女、シーンを問わず使用されるFacebook社のアプリ
現在、Facebook社はFacebook、Instagram、WhatsApp、Messengerなど多数のSNSやメッセージアプリを展開している。それぞれ世界的人気を誇っており、Facebookは前述のとおり2021年6月時点で約29億人、Instagramは2021年7月時点で約13億8,600万人、メッセージアプリのWhatsAppは2020年4月時点で約20億人と、大規模なユーザーを抱えている(2021年10月・株式会社ユニアド発表)。
この記事を読んでいる読者の中にも、スマホにFacebook社製のアプリがいくつかインストールされている、という人もいることだろう。国内ではInstagramのユーザー数がFacebookを大きく上回っているが、双方を目的や相手に合わせて使い分けているのではないだろうか。
そんなFacebook社のアプリだが、便利な反面、セキュリティに関する危険性が見受けられるとして、セキュリティ研究者は今すぐアプリをアンインストール、つまり削除することを勧めているという。一体どういうことなのだろうか……?
サイバーセキュリティ研究者のザック・ドフマン氏によると、「Facebookアプリは加速度センサーを使ってユーザーの動きを追跡している」という。加速度センサーとは、スマホにかかる動きの検知に用いられるセンサー。別名モーションセンサーとも呼ばれており、画面を傾けると自動で縦横切り替えてくれるあの便利な機能や画面を傾けて操作するようなゲームアプリも、この加速度センサーの働きによるものだ。
この加速度センサーによって、Facebookは1日の内でユーザーがどの時間帯に行動しているのか、横になっているのか座っているのか、もしくは歩いているのかなどを判断することができるという。いつでもどこでもスマホを持ち歩いている人は、24時間の行動を監視されているといえるかもしれない。さらに、位置情報へのアクセスを不可にしても加速度センサーの読み取りを止めることはできず、Facebookに情報が送信されているというのだ。
もちろん、Facebookは手振れ検出などカメラ機能のための使用だとしているが、自分のプライベートな行動がデータとなって外部に届いていると思うと、多少なりとも不安を感じる人がいるだろう。
また、自分がFacebookアプリに位置情報のアクセスを許可していなくても、自分の周りにいる人が許可していた場合、そこを経由して正確な位置情報がFacebookに送信される恐れがあるとも述べている。だとするならば「位置情報可否の意味がなくなってしまうのでは?」とも思うのだが…。
世界を代表するFacebook社なだけに、悪用され直接的な被害を受けるなどの心配は不要かもしれないが、削除するかしないかはあなたの判断次第。ただ、ネット社会である現代、決して他人事ではなく、自分が見えていないところでさまざまな個人情報が飛び交っていることは、頭に入れておいた方がいいかもしれない。
参照元:セキュリティ研究者、iPhoneからFacebook製のアプリを削除すべきと警告【iPhone Mania】
※サムネイル画像(Image: Natee Meepian / Shutterstock.com)