ソニーから、思わず「It’s a Sony」と言いたくなる先進的なデザインの完全ワイヤレスイヤホンが発表された。なんとイヤホンの耳に差し込むパーツに大きな“穴”が開いているのだ。おまけに「自然な外音の取り込み」と、いままでのイヤホンでは考えられないことを言ってのけている。これまでは外の音をシャットアウトするためにヘッドホン型やカナル型で耳の穴を密閉したりしていたのだが…、完全に逆の発想だ。
今回は、斬新な設計のイヤホンでソニーが目指す方向性について考えていきたい。
ソニー、完全ワイヤレスイヤホン・LinkBudsを2月25日に発売
2月25日にソニーから新たにリリースされるのが、ワイヤレスステレオヘッドセット「LinkBuds」だ。製品ページに掲載された動画によれば、イヤホン本体ではなく装着した耳の周囲をタップするだけで起動が可能となるようだ。また、イヤホンはわずか約4.1gと軽量設計で、本体バッテリーは最大で5.5時間、充電ケース込みで最大17.5時間の使用が可能で、充電ケースに備えられたクイック充電機能を使えば10分の充電で90分間再生ができるのだという。さらに高品質のマイク機能も備えられている、とも紹介されている。
冒頭でもお伝えしたように穴が開いた他に類を見ない形状となっている。製品のキャッチコピーで「軽い、耳をふさがない、聴きながら聞こえる」謳っているように、イヤホンの音を聴きながら、外音も聞こえることがコンセプトのようだ。そんなあっちこっちから音を認識できるのは聖徳太子ぐらいなのでは…?と思うのだが、当然そこにもソニーの狙いがありそうだ。
音声AR、ソニーが日本に根付かせるか?
実はこのLinkBuds、「ポケモンGO」などで知られるアメリカのNianticとソニーとの協業にも関わるデバイスなのだという。年内にはNianticの位置情報ゲーム「Ingress」とのなんらかのコラボレーションの発表が企画されているようだ。
たしかに「音声AR」の観点から言えば、リアルと連動したゲームをプレイする際にはゲームの音だけでなく外界の音も重要となってくるだろう。同じピカチュウを捕まえる場合でも、街中で捕まえるのならば人の声や歩く音、駅で捕まえるなら電車の音やホームのアナウンスが聞こえてきたほうが臨場感も増すに違いない。(今回の発表ではポケモンGOとのコラボの話はなかったが)
また、そんな音声ARにゲームハードに強いソニーがこれから取り組んでいく姿勢を明確にしたことも大きなポイントと言えるかもしれない。プレイステーションなどで培ったデジタル技術のノウハウを余すことなく投入しながら、LinkBudsを通じて新たな音声AR文化を根付かせていってほしい。
ちなみにLinkBudsの予約はすでに開始されているが、発売前日となる2月24日には、Amazonの完全ワイヤレスイヤホン「Echo Buds(第2世代)」の発売も予定されている。こちらは一般的なカナル型のイヤホンで、23日までの予約で割引も受けられるというお得な特典がついているようだ。
LinkBudsとEcho Buds(第2世代)どちらが人気となるかも含めて、今後のワイヤレスイヤホン業界の動向を見守っていきたい。
●ワイヤレスステレオヘッドセット LinkBuds【SONY】
※サムネイル画像(Image:Amazonより引用)