“吸引力の変わらない唯一の掃除機”でお馴染みのあのダイソンが、初のウェアラブルデバイスである、ノイズキャンセリング機能付き空気清浄ヘッドホンを発表した。ヘッドホンに空気清浄機? と首をかしげる人もいるだろう。スタイリッシュなヘアドライヤーや、羽根のない扇風機など、掃除機だけではなく革新的な製品を次々に世の中に送り出し注目を浴びてきたダイソン。ウェアラブル空気清浄ヘッドホンとは一体どのようなものなのだろうか。
驚きの吸引力? 騒音も空気もクリーンに
ダイソン株式会社は2022年3月30日、初のウェアラブルデバイスであるノイズキャンセリング機能付き空気清浄ヘッドホン「ダイソンゾーン(Dyson Zone)」を発表した。2006年に世界初のサイクロン方式のコードレスクリーナーを発売し掃除機業界に大きな革命をもたらしたダイソンが、扇風機やヘアドライヤーときて、今度はウェアラブル業界に進出する。
ダイソンゾーンは、空気清浄の機能が付いたヘッドホン。高度なノイズキャンセリング機能と高品質な音響システムにより騒音を遮断する。ここまでは普通のヘッドホンだが、さらにイヤーカップから2層のフィルターを通して空気を取り込み、そこに含まれるハウスダストや花粉、排気ガスなどの汚染物質を取り除いたクリーンな空気を鼻と口に送り届ける、というウェアラブル空気清浄機でもあるのだ。
これはサイクロン掃除機や、扇風機、空気清浄機、ドライヤーなどから約30年にわたってダイソンが培ってきた、気流制御や小型モーター技術が詰め込まれた、新時代のデバイスと言えるかもしれない。2022年の秋に一部地域で発売予定、今のところ日本での展開の有無や時期は未定だという。
ダイソンが培ってきたテクノロジーが集結したこのダイソンゾーン。どうしても気になるのが、斬新すぎるその外観だ。空気を送るために口と鼻を覆っている非接触型のシールドが実に近未来的で街中で見かけたらかなり目立ちそうだ。掃除機や扇風機などの生活家電をスタイリッシュに進化させてきたダイソンだが、果たして今回のこのヘッドホンは広く受け入れられるだろうか。
このウェアラブル空気清浄機、新型コロナウイルスの流行がきっかけで開発されたわけではなく、実は6年も前から開発が進められていたのだという。コロナ以前より世界の大気汚染は深刻化していて、さらにこのコロナ禍も加わりマスク生活が当たり前になった今、時代に合ったものとして意外と人々に抵抗感なく受け入れられるかもしれない。ちなみにこのヘッドホンに採用されている非接触型シールドは着脱が可能で、飛沫防止には当たらないためマスク着用が必要な場面ではセットのフェイスカバーも使うようだ。
まるでジブリの「風の谷のナウシカ」の世界のように、空気浄化装置なしでは生きてはいけない世界になりつつあるのかも、とつい考えさせられる、そんな新製品。今後、日本での展開も気になるところだ。
●ダイソンゾーン(Dyson Zone)ノイズキャンセリング機能付き空気清浄ヘッドホン(公式)【ダイソン】
※サムネイル画像は(Image:「ダイソン株式会社」プレスリリースより引用)