近年のゲーム機は品薄が通過儀礼になっているのだろうか。数年前までは任天堂の「Nintendo Switch」が、そしてSwitchの供給が安定しはじめたかと思えば、2020年後半にはソニーから「PlayStation 5」が登場して品薄の話題を独占している。PS5は2年近い年月が経っても、なお手に入らない状況が続いている。
そしてそのような中、ソニーが「PS5の値上げ」を発表しネットが大きくざわついている。今回はPS5の値上げによる余波についてお伝えしていきたい。
ソニー、品薄の続くPS5の値上げを断行
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは8月25日、社長兼CEOのジム・ライアン名義で「一部の国・地域におけるPlayStation®5の希望小売価格改定に関するお知らせ」と題した記事をPlayStation.Blog上で公開した。
同記事でソニーは「欧州、中東、アフリカ、ラテンアメリカ、カナダ、そして日本を含むアジア太平洋の一部の国・地域においてPS5の希望小売価格の改定を決定した」ことを発表。日本では2022年9月15日からPS5(Ultra HD Blu-rayディスクドライブ搭載版)が60,478円(税込、以下同)、PS5 デジタル・エディションも49,478円に改定される。どちらもこれまでと比べて、5,500円の値上げになるという。
ソニーは値上げ判断に踏み切った理由として「世界中で発生している物価の上昇や、好ましくない為替の動向」といった「困難な経済情勢の影響」を挙げ理解を求めている。
2021年から2022年にかけて、さまざまな商品の値上げが相次いでいたことは記憶に新しい。その際には、消費者側も「このご時世じゃ仕方がない…」と値上げに対し理解を示すユーザーも少なくなかった。
では、今回のPS5も同じように同情的な意見が多かったかというと、そうでもないのが現実なのだ。PS5値上げの報道に対しネット上では「事情があるのは理解できるけど、とにかく心象が悪い。本当に普及させる気があるのか、ソニー」「普及していなくて値上げとかモノ売るってレベルじゃねえぞ」「PS5、3以上の失敗世代じゃね?」といった、ソニーに対する辛辣な言葉が続出している。
さらに「在庫を抱えている転売ヤーが得するだけやんけ」「転売対策すら一切講じずに、供給もままならない状態でこちらは買いたくても買えないのに、値上げって何を考えてんの…としか」と、PS5の供給不足を加速させているとみられる、いわゆる“転売ヤー”の存在を問題視するユーザーも多くみられた。
2023年には「PlayStation VR2」の発売も正式発表されており、さらに、PS5の需要は高まることが予想される。それまでに求めるユーザーの手元にPS5が行き渡るようになるのか。これから、PS5がどこまで増産されるかも期待される。
引用元:一部の国・地域におけるPlayStation®5の希望小売価格改定に関するお知らせ【PlayStation.Blog】
※サムネイル画像(Image:Mino Surkala / Shutterstock.com)