ポータブル電源BLUETTI「EB3A」の実力を検証してみた – ドライヤーや電気ポットまで使える!

最近、キャンプやバーベキュー用、あるいは震災による停電などに備えて、ポータブル電源を購入する人が増えています。でも、ドライヤーや電気ポットなどの家電まで使える製品は値段が高く、本体も大きくて重いのがネックですよね。そこで今回紹介するのが小型・軽量なのに最大1200Wの家電にも対応できるBLUETTI(ブルーティ)の「EB3A」です。いったいどのような製品なのか、実際に筆者がいろいろな製品を使って実験したレポートをお届けしましょう。

BLUETTIの「EB3A」は小型・軽量なのに最大1200Wの家電も動かせる!

筆者はキャンプやバーベキューによく行きますし、最近、地震や台風などの災害で停電になるニュースを見かけることが多いので、ポータブル電源が気になっていました。

もちろん、スマホを充電できるポータブルバッテリーくらいは持っていますが、どうせなら、大規模停電時に1000W以上の家電製品も動かせる製品を購入したいところです。

しかし、1000W以上の大出力が可能なポータブル電源の価格は10万円程度はしますし、本体も大きくて女性が1人で持ち運べないほどの重量があります。

かといって安くて小型のものはバッテリー容量が少なく、出力も弱いので、いったいどれを買っていいのか悩んでいました。

そんなときに見つけたのが、今回紹介するBLUETTIの「EB3A」です。EB3Aは本体が小さく重量も4.6kgと軽量なので、女性が片手でも持ち運べるコンパクトサイズ。

バッテリー容量は268.8Whとやや少なめですが、最大600Wもの出力が可能で、電力リフト機能をオンにすれば、製品によっては1200Wまでの家電製品も600W以下で動かすことが可能となっています。

ポータブル電源BLUETTI「EB3A」1

こちらがBLUETTIのEB3A。本体のほかに日本語マニュアルと、本体充電用のAC電源ケーブルが付属する。カー充電用ケーブルやソーラー発電パネルなどは別売り(筆者撮影)

ポータブル電源BLUETTI「EB3A」2

BLUETTI EB3Aは本体が非常に小さく重量も4.6kgしかないので、女性が片手でも楽に持ち運べる。これならキャンプに持って行っても邪魔にならないだろう(筆者撮影)

もちろん、BLUETTI EB3Aは「50Hz」と「60Hz」の両方に対応していますし、AC出力(交流)は「純正弦波」なので、電子レンジや冷蔵庫、電気ポット、扇風機、電気毛布、テレビなど、一般的な家電製品を動かすことも可能となっています。

BLUETTI EB3Aは、AC出力が2つ、USB Type-A出力が2つ、USB Type-C出力も1つのポートを備えているほか、ワイヤレス充電やシガーソケット出力などにも対応するので、一度に複数のスマホやパソコン、デジカメなどを充電可能となっています。

ポータブル電源BLUETTI「EB3A」3

BLUETTI EB3Aの出力は、AC×2、USB Type-A×2つ、USB Type-C×1、シガーソケット×1などを備えるほか、天板にはワイヤレス充電機能も備えている(画像はBLUETTI公式サイトより転載)

■BLUETTI EB3Aのスペック

【バッテリー】リン酸鉄
【バッテリー容量】268.8Wh(12Ah)
【AC定格出力】600W(6A)
【AC最大出力】1200W ※電力シフト利用時
【AC入力】278W(標準モード)430W(高速充電モード)
【DC入力】DC7909(最大200W/8.5A)
【遠隔操作】BLUETTIアプリで可能
【UPS・無停電電源装置】
【ワイヤレス充電】〇(最大15W)
【LEDライト】
【出力】AC出力×2/USB Type-A×2(5V DC/3A))/USB Type-C×1(100W/5A)/DC出力5521×2(12V DC/10A)/シガーソケット×1(12V DC/10A)/ワイヤレス充電(最大15W)
【サイズ】255×180×183mm
【重量】4.6kg
【価格】3万9,800円(実勢価格2万9,800円)

●BLUETTI「BLUETTI EB3A超小型ポータブル電源|防災推奨」→こちら
●Amazon「BLUETTI ポータブル電源 EB3A 268Wh/600W」→こちら

なお、BLUETTIというメーカーはあまり馴染みがないかもしれませんが、中国・深センにあるポータブル電源やソーラーパネルなどを製造・販売する会社です。

日本にも神奈川県相模原市に日本法人の「ブルーティジャパン」がありますので、さほど心配する必要はないでしょう。

BLUETTI EB3Aの機能と使い方は?

BLUETTI EB3Aで注目したい機能はほかにもあります。まず、注目したいのが簡易UPS(無停電電源装置)機能が付いていること。

これは、BLUETTI EB3AをACコンセント接続して、AC出力をオンにしていると自動で給電し続けるため、突然の停電に見舞われても接続しているパソコンで作成中のデータが吹っ飛ぶリスクも回避できます。これなら、テレワーク中でも安心して仕事ができますよね。

また、BLUETTI EB3A本体バッテリーは家庭用ACコンセントで充電でき、標準モードなら2時間でフル充電できますし、高速充電モード時は1時間でフル充電、最短30分で80%まで充電できるのも見逃せません。

ちなみに、BLUETTI EB3A本体には停電時に役立つLEDライトも装備しています。1回ボタンを押すと「弱」、2回押すと「強」、3回押すと「SOSの点滅」になっています。

BLUETTI EB3Aの機能と使い方1

BLUETTI EB3A本体バッテリーの充電はACコンセントで可能。高速充電モードを利用するとたった30分で80%まで充電できる。ただし、高速充電モードはスマホの「BLUETTI」アプリで変更しておく必要がある(筆者撮影)

BLUETTI EB3Aの機能と使い方2

本体にLEDライトを装備しており、停電時などに役立つ。電源ボタンを押す回数で3タイプに変化するようになっている(筆者撮影)

これだけの性能を持っているBLUETTI EB3Aですが、価格は3万9,800円と格安です。しかも、今ならAmazonで1万円割引きクーポンが付いていますし、BLUETTIの直販サイトなら26%オフの2万9,800円で購入可能です(2023年2月2日現在)。これはかなりコスパが高いのではないでしょうか?

BLUETTI EB3Aの基本的な操作方法は?

それでは、BLUETTI EB3Aの基本操作を確認しておきましょう。まず、BLUETTI EB3A本体には「DC出力(直流)」と「AC出力(交流)」の電源ボタンがあります。

運搬中に勝手に電源が入らないように、軽くボタンを押しただけではオンにならず、それぞれ1秒程度押さないとオンになりません。

電源がオンになると液晶画面の「OUTPUT」の下に「●DC」「●AC」が表示されるようになっていますので、利用時にはそれぞれの出力がオンになっているのを確認してからケーブルを接続しましょう。

ちなみに、3秒程度長押しするとすべての電源をオフにできます。よく分からないときは、スマホの「BLUETTI」アプリを操作したほうが分かりやすいでしょう。

BLUETTI EB3Aの基本的な操作方法1

こちらはDC出力。写真左下にある電源ボタンを1秒程度長押しするとオンになる。ここでは、シガーソケット(12V)やUSB Type-A(5V DC/3A)や、USB Type-C(100W)などが利用可能(筆者撮影)

BLUETTI EB3Aの基本的な操作方法2

こちらはAC電源。やはり写真左側にある電源ボタンを1秒程度長押しするとオンになる。ここでは100V AC/600Wが2系統利用可能となっている(筆者撮影)

BLUETTI EB3A本体には液晶パネルがありますが、左から「INPUT」=バッテリー充電中の状態、真ん中がバッテリー残量と残り稼働時間、右は「OUTPUT」=出力の状態が表示されます。

接続したスマホやパソコン、家電製品などが何ワット使っているのか確認できるほか、現在の出力状態であと何分利用できるのか一目で分かるようになっているのは、なかなか親切ですよね。

BLUETTI EB3Aの基本的な操作方法3

フロントの液晶パネルは、左がバッテリー充電中(INPUT)の状態、真ん中がバッテリー残量と残り稼働時間、右は出力の状態(OUTPUT)が表示される。現在、その機材が何ワット使っているか確認できるのも便利だ(筆者撮影)

BLUETTIアプリの基本機能と操作方法は?

BLUETTI EB3Aにはスマホ用アプリ「BLUETTI」も用意されており、Bluetoothで接続してスマホから本体を操作することが可能です。

アプリはAndroid、iPhoneどちらでも利用でき、アプリをインストールしたらBluetoothとGPSをオンにして、まずBLUETTI EB3A本体を検索しましょう。

Bluetoothでスマホとリンクできれば、メイン画面で電源をオン・オフしたり、DC出力とAC出力の電源オン・オフ、本体の電源オン・オフを操作できるようになります。

実際に使ってみると、本体ボタンを操作するよりもはるかに簡単で分かりやすいはずです。

また、「高速充電モード」や「電力リフト機能」など、BLUETTI EB3Aの重要な機能をフルに発揮するには、このアプリでの操作が必須となっています。

●BLUETTIアプリ(Android)→こちら
●BLUETTIアプリ(iPhone)→こちら

BLUETTIアプリの基本機能と操作方法1

初回起動時はガイダンス画面が表示されるので「次へ」を押す。必要なければスキップしても構わない(左写真)。この画面が表示されたら「接続」を押そう。次回からはこの画面が最初に表示されるようになる(右写真)

BLUETTIアプリの基本機能と操作方法2

BLUETTI EB3Aとの接続ではBluetoothやGPSを使用するので、それぞれに「同意」する(左写真)。すると、近くにあるBLUETTI EB3Aが表示されるので、これをタップしよう(右写真)

BLUETTIアプリの基本機能と操作方法3

接続されると操作画面が表示される。画面中心の下にメイン電源があり、その下にDC出力とAC出力の電源ボタンがある。画面右上の歯車が「設定」ボタンだ(左写真)。設定を開くとさまざまな機能が操作できるが、「高速充電モード」や「電力リフト機能」はここでオンにできる(右写真)

BLUETTI EB3Aでスマホの充電やパソコンを起動してみた!

それではBLUETTI EB3Aを実際に使ってみましょう。最初にもっとも身近なスマホやパソコンなどを接続してみます。

BLUETTI EB3AのDC電源をオンにして、ワイヤレス充電に対応するiPhoneをBLUETTI EB3A本体上に置いてみます。きちんと位置を合わせる必要がありますが、6W程度の高速充電ができました。

BLUETTI EB3Aでスマホの充電やパソコンを起動してみた1

BLUETTI EB3Aの天板がワイヤレス充電になっている。iPhoneを充電したところ6Wで高速充電された。このiPhoneの充電だけなら残り93%の状態でも24時間以上利用可能と表示された(筆者撮影)

次に、USB Type-AにiPhoneを接続してみましょう。こちらは3Wで充電されました。その横にあるUSB Type-CにAndroidスマホのXperiaを接続してみましたが、こちらは12~15Wほどで高速充電されました。

BLUETTI EB3Aでスマホの充電やパソコンを起動してみた2

こちらはiPhoneをUSB Type-Aで接続した状態。3Wなので充電速度は遅くなってしまうが、残り90%でも30時間以上は利用可能だ(筆者撮影)

BLUETTI EB3Aでスマホの充電やパソコンを起動してみた3

XperiaをUSB Type-Cで充電してみたところ、12~15Wで高速充電された。残り90%の状態で15.6時間以上利用可能となっていた(筆者撮影)

今回、パソコンはMicrosoft Surfaceを利用して充電してみます。AC出力にコンセントを接続してみたところ、こちらはおおむね90~100W程度を消費していました。パソコンも余裕で使えるのはうれしいですね。

BLUETTI EB3Aでスマホの充電やパソコンを起動してみた4

パソコンは、スマホと違ってAC出力にコンセントを接続することになる。もちろん90~100Wで安定して使用できたが、残り94%の状態で2.2時間利用可能と表示されていた(筆者撮影)

BLUETTI EB3Aで電力リフト機能でお湯を沸かしたりドライヤーを使ってみた!

スマホやパソコンはもっと安価なポータブル電源でも利用できるので、さっそくBLUETTI EB3Aの真価が発揮できるであろう、家電製品にチャレンジしてみましょう。

まずはソニーの43型液晶テレビから実験します。AC出力にコンセントを繋いでみたところ、こちらは69~70Wで問題なく動作しました。震災時に停電してもテレビが視聴できるのは安心ですね。

BLUETTI EB3Aで電力リフト機能でお湯を沸かしたりドライヤーを使ってみた1

43型の大型液晶テレビですが69~70Wしか消費せず、安定して動作した。ただし、残り93%の状態で利用時間は3.3時間ほどだった(筆者撮影)

次は800Wの電気ポットです。BLUETTI EB3Aの規定W数(600W)を超えた製品ですので、そのままだと「OVERLOAD」となってすぐに停止してしまいます。

そこで、スマホアプリで「電力リフト機能」をオンにして使用してみました。すると、430~450W程度で安定動作し、通常より時間はかかりましたが無事にお湯を沸かすことができました。

BLUETTI EB3Aで電力リフト機能でお湯を沸かしたりドライヤーを使ってみた2

こちらが800Wの電気ポット。最初は「OVERLOAD」となってすぐに停止したが、「電力リフト機能」をオンにすると430~450W程度で動作した(筆者撮影)

BLUETTI EB3Aで電力リフト機能でお湯を沸かしたりドライヤーを使ってみた3

こちらが「電力リフト機能」をオンにしてお湯を沸かしているときの液晶パネル。通常より時間はかかったがきちんとお湯を沸かすことができた(筆者撮影)

今度はターボ時に最大1200Wを消費するパナソニックのドライヤーです。こちらは通常の温風である「SET(セット)」にすると300W前後で安定して使えました。

しかし、1200Wの「TURBO(ターボ)」にすると、数秒後に「OVERLOAD(オーバーロード)」となって停止してしまいました。

そこで「電力リフト機能」をオンにして再チャレンジしましたが、残念ながら「ターボ」では10秒ほどで「OVERLOAD」となってしまいました。やはり瞬間的に大出力になる家電製品は厳しいようです。

BLUETTI EB3Aで電力リフト機能でお湯を沸かしたりドライヤーを使ってみた4

通常温風である「セット」では300Wほどしか使わなかったので、「電力リフト機能」オフの状態でも安定して使用できた(筆者撮影)

BLUETTI EB3Aで電力リフト機能でお湯を沸かしたりドライヤーを使ってみた5

1200Wの「ターボ」では「電力リフト機能」をオンにしても10秒ほどで「OVERLOAD」となって停止してしまった。これは残念!(筆者撮影)

ちなみに、筆者はこのあと「電力リフト機能」をオンにして電子レンジにもチャレンジしてみました。

こちらは200Wでの解凍は動きましたが、500Wにすると急に45Wほどに出力が落ちて動作がおかしくなったので、自主的に停止することにしました。

この結果から、BLUETTI EB3Aの「電力リフト機能」をオンにすることで、動作する家電もありますが、正しく動作しないものもあることが分かりました。キャンプなどで使用する前に、自宅でいろいろテストしたほうがいいでしょうね。

とはいえ、3万円以下のコンパクトモデルのBLUETTI EB3Aで、これだけの家電が動作したのは、筆者にとってはかなり驚きでした。

今回実証した家電

EB3Aはコンパクトモデルながらスマホやパソコンはもちろん、小型家電まで利用できるのが便利だった ※写真に写っている製品がすべて同時に動くわけではありません(筆者撮影)

まとめ

いかがでしょうか? アウトドアでの利用や災害時の停電などで使えるポータブル電源ですが、今回テストしたBLUETTI「EB3A」なら、スマホやパソコンはもちろん、テレビ、電気ポット、ドライヤーなど、さまざまな家電製品を動かすことが可能でした。

BLUETTI EB3Aが一家に一台あれば、キャンプやバーベキューだけでなく、地震や台風といった大規模災害時にもきっと役立つことでしょう。

●BLUETTI「BLUETTI EB3A超小型ポータブル電源|防災推奨」→こちら

オトナライフ編集部
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