最近、キャンプやバーベキュー、あるいは大災害による停電に備えて、ポータブル電源を購入する人が増えています。でも、低価格な小型製品はドライヤーや電気ポットなどの家電などが使えないのがネックですよね。そこで注目したいのが、BLUETTI(ブルーティ)の「AC60」です。最大1200Wの家電製品も使えるほか、拡張電源「B80」を追加すれば最大容量2015Wnになるという最新モデルとなっています。今回は、実際に筆者が「AC60」と「B80」を利用して、様々な家電製品で実験したレポートをお届けします。
BLUETTIの「AC60」は最大1200Wの家電も動かせる!
最近、地震や台風などの災害で停電になることが多いですし、キャンプやバーベキューのときにポータブル電源があれば便利ですよね。
筆者も、スマホ用の小型ポータブルバッテリーくらいは持っていますが、いざ停電になると1000W以上を消費する電気ポットやドライヤーなどの家電製品も動かせる、本格的なポータブル電源が欲しくなります。
でも、1000W以上の大出力に対応するポータブル電源の価格はかなり高く10万円程度はしますし、本体が大きくて1人で持ち運べないほどの重量があったりします。
そこで今回紹介するのが、BLUETTIの「AC60」です。AC60は最大容量403Whで最大出力600W(1200W)に対応しますが、本体サイズは290×205×234mmと小型です。重量は9.1kgほどありますが、男性なら1人で持ち運ぶことも可能でしょう。
もちろん、AC60は電力リフト機能を搭載しているので、1200Wまでの家電製品も600W以下で動かすことができるのが大きなポイントとなっているのです。
●BLUETTI「BLUETTI AC60ポータブル電源600W 403Wh」は→こちら
●Amazon「BLUETTI ポータブル電源 AC60 403Wh/600W」は→こちら
さらに、AC60には別売りの拡張電源「B80」も用意されており、2台連結すると約5倍の2015Whで運用することも可能となっています。
2000Whと言われてもピンと来ない人も多いでしょうが、1Wを1時間使った電力量が「1Wh」ですの、2000Whであれば200Wの家電製品を10時間も稼働できる容量ということになります。
そこで今回は、BLUETTI「AC60」と「B80」の基本的な使い方の紹介と、さまざまな家電製品を使った実験の結果を報告しましょう。果たしてその結果は!?
BLUETTI「AC60」の基本的な構造と使い方
それでは、AC60の基本的な構造を確認してみましょう。まずAC60の実機を触って感じるのは、非常に質感が高く高級な感じがすることです。
以前、小型・軽量のBLUETTI「EB3A」を実験しましたが、EB3Aはややプラスチック系でカジュアルな質感だったのに対し、AC60はズッシリしたタフな業務機といった感じです。
とくに、AC60は接続コネクタ類がすべてゴムカバーで保護されており、スイッチまで防塵・防水対応になっているので、アウトドアで天気の悪い日や砂や埃が舞うような環境でも、タフに使えるのが特徴となっています。
■BLUETTI AC60ポータブル電源 600W 403Whのスペック
【バッテリー】リン酸鉄リチウムイオン電池
【バッテリー容量】403Wh
【放電サイクル数】3,000回+
【出力】
・AC出力:2 x100V/6A、合計600W
・USB Type-C×1:5/9/12/15/20V, 3A; 20V, 5A
・USB Type-A×2:合計 5V/3A
・DC出力:12V/10A
・ワイヤレス充電×1:5W/7.5W/10W/15W
【瞬間最大出力】1200W ※電力シフト利用時
※純正弦波タイプ
【AC入力】最大600W
※ソーラーパネル充電/シガーソケット充電に対応
【遠隔操作】BLUETTIアプリで可能
【LEDライト】〇
【充電時間】ACアダプターターボモード時:約1.2〜1.7時間/ソーラー(200W):約2.5〜3時間
【パススルー充電】〇
【サイズ】290×205×234mm
【防水・防塵】IP65
【重量】9.1kg
【価格】9万9,800円(実勢価格7万4,800円)
【保証】6年
AC60の外観
AC60の正面のスイッチや出力端子
AC60本体の充電方法
AC60の電源を入れる方法
ACコンセント
USB出力
ワイヤレス充電
LEDライト
BLUETTI「AC60」でいろいろな家電を使ってみた!
それでは実際にAC60でさまざまなスマホやパソコンを充電したり、家電製品などを使ってみましょう。
まずは、需要が多いスマホの充電を行ってみます。USB Type-AとType-C、ワイヤレス充電で、それぞれ高速充電できるのかがポイントになります。
とくにUSB Type-CはeMarkerチップを搭載しているので、USB PD(Power Delivery)での100W電源を供給する能力を備えています。
実際にスマホをUSB Type-Cで充電すると、実測値で13Wと高速充電することが可能でした。天板のワイヤレス充電も実測値で13Wでしたので、こちらもなかなか高速です。また、USB Type-Aは3A対応の高速タイプですが、実測値では9Wとまずまずな感じでした。
USB Type-Cは13Wでスマホを高速充電可能
USB Type-Aは9Wでスマホを充電可能
ワイヤレス充電は13Wで高速充電できた!
ワイヤレス充電とUSBを同時充電してもOK!
スマホの高速充電は当たり前ですが、ワイヤレス充電とUSBで同時に2台のスマホを充電しても出力が落ちないのはありがたいですね。
次は瞬間的に大出力電源を消費する家電製品で実験してみましょう。まず、ノートパソコンを起動した状態で実験してみましたが、74Wで充電できたのでまったく問題ありませんでした。
続いて、最大1200Wの大出力が必要なドライヤーを試してみます。冷風の「COLD」は49Wしか使わず、弱温風の「SET」でも245Wで安定して使えましたが、1200Wの強温風「TURBO」にすると、さすがに十数秒後に「OVERLOAD」となってダウンしました。
そこで、スマホアプリから「電力リフト機能」をオンにしたところ、580Wで安定して使用することができました。もちろん、本来の1200Wのパワーではありませんが、弱温風よりは強い温風で髪を乾かせます。
最後は、最大800Wを必要とする電源ポットです。754Wでしばらく動いたあと、お湯が沸く前にやはり「OVERLOAD」となりました。
でも心配はいりません。電力リフト機能をオンにすれば、通常より多少時間はかかりますが、しっかりお湯を沸かすことができるのです。
ノートパソコンは74Wで充電できた!
1200Wのドライヤーも電力リフト機能で利用可能!
電気ポットも電力リフト機能でお湯を沸かせる!
BLUETTI「AC60」はスマホアプリから遠隔操作可能!
AC60を使ううえで、ほぼ必須となるのがスマホ用アプリです。このアプリはBluetoothでAC60と紐づけでき、AC60の充電状況を確認したり、電源(DC/ACを含む)ボタンを遠隔操作することなどができます。
また、600Wを超えるような家電製品を利用可能にするときは、アプリから「電力リフト機能」をオンにできるので、AC60を購入したらぜひ利用してください。
●BLUETTI(公式アプリ)「iPhone」は→こちら
●BLUETTI(公式アプリ)「Android」は→こちら
AC60をアプリと連携させる手順
AC60をアプリで遠隔操作する手順
電力リフト機能をオンにする手順
BLUETTI「AC60」に拡張電源「B80」を連結してみた!
AC60本体のバッテリー容量は403Whです。通常の1泊キャンプなら十分な容量がありますが、2〜3泊のキャンプではやや物足りないでしょう。
そのようなときは、拡張電源の「B80」を追加してみましょう。AC60にはB80(806Wh)を最大2台まで接続できるため、2台接続時の最大容量はAC60本体を含め2015Whにまで拡張できるのです。
ちなみに、この大容量のポータブル電源は、かなり大きくて重いため移動させるのが一苦労ですが、AC60は単体で約9.1kg、B80は9.9kgですので、個別に運べばさほど苦にならないでしょう。
ただし、2023年6月現在、B80はAmazonでクーポンやポイント還元を加味しても約7万円もしますので、実際にB80を2台購入して2015Whで運用するには、合計で22万円以上の出費になるのがやや厳しいところです。
●Amazon「BLUETTI ポータブル電源 B80 拡張バッテリー 806Wh AC60用」は→こちら
小型・軽量モデル「EB3A」とどっちがいいの?
ここまで、BLUETTIの最新モデル「AC60」と拡張電源「B80」について紹介してきました。
そこで気になるのが、BLUETTIの小型・軽量ポータブル電源「EB3A」とどっちがいいのか? ということでしょう。E3Aについて詳しく知りたい人はこちらの記事で確認してください。
実は、EB3Aはコンパクト機種ながら最大出力600Wですし、AC60と同じように電源シフト機能も搭載しているので、1200Wの家電製品も使えます。
しかも、EB3Aは本体が非常に小さく重量も4.6kgしかないので、女性が片手でも楽に持ち運べます。さらに、実勢価格も2万6,800円とかなり格安なのです。
それに対し、AC60はEB3Aより本体が一回り大きく、重量も9.1kgと2倍の重さがあるのでズッシリ感があります。女性が1人で運ぶのは少々厳しいかもしれません。
ただし、EB3Aは容量が268Whしかなく長時間は使えません。その点、AC60の容量は403Whもあり、拡張電源の「B80」を使えば最大2015Whまで拡張可能です。
したがって、1日泊のキャンプや一人暮らしの災害対策用なら小型軽量の「EB3A」で十分でしょう。価格も3万円以下で買いやすくコスパにも優れています。
ただし、2日以上のキャンプや4人以上の家庭の災害対策用として使うなら、やはり大容量のAC60のほうがオススメになります。
まとめ
いかがでしょうか? アウトドアでの利用や災害時の停電などで使えるポータブル電源。いざというときはきっと役に立つので購入を検討している人は多いでしょう。
今回テストしたBLUETTI「AC60」は大容量で、スマホやパソコンはもちろん、テレビ、電気ポット、ドライヤーなど、1000Wを超えるような家電製品まで、しっかり動かすことができました。
しかも、拡張電源「B80」を追加すれば、最大2000Wh超の大容量に拡張可能です。これなら2日〜3日のキャンプや万一の大災害時の備えも万全でしょう。