ダイソーのカーチャージャーと価格差約3倍のUGREEN製品を比較テストしてみた!

ダイソーでは、車内でスマホを充電できるカーチャージャー(シガーソケット・車載充電器)が数多く売られています。なかでも筆者が注目したのが、30W充電のカーチャージャー。USB Type-AとType-Cの2ポート同時充電が可能となっており、なかなか期待できそうです。そこで今回は、価格差約3倍のUGREEN38W充電カーチャージャーと比較テストをしてみました。果たしてダイソーの製品は問題ないのでしょうか?

100均で売られているカーチャージャーってどんなもの?

ドライブ中にスマホをカーナビに使ったり、ビデオカメラやポータブル空気清浄機など、車内でUSB電源を使う機器が増えてきましたよね。

最近は、最初からUSBポートを装備している自動車もありますが、筆者の愛車には装備されていないので、やはりUSBでスマホを充電できるカーチャージャー(シガーソケット・車載充電器)が必要になります。

そこで気になるのが、ダイソーで買える安価なカーチャージャーです。一般的な製品は2A(アンペア)対応で価格は110円。USBポートが2ポートあるタイプは220円ほどで売られています。

基本的に「2A」以上でないとスマホを充電しながら操作するのが厳しくなるので、「1A」の製品は避けたほうが無難です。

そのようななか、今回筆者が購入したのは、ダイソーではやや高価な550円の最大30W充電の「カーチャージャー(2ポート、18W+12W)」です。

こちらがダイソーで550円のカーチャージャー。パッケージには18W+12W=最大30Wと書かれていますが、本当に問題ないのでしょうか?(筆者撮影)

このカーチャージャーは、USB Type-Cが高速充電規格の「PD(Power Delivery)」に対応し、5V/3A・9V/2A・12V/1.5Vと記載されています。また、USB Type-Aのほうも5V/2.4A=12Wなので、どちらで充電しても速そうな感じがします。

もちろん入力は、国産乗用車の12Vだけでなく、外車やトラックなどの24Vにも対応していますので、多くの車で利用できるでしょう。

こちらがダイソーで550円の30W対応カーチャージャー本体です。USB Type-CとUSB Type-Aの2ポートがあり、Type-CはPD対応で最大18W出力、Type-Aは最大12Wに対応します(筆者撮影)

そこで今回は、ダイソーで550円の30W充電カーチャージャーを、Amazonで1,399円で販売されているUGREEN38W充電カーチャージャー「PD Car Charger」と比較してみます。

UGREENは中国メーカーですがその品質には定評があります。価格差は3倍近くありますが、実際に使ったときこの両者にどのような違いが出るのでしょうか?

こちらがAmazonで1,399円のUGREEN38W充電カーチャージャー「PD Car Charger」です。USB Type-CはPD3.0対応で出力は最大20W。USB Type-AはQC3.0対応で最大18W=合計出力は38Wとなっています(筆者撮影)

商品名 ダイソー カーチャージャー UGREEN PD Car Charger
価格 550円 1,399円
入力 12V/24V 12V-24V/2.7A
USBポート USB Type-A×1
USB Type-C×1
USB Type-A×1
USB Type-C×1
合計出力 Type-C18W+Type-A12W=30W Type-C20W+Type-A18W=38W
(5V/4.8A=最大24W)
USB Type-A 5V/2.4A=12W 5V/3A・9V/2A・12V/1.5A
(QC 3.0=最大18W)
USB Type-C 5V/3A・9V/2A・12V/1.5A
(PD=最大18W)
5V/3A・9V/2.22A・12V/1.67A
(PD3.0=最大20W)

こちらが2機種の性能を比較したものです。全体的にUGREENのほうが性能が高そうですが、実際に使ったときはどのような差が出るのでしょうか?(表はパッケージなどを基に筆者が独自に作成)

ダイソーのカーチャージャーで充電テストした結果は?

それでは、まずダイソーのカーチャージャーで充電テストしてみましょう。

今回のテストに使用するのはAndroidスマホ(OPPO Reno5 A)、iPhone13、Androidタブレット(Lenovo Tab P11 Plus)、Macbookです。

まず、AndroidスマホはUSB Type-A接続で5.06V/1.50A=7.58Wとまずまずでしたが、USB Type-C接続では9.08V/1.15A=10.47Wと高速でした。

次に、AndroidタブレットをUSB Type-Cで接続したところ9.09V/1.36A=12.37Wとかなり高速で充電できました。

ただし、iPhoneをUSB Type-Aで接続すると5.07V/0.97A=4.94Wと、1Aにも届かない残念な結果となりました。

最後に大電力を必要とするMacBookをUSB Type-Cで接続したところ、12.0V/1.62A=19.52Wで充電されました。これは規定値の18Wを上回る数値なので、少々不安になるほど高速です。

Androidスマホを充電

まず、AndroidスマホをUSB Type-Aで接続したところ5.06V/1.50A=7.58Wとまずまずの結果です。次にUSB Type-Cで接続したところ、こちらは9.08V/1.15A=10.47Wと高速充電されていました(筆者撮影)

Androidタブレットを充電

次に、Androidタブレットを充電しましょう。こちらはUSB Type-Cで9.09V/1.36A=12.37Wとかなり高速で充電できました。画面にも急速充電中と表示されています(筆者撮影)

iPhoneを充電

iPhoneをUSB Type-Aケーブルで充電したところ、5.07V/0.97A=4.94Wと1Aに届かない残念な結果となりました(筆者撮影)

MacBookを充電

大電力を必要とするMacBookは12.0V/1.62A=19.52Wで充電されました。これは規定値の18Wを上回る意外な結果で、少々ビックリしました(筆者撮影)

UGREENのカーチャージャーで充電テストした結果は?

続いてUGREENの「PD Car Charger」でスマホやタブレット、パソコンなどを充電テストしてみましょう。使用デバイスはすべて同じものを使用しています。

まず、AndroidスマホはUSB Type-Aで9.06V/1.17A=10.58W、USB Type-Cでも9.06V/1.21A=10.93Wと、いずれも10W超と高速で充電できました。

Type-C接続はダイソーのカーチャージャーとほぼ同じ数値でしたが、Type-A接続時は5.06V/1.50A=7.58Wでしたので、これはUGREENのほうが優れています。

次に、Androidタブレットは9.06V/1.21A=10.93Wとなかなか高速でしたが、ダイソーのカーチャージャーのほうは9.09V/1.36A=12.37Wでしたので、UGREENを上回る性能を発揮したことになります。

iPhoneの場合はUGREENでもType-A接続で1Aに届かず、5.01V/0.72A=3.61Wと期待外れな結果になりました。もしかするとケーブルに問題があったのかもしれません。

最後に、MacBookをUSB Type-Cで接続したところ、こちらはダイソーのカーチャージャーと同等の12.1V/1.62A=19.56Wで充電できました。

Androidスマホを充電

AndroidスマホはUSB Type-Aで9.06V/1.17A=10.58W、USB Type-Cでも9・06V/1.21A=10.93Wと、いずれも10W超となかなか優秀です(筆者撮影)

Androidタブレットを充電

Androidタブレットも9.06V/1.21A=10.93Wで充電され、画面にも急速充電中と表示されていましたが、ダイソーのカーチャージャーは9.09V/1.36A=12.37Wと、より高速で充電されていました(筆者撮影)

iPhoneを充電

iPhoneはUSB Type-Aケーブルで充電しましたが、ダイソーのカーチャージャー同様に5.01V/0.72A=3.61Wで、かなり不満の残る結果となりました(筆者撮影)

MacBookを充電

MacBookをUSB Type-Cで接続すると12.1V/1.62A=19.56Wと高速で、Type-Cの上限値に近い数値が出ていました(筆者撮影)

2ポート同時接続時の出力は意外な結果に!

それぞれのカーチャージャーの実力が分かったところで、最後に気になったのが2ポート同時充電の性能です。

ダイソーのカーチャージャーは18W+12W=最大30Wで、UGREENのほうは20W+18W=最大38Wとなっています。UGREENはスペック表示で同時出力は上限が24Wとなっていますが、果たして実際にはどうなるのでしょうか?

今回はポータブル電源を利用して合計出力(W数)を確認してみますが、実験ではUSB Type-CにMacBookを接続、USB Type-AにiPhoneを接続してみました。

すると、ダイソーのカーチャージャーは2ポート同時出力時に24Wだったのに対し、UGREENのほうは半分の12Wしか出力されていませんでした。

そもそもUGREENは2ポート接続時の最大出力は最大24Wとあったので、同時接続で多少数値が落ちるのは分かっていましたが、少々残念な結果です。

この結果を額面どおり受け取れば、2ポート接続時はダイソーのほうが優れているということになります。

しかし、筆者の経験上ポータブル電源側で24W出力と表示されていても、実際のデバイスへの供給電力は必ずしも一致していないこともあったので、この結果は参考程度に考えておいたほうがいいかもしれません。

ダイソーのカーチャージャーで2ポート同時出力

ダイソーのカーチャージャーにMacBookとiPhoneを2台同時に充電したところ、ポータブル電源側の出力数は24Wと表示されました。これはなかなか素晴らしい結果です(筆者撮影)

UGREENのカーチャージャーで2ポート同時出力

UGREENのカーチャージャーにMacBookとiPhoneを2台同時に充電したところ、ポータブル電源側の出力は12Wと表示されました。これは規定値の半分ほどですので、少々がっかりしました(筆者撮影)

まとめ

いかがでしょうか? 今回はダイソーで550円の「30W充電カーチャージャー」と、Amazonで1,399円のUGREEN「38W対応カーチャージャー」を使って実際にさまざまなデバイスを充電してテストしてみました。

その結果、いくつかのデバイスでダイソーのカーチャージャーのほうがUGREENを上回る性能を発揮しており、値段の割りにはなかなか優秀であることが確認できました。これならダイソーのカーチャージャーは、コスパに優れたお買い得商品と言えるのではないでしょうか。

なお、以前ダイソーで330円で購入した5V/3.1A(15W)対応「カーチャージャーTYPE-A TYPE-C(2ポート)」をテストして、UGREEN製品と比較実験した記事もありますので、ぜひ参考にしてください。

※記事中の商品は筆者(編集部)が購入時点のものです。店舗によっては在庫切れ、取り扱いがない場合もありますのでご了承ください。

オトナライフ編集部
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