デンマークの人気ブランドJabra Elite 4(ワイヤレスイヤホン)Evolve2 65 Flex(ヘッドセット)は買いか?

スマホで音楽を聴いたりパソコンでビデオ会議をする機会が増え、音質の良い手頃なワイヤレスイヤホンや、使い勝手のいいヘッドセットが欲しいと思っている人も多いでしょう。そこで今回は「Jabra(ジャブラ)」のワイヤレスイヤホン「Elite 4」とヘッドセット「Evolve2 65 Flex」を紹介します。もしかすると、Jabraというブランドをよく知らない人もいるでしょうが、筆者が実際に使ってみましたので、それぞれの使い勝手や音質について、じっくりレポートしたいと思います。

「Jabra(ジャブラ)」ってどうなの、品質に問題はない?  

イヤホンやヘッドセットを購入するときは、まずそのメーカーの特徴を知ることが大事です。

今回紹介するJabra(ジャブラ)は音響機器に詳しい人なら聞いたことのある人気ブランドで、もともとはアメリカのハンズフリー機器メーカーでしたが、現在はデンマークのGNグループに属しています。

GNグループは1869年に設立され、補聴器などを製造していた会社。音響機器には1985年から参入し、2000年にはJabraを買収して傘下に収めました。

現在、GNグループの音響機器は「Jabra」ブランドに統一されており、その品質には定評があります。

そこで今回は、Jabraから2023年4月に発売された完全ワイヤレスイヤホン「Jabra Elite 4」と、2023年6月に発売されたヘッドセット「Jabra Evolve2 65 Flex」の2機種を紹介しましょう。

●Jabra(公式)は→こちら

こちらが完全ワイヤレスイヤホン「Jabra Elite 4」。Amazonでは実勢価格1万1,109円で販売されています(筆者撮影)

こちらがヘッドセットの「Jabra Evolve2 65 Flex」。Amazonでの実勢価格は4万461円です(筆者撮影)

「Jabra Elite 4」は高スペックなのに価格は驚くほど安い!

それではまず、完全ワイヤレスイヤホン「Jabra Elite 4」から紹介しましょう。

Jabra Elite 4は2023年4月に発売された新機種で、公式サイトでの価格は1万4,300円(税込)です。

内容物はイヤホン本体、充電ケース、充電用USB Type-Cケーブル、3種類のイヤージェル(S/M/Lサイズ)となっています。

カナル式イヤホンはイヤージェルの密着度で音の聞こえ方が劇的に変わってくるので、始めからイヤージェルが複数種類付いているのはとても助かりますね。

●Jabra「Jabra Elite 4」は→こちら(Amazon)

■Jabra Elite 4

【イヤホンサイズ・重量】21×28×21mm・約4.6g
【ケースサイズ・重量】約65×29×35mm・33.4g
【スピーカーサイズ】6mm
【ANC】
【防水防塵】〇(IP55)
【オーディオコーデック】SBC/Qualcomm aptX
【スピーカー帯域幅】20Hz~20,000Hz(音楽モード時)
【音楽再生時間】5.5時間(本体のみ)/28時間(ケース併用・ANCオフ時/ANCオン時は22時間)
【充電時間】最大3.5時間(ケース充電10分で1時間再生可能)
【Bluetoothプロファイル】A2DP/AVRCP/HFP/HSP
【Bluetooth】Version 5.2
【接続】Fast Pair(Android 6.0)/Swift Pair(Windows 10)
【Bluetoothマルチポイント】
【Bluetoothペアリング】最大6台
【アプリ】Jabra Sound+
【カラー】ダークグレー/ライトベージュ/ライラック
【価格】1万4,300円

こちらがJabra Elite 4の内容物。イヤホン本体と充電ケース、充電用のUSB Type-Cと説明書が2部、そしてサイズ違いのイヤージェルも付属します(筆者撮影)

イヤージェルはMサイズが本体に取り付けられており、別途SサイズとLサイズが同梱されていました(筆者撮影)

イヤホン本体の性能としては、アクティブノイズキャンセリング(ANC)と4つのマイクが搭載され、音帯域幅20Hz~20,000Hz、スピーカーサイズは6mmとなっています。

注目したいのは、何と言ってもBluetoothイヤホンとしては現状最高音質のコーデック“QualcommR aptX”に対応している点。ハイレゾ対応ではないのですが、音質は期待せざるを得ません。

Bluetoothのバージョンは5.2で、対応プロファイルはA2DP、AVRCP、HFP、HSP。また、ヘッドセット機能も搭載しています。

さらに、複数のプレイヤーデバイスに同時にBluetoothで接続できる“マルチポイント”に対応しているため、音楽プレイヤーとスマホなどの2台同時接続も可能となっています。

バッテリーは、イヤホン本体の場合ANCオフで最長7時間、ANCオンで最長5.5時間の再生時間となっています。もちろん、充電ケースは急速充電に対応しており、わずか10分の充電で1時間もイヤホンを使用できます。

また、充電ケースを使用すればANCオフで最長28時間、ANCオンで最長22時間も再生可能となっています。

使用前に気になる点といえば、イヤホンの操作が“タッチセンサー”ではなく“ボタン式”であること。ボタン式はどうしても押すときに力が加わるため、耳に負担がかかることもあるのです。

イヤホン本体のボタンは、Jabraのロゴが入っている部分全体。浅めのクリック感ですが、ある程度は力を入れて押す必要があります(筆者撮影)

とはいえ、ANCやQualcommR aptX、マルチポイントなどに対応していてかなり高機能なのに、価格が1万4,300円(税込)というのは、正直言って驚きの安さだと思います。

このあと、後半ではJabra Elite 4を実際に使ってみた感想や、気になる音質などを評価します。

Jabra Evolve2 65 Flexは持ち運びが便利な折り畳めるヘッドセット

次に折りたたみ式の完全ワイヤレスヘッドセット「Jabra Evolve2 65 Flex」を紹介しましょう。

Jabra Evolve2 65 Flexは2023年6月に発売されたばかりで、公式サイト価格は4万700円(税込)と、なかなかの高額商品。

内容物はヘッドセット、Link 380 Bluetooth アダプター、USB Type-Cケーブル、キャリー ポーチ、ワイヤレス充電パッドとなっています。

こちらがJabra Evolve2 65 Flexの内容物。ヘッドセット本体、キャリングケース、ワイヤレス充電器(Qi)、Link 380 Bluetooth アダプター、USB Type-Cケーブル、説明書が2部が付属します(筆者撮影)

Jabra Evolve2 65 Flexで特筆すべきはそのコンパクトさ。折りたたみ式のヘッドセットが縦10cm×横19.5cm×奥3.5cmのキャリングケースにすっぽりと収まります。

これならコワーキングスペースへの持ち運びにも便利ですし、旅行に持って行くヘッドフォンとしても重宝しそうですね。

●Jabra「Jabra Evolve2 65 Flex」は→こちら(Amazon)

■Jabra Evolve2 65 Flex

【サイズ】200×108×155mm
【重量】136g
【ANC】
【スピーカーサイズ】28mm
【スピーカー入力】最大30mW
【スピーカー周波数範囲】20Hz-20,000Hz
【オーディオコーデック】SBC
【音楽再生時間】最大32時間(ANC使用時21時間)
【充電コード】USB Type-C
【ワイヤレス充電】Qi対応
【充電時間】最大120分(30分で最大45%充電可能)
【Bluetoothプロファイル】A2DP/AVRCP/HFP/HSP/SPP
【Bluetooth】Version 5.2
【Bluetoothペアリング】最大8台(Bluetoothは同時2台)
【価格】4万700円

キャリングケースは片手で持ち運べるほどコンパクト。ノマドや社内のフリースペースで仕事をするにはピッタリでしょう(筆者撮影)

ヘッドフォンを折りたたむと片手で持てるサイズ感。かさばりやすいヘッドフォンをコンパクトに収納できます(筆者撮影)

それではJabra Evolve2 65 Flexの性能を確認してみましょう。

Jabra Evolve2 65 FlexはANC搭載の完全ワイヤレスヘッドセット。スピーカーサイズは28mm、スピーカー最大入力は30mWとイヤホンとは比べものにならない高スペックですが、スピーカー帯域幅は音楽モードで20Hz~20,000Hzと、わりと普通のスペックです。

バッテリーはANCオフで最長32時間、ANCオンで最長21時間なので、日常使いならまったく問題ないレベル。

Jabra Evolve2 65 Flexの充電方法が2種類あり。時間がかかってもいいときはワイヤレス充電(Qi)、急速充電ならUSB Type-Cケーブルと使い分けが可能です。

充電時間はUSB Type-Cケーブルを使用すれば120分で完了する早さなので、バッテリーがしょっちゅう切れて大変ということはないでしょう。

ヘッドフォンは同梱されている無線充電パッド(Qi)で充電できるほか(上写真)、USB Type-Cを使って有線で充電もできます(下写真)(筆者撮影)

Bluetoothのバージョンは5.2で、対応プロファイルはA2DP、AVRCP、HFP、HSP、PBAP、SPPと豊富で、複数機器に同時接続できる“マルチポイント”に対応しています。

なお、Jabra Evolve2 65 Flexにはヘッドセットをパソコンで使うためのLink 380 Bluetooth アダプターがキャリングケースに収納されています。このレシーバーをパソコンのUSBに挿せば、すぐにヘッドセットと自動接続されるのは便利ですね。

マイクは右耳側に収納されていて、収納すると自動でミュートされ、取り出すと自動でオンに設定することも可能。オンライン会議などでは重宝しそうですね(筆者撮影)

キャリングケースにはLink 380 Bluetooth アダプターが収納されており、パソコンのUSBに挿せばすぐにヘッドセットと自動接続されます(筆者撮影)

スペックでやや惜しいと感じるのは、対応コーデックがSBCのみとなっている点です。

かなり高額商品なのにSBCにしか対応していないのは、音質的にやや不安が残りますが、ヘッドフォン型でスピーカーサイズが大きいので、実際に聞いてみないと音質は判断できません。

Jabra Evolve2 65 Flexの実際の使い勝手や音質については、後半で紹介します。

スマホとのBluetooth接続方法を確認しておこう!

Jabra Elite 4とJabra Evolve2 65 Flexを、スマホや音楽プレイヤーとBluetoothで接続する方法を確認しておきましょう。

まず、Jabra Elite 4はイヤホンをケースから出すことで、すぐにBluetooth接続モードになるので、さほど迷うことはないと思います。

Jabra Evolve2 65 Flexのほうは、Bluetoothのペアリングモードに移行するために少し操作が必要になります。と言っても左側の電源ボタンを4秒ほど長押しするだけでOKです。

いずれの場合も、スマホや音楽プレイヤーのBluetoothをオンにして、新しいデバイスを検索してペアリング作業すれば、すぐに使えるようになります。

Jabra Evolve2 65 Flexをスマホとペアリングする手順

まず、Jabra Evolve2 65 Flexの電源ボタンを4秒間長押しします。これで、Bluetoothのペアリングモードになります(筆者撮影)

スマホ側のBluetoothをオンにして、「新しい機器とペア設定する」をタップします(左写真)。すると「Jabra Evolve2 65 Flex」が表示されるので、これをタップしましょう(右写真)

ポップアップが表示されたら、「ペア設定する」をタップすれば(左写真)、接続機器に「Jabra Evolve2 65 Flex」が登録されます。これでBluetoothでのペアリングは完了です(右写真)

もし、スマホで使うのであれば、Jabraの公式アプリ「Jabra Sound+」をインストールして初期設定を行いましょう。

画面の指示に従って操作するだけで、自分の耳の特性にあった音質に自動調整してくれる機能も利用できますよ。

●Android「Jabra Sound+」は→こちら
●iOS「Jabra Sound+」は→こちら

スマホに専用アプリ「Jabra Sound+」をインストールしていれば、アプリが起動してJabra Evolve2 65 Flexの初期設定が始まるので、指示に従うだけで自分専用にカスタマイズできます

Jabra Elite 4とJabra Evolve2 65 Flexの音質はどうなの?

Bluetoothでのペアリングが完了したところで、Jabra Elite 4とJabra Evolve2 65 Flexの音質を実際に聴き比べてみましょう。

Jabra Elite 4の音質や使用感

まず、Jabra Elite 4から聞いてみると、ボーカルが際立って聴こえる中音をメインに調整されているようです。

低音は少しボヤッとしている部分もありますが、広がりがありバスのキレが良く、変に間延びした印象はありません。

中音から高音までは非常にシャキっとしていて、打ち込み系やテクノなどにちょうどいいイヤホンだと感じます。

音の解像度も高いので、クラシックやオーケストラ、ジャズなどの生楽器系の楽曲もじっくりと味わうことができるでしょう。

なお、ノイズキャンセル機能の効果はあまり強くなく、部屋の空調音が多少低減される程度でした。

唯一残念だったのはハイレゾ音源に対応していないこと。Jabra Elite 4でハイレゾを聴いても音の奥行きはさほど変わりません。

また、タッチセンサーではなくボタン式なので、押すたびにイヤホンを耳の穴に押し込んでいく感覚はイマイチな部分です。

イヤホンの操作がボタン式なので、どうしても押すたびに耳の奥に押し込む感じがするのは、少し残念な点です(筆者撮影)

Jabra Evolve2 65 Flexの音質や使用感

次にJabra Evolve2 65 Flexの音質を確認してみましょう。こちらはヘッドセットですが、密閉式ではないため、全体の音がぼやっとしているイメージです。

イヤーシューが小さく、耳を覆うだけの構造なので、音に広がりがなくこもっている感じがします。

ただし、音量を上げるとこもった部分が軽減されますので、どちらかというと大音量で音楽を聴くように調整されているようです。

もちろん、音量を上げても音が割れることはないので、ガンガン音楽を聴く人には向いているかもしれません。

音質はボーカルがハッキリ聴こえるように中音メインで調整されていますので、ビデオ会議などで人の声を聴くには最適でしょう。喋っている声は耳元で囁いているように聴こえるほどで、かなりレベルが高いと感じました。

ただ、低音がイマイチな感じがありますので、クラシックなどの生楽器には不向きです。

ノイズキャンセル機能は少し耳にキーンとくる感じがあるので、もし、苦手な人はオフにしておいたほうがいいでしょう。

なお、Jabra Evolve2 65 Flexはイヤホンと違って、ボタン配置が分かりやすく操作し易いのもメリットだと思います。

また、マイクを格納すると自動的にミュートになるため、仕事のビデオ会議などに使うのがベストな使用方法です。

Jabra Evolve2 65 Flexのイヤーシューはヘッドセットとしては小さめです。耳を覆うだけの構造なので、音に広がりはありませんが、音量を上げるとこもった部分は軽減されます(筆者撮影)

まとめ

いかがでしょうか? 今回はデンマークの人気ブランド「Jabra」の完全ワイヤレスイヤホン「Elite 4」とヘッドセット「Evolve2 65 Flex」を実際に使ってみました。

当然のことですが、ヘッドセットのEvolve2 65 Flexよりは、Jabra Elite 4のほうが高音質で、音楽を楽しむのに向いています。

また、Jabra Elite 4は1万4,300円という低価格ながら、非常に高機能で苦手ジャンルの少ないイヤホンなので、コスパは非常に高いと言えます。唯一の不満は、イヤホン操作がボタン式である点だけでした。

一方、Jabra Evolve2 65 Flexのほうは、音質も音楽鑑賞向けというより、人の話し声を聞き取るのに特化した調整になっていました。

やはりビデオ会議などに使うのを前提で開発されたヘッドセットなのでしょう。

とにかく、使いやすさや機能性が重視されており、とくにマイクをしまうと自動でミュートする機能が非常に便利です。

また、折りたたんでコンパクトにできたり、キャリングケースが付属するなど至れり尽くせり。

価格は4万700円とやや高めですが、出張が多いビジネスパーソンや、仕事上、ビデオ会議で長時間ヘッドセットを使う人にはオススメです。

オトナライフ編集部
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